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1 :本当にあった怖い名無し:2009/03/30(月) 23:29:51 ID:nNUXTIAY0
私は慄然たる思いで机の引出しから突如現れたその異形の物体を凝視した。
それは大小の球体を組み合わせたとしか言い様の無い姿をしており、狂気じみた
青色が純白の顔と腹部を縁取っていた。這いずり回るような冒涜的な足音で私に
近付くと、何とも名状し難き声で私と私の子孫のおぞましき未来を語るのであった。
「そこまでだ」聞き覚えのある声だった。
Tさんは何か呪文のようなものを唱え「破ぁ!!」と叫んだ
すると異形の物体をしたものは愚か、机さえ粉々になっていた。
「人々を混迷に陥れる道具を使われてはこまるんでね」
寺生まれってスゴイ 改めてそう思った
――江戸川乱歩 『どらゑ門 』 第1章
現行スレ:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1290017004/
前スレ:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1251037645/
前々スレ:http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1238423391/
- 487 :本当にあった怖い名無し:2010/05/30(日) 20:14:08 ID:tHL/kjO80
- 朝起きる。
小便をしようと便所へ行き便器の蓋を開ける。
顔が半分抉られた女の生首が中からこっちを恨めしそうに見ている。
ゴボゴボゴボ
邪魔なので流す。
「破ぁ~・・・流しても流しても毎朝出やがって、
寝起きは吹き飛ばす気力も湧かないってのに」
ぼやきながら小便を済ませる。
そのうち、いちいち流すのが面倒になってそのまま用を足すように
なるかもしれない。
これは、私が恵子ちゃんから聞いた話です。
父は、物心ついたときにはもういませんでした
母は、女でひとつで私を育ててくれました。
そんな母が死ぬ間際、私にくれた物があった
それはお守り、母は、「本当に辛いときになったら、それをあけるんだよ」といって渡してくれた
私はそれをずっと肌身離さず持ちつづけました。
数年たって、友人達にその話をしたらその場で開けようという話になりました。
私も最初は断ったんだけど、「母の死後からだいぶ経っているのでそろそろ良いかな…」
という気持ちもあったので結局開ける事になりました。
お守りの布袋を開けてみると
そこには、一枚の紙
母の震えた字で「恵子、死ね」という文字が書かれていました。
「くだらねぇ、冗談だな。妖怪変化!」
そういうとTさんは紙に手を押し当て
「破ぁ!」と叫んだ。
「長い事使われていない物は妖怪に変わっちまうことがあるんだ、ほら、紙を見てみな。」
文字は変わっていた。そこには
『恵子、幸せになるんだよ。』
恵子は声を挙げて泣いた。
「紙のご加護があらん事を、っと、このセリフは二度目だったな(笑)」
とだけ残して帰っていった。寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。
甘いあめ屋の香りが漂うとまたこの季節が来たのかと思う。
となりの部屋では母が髪に塗る赤い水あめを練っている。
ことの始まりは3年前僕の姉は自分の命を引き換えにかつて恋人だった男を呪ってしまった。
いや、正しくは彼女の命と僕らの家族の運命と引き換えにして。
ここは宇治の地、一年中茶を蒸す香りで里は満たされる。
あめで髪を練る、川に浸かる、そして生成りになりその後とある儀式を得て人は正式な鬼になれる。 「早くやれよ」
迎えの小鬼が僕の耳元に生暖かい息を吹きかけささやきかけてきた。
僕は彼らの姿は母と違って見えない。 そして彼らのことをゴキブリと同等程度に嫌っている。
準備が整うと母は暴れる僕の喉に包丁を突き立て 冷やし飴の味のする感覚を鈍らせる毒を流し込み、腹に飴の入っていた熱い鉄鍋を押し当てる。
毎年のことだけど止めて欲しいと声の出なくなった喉で喘ぐ。
燃えるような痛みと熱さ、感覚がにぶくなっても逃げれない誤魔化せない。
母さんも皮膚がどろどろに爛れて溶けているじゃないか、飴が熱いよ。
頭皮からは 髪の焼けるチリチリとした嫌な感覚とにおいが立ち込める。
僕の髪に緋色の飴を塗り立て固めて2本のツノを編み、その後僕は川に浸され記憶を失う。
翌朝の新聞には姉の恋人の血縁者の変死事件の記事が乗る。
今年で三年目、何時もの事なんだ。
「復讐は血族全てを消すまで続くんだよ」
見えない存在の声がする。 でも人類みな兄弟っていうだろ、血族って何処までを指すんだろう。
しかも姉は自殺した時、腹には命を宿していた。なのに僕は母が飴を練る日が来ることを拒むことが出来ない。
「鬼神の手先となって魂を集める呪われし血族め!!」
背後からの声に振り向くと、そこには寺生まれで霊感の強いTさんの姿が!
「破ぁ!!」
Tさんは小鬼たちに狙いを定めると、掌から青白い光弾を発射して鬼達を手当たり次第に消していった!!
あっという間に鬼達を一掃したTさんは、
「茶を買いに来てみれば・・・危ない所だったな。あと一年遅かったらお前も鬼神と化していたぞ」と残して去っていった。
寺生まれってスゴイ。どこか釈然としない気持ちを抱きながらそう思った。
中学生の時、家から少し離れたところに明らかに
誰も住んでいない廃墟がありました。
壁一面に蔦が生い茂ったいかにもって出で立ちの一軒家。
ある日の部活明けに、同級生8人で忍び込むことに。
時間は8時頃ドアを開かなかったため裏へ回り、窓から侵入。
真っ暗な中懐中電灯の照らした先には何故か無数の人形と、
ボーリングのピンが壁に沿って並べてあった。
お祭り気分で乗り込んだものの、この時点でかなりテンションはダウン。
8人もいるのに口数はかなり減った。
皆、帰りたかったがせっかく入ったんだからともう少し捜索してみる事に。
奥に進むと、そこは畳の部屋。
かなり痛んでいたらしく、
歩く度に足が畳を貫き、そのたびにギャーギャーわめいた。
次にリビングのような部屋に進んだ。
真ん中にはテーブル。
見ると何か置いてあった。
近づいてみるとそれは1枚の置手紙と何かを録音したらしいテープ。
置手紙にはこう書いてあった。
『お父さんありがとう』
特に怖いことが書いてあったわけじゃないのに、
何か寒気を感じて俺らは撤退することにした。
外に出るとほっとしたのか、皆、堰を切ったように話はじめた。
そして手紙の横のテープの話題に。
「あれは何が入ってたんだろう?」
とか話してると友人の一人がぼそっと呟いた。
「・・俺持ってきちゃった・・」と。
その場には再生するものがなかったため、
責任持ってその友人が持って帰って聞くことになった。
===ここからは友人の話=====
持って帰った彼は、少しびびりながらも、とりあえずラジカセで再生してみた。
・・・・・・無音。
10分以上聞いたが無音だった。
古いテープだったし、消えちゃったのかな
と思い再生したまま彼は漫画を読み始めた。
しばらく漫画を読み、テープのことを忘れかけた時。
ラジカセから女の声が聞こえた。
「お父さん、殺してくれてありg「破ぁーーッ!!」」
突如ラジカセから寺生まれで霊感の強いTさんの声が流れ出し、
ラジカセは光を伴って爆発した。
寺生まれってスゴイ。改めてそう思った。
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ひどい二日酔いで目を覚ましましたジャックは、記憶が無くどうやって家に帰ってきたのか
覚えていなかったので何か悪いことはしなかったかと思い返しました。
最初に目に入ったものは、サイドテーブルの上にある頭痛薬2錠と水でした。
その横にはバラの花が1本添えてあります。
不思議に思い起き上がってみると、彼の服がきれいにアイロン掛けされて置いてあります。
あたりを見回しました。全てがきちんと整っています。
部屋もとてもきれいで、部屋以外も掃除が行き届いています。
とりあえず二日酔いの頭痛薬を飲み、洗面所に行きました。
鏡を見てみると、昨日まで無かった大きな青アザが出来ていて驚きました。
鏡の片隅にはメモがあり、赤く小さなハートマークとキスマークと共に
メッセージが添えられていました。
「あなた、朝食はストーブの上よ。
あなたの大好物の夕食を作るためにスーパーに行って来るわ。愛してるわ、ダーリン!」
よたよたとキッチンまで行ってみると、確かにストーブの上に湯気の立ったコーヒーと朝食がありました。
息子がちょうど朝食を食べていた為、ジャックは尋ねました。
「昨日はいったい何があったんだ?」
息子は言いました。
「父さんは朝方の3時に帰ってきたよ。すごく酔っ払ってた。コーヒーテーブルのところで転んでテーブルを壊しちゃったんだ。
それから廊下で吐いてたよ。そのままドアにぶつかって目に青タンが出来たんだよ。」
ジャックはますます困惑して尋ねました。
「じゃあどうして家の中はこうパーフェクトなんだい?いつもはないバラの花と朝食がパパを待っているんだ」
息子は答えました。
「ああ、それね。昨日ママがパパをベッドに引きずって、ズボンを脱がそうとしたんだよ。
そうしたら窓ガラスをぶち割って東洋人が入ってきてね、突然叫んだんだ。『破ぁーっ!』ってね」
寺生まれってやっぱり凄い。ジャックは濁った頭でぼんやり思いました。
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417 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/06/03(土) 11:45:17 ID:NtlJAYil0
これはOLとして働きながら、ひとり暮らしをしていた数年前の夏の夜の話です。
私が当時住んでいた1DKは、トイレと浴槽が一緒になったユニットバスでした。
ある夜、沸いた頃を見計らって、お風呂に入ろうと浴槽のフタを開くと、
人の頭のような影が見えました。
頭部の上半分が浴槽の真ん中にポッコリと浮き、
鼻の付け根から下は沈んでいました。
それは女の人でした。
見開いた両目は正面の浴槽の壁を見つめ、長い髪が海藻のように揺れて広がり、
浮力でふわりと持ちあげられた白く細い両腕が、黒髪の間に見え隠れしてました。
どんな姿勢をとっても、狭い浴槽にこんなふうに入れるはずがありません。
人間でないことは、あきらかでした。
突然の出来事に、私はフタを手にしたまま、裸で立ちつくしてしまいました。
女の人は、呆然とする私に気づいたようでした。
目だけを動かして私を見すえると、ニタっと笑った口元は、お湯の中、
黒く長い髪の合間で、真っ赤に開きました。
(あっ、だめだっ!)
次の瞬間、私は浴槽にフタをしました。フタの下からゴボゴボという音に混ざって
笑い声が聞こえてきました。
と同時に、閉じたフタを下から引っ掻くような音が・・・。
418 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/06/03(土) 11:46:10 ID:NtlJAYil0
私は洗面器やブラシやシャンプーやら、そのあたりにあるものを、わざと大きな音を
立てながら手当たり次第にフタの上へ乗せ、慌てて浴室を飛び出ました。
浴室の扉の向こうでは、フタの下から聞こえる引っ掻く音が
掌で叩く音に変わっていました。
私は脱いだばかりのTシャツとGパンを身につけ、部屋を飛び出ると
タクシーを拾い、一番近くに住む女友達のところへ逃げ込んだのです。
数時間後……深夜十二時を回っていたと思います。
カギもかけず、また何も持たず飛び出たこともあり、友人に付き添ってもらい
部屋へ戻りました。
友人は、今回のような話を笑い飛ばすタイプで、好奇心旺盛な彼女が、
浴室の扉を開けてくれる事になりました。
浴室は、とても静かでした。フタの上に載せたいろんなものは
全部、床に落ちていました。お湯の中からの笑い声も、フタを叩く音もしていません。
友人が浴槽のフタを開きました。しかし、湯気が立つだけで、
女の人どころか髪の毛の一本もありません。
お湯もキレイなものでした。それでも気味が悪いので、
友人に頼んで、お湯を落としてもらいました。
419 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/06/03(土) 11:47:36 ID:NtlJAYil0
その時、まったく別のところで嫌なものを見つけたのです。
私の身体は固まりました。
洋式便器の、閉じたフタと便座の間から、長い髪がゾロリとはみ出ているのです。
友人も、それに気付きました。
彼女はわたしが止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。
その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。
まるでお面のようなその女の人は目だけを動かすと、立ちすくんでいる友人を見、次にわたしを見ました。
わたしと視線が合った途端、女の人はまた口をぱっくりと開き、今度はハッキリと聞こえる甲高い声で笑い始めました。
「はははははは…ははははははは…。」
「人間の生理現象を逆手にとって結界を広げていく小悪党め!」
背後からの声に振り返ると、そこには寺生まれで霊感の強いTさんが!
「破ぁ!!」
怒号と共に青白い光弾が炸裂し、女は便器ごと粉々に吹き飛びました。
「独身女の風呂を覗くなんてけしからん奴だぜ。そいじゃあな。はははの破ァ!」
Tさんは豪快に笑って家を出て行きましたが、器物破損で大家さんに警察へ連れて行かれてしまいました。
その時、まったく別のところで嫌なものを見つけたのです。
私の身体は固まりました。
洋式便器の前に、ズボンと下着を膝まで下ろした男性がおしりをこちらに向けて立っていたのです。
友人も、それに気付きました。
彼女はわたしが止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。
その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。
まるでお面のようなその女の人は目だけを動かすと、立ちすくんでいる男性の股間(あたり?)を見ました。
視線が股間に向いた途端、男の人は足をがにまたに開き、ハッキリと聞こえる音でおしっこを始めました。
はははははは…ははははははは…。
私たちギャラリーの笑い声を浴びて、女の人の顔がゼンマイ仕掛けのように小刻みに震え、はみ出た黒髪がぞぞぞぞっ…っと便器の中に引き込まれました。
顔を引きつらせた友人は、叩きつけるように便器のフタを閉じようとしました。
けれど男性(寺生まれのTさんでした)が、片手で彼女を押さえ、「もうちょっとまってくれ」と言いつつ、もう片方の手をナニに添えると、
破ァッ!の掛け声と共に、青白い最後の一ひねりを搾り出しました。
耳障りな笑い声が、水の流れる音と、無理矢理飲み込もうとする吸引音にかき消されました。
その後は無我夢中だったせいか、よく覚えていません。
気が付くと、簡単な着替えと貴重品だけを持って、私と友人は友人の部屋の前にいました。
部屋に入った友人は、まず最初に警察に電話をすると、ここまでついて来たTさんに「ちんこしまえ」と言いました。
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ピーコ「昔、実家でね、悪霊を追い払うと言われたお香をたいたのよ。
そしたら、おすぎが『臭い!臭いぃぃぃぃ!』と叫びながら家を
飛び出ていったのよ。玄関先にはいつの間にか、寺生まれで
霊感の強いTちゃんが待ち構えていてね。出てきたおすぎを
青白い光弾で吹き飛ばしたのよ。
寺生まれって本当にすごいと思ったわ、アタシ」
大学二回生の初夏だった。
俺はオカルト道の師匠につれられて、山に向かっていた。
「面白そうなものが手に入りそうだ」と言われてノコノコついて行ったのであるが、彼の「面白い」は普通の人とは使い方が違うので俺は初めから身構えていたが、行き先がお寺だと知ってますます緊張してきた。
なんでも、知り合いの寺なのだとか。そちらから連絡が入ったらしい。
市内から一時間以上走っただろうか。師匠は「ここだ」と言いながら、道端に軽四を止めた。
周囲は畑に囲まれていて、山間に午後の爽やかな風が吹いている。
古ぼけた門をくぐり、地所に入るとささやかな杉木立の向こうに本堂があり、脇に設けられた庭園には澱んだような池が音もなく風紋を立たせていた。
「真宗の寺だよ」 と師匠は言った。
山鳩が鳴いて、緑の深い森に微かな羽ばたきが消えていく。右手に鐘楼堂が見えたが、屋根が傾き、肝心の鐘が見当たらない。打ち捨てられているようだ。
「あれは鐘が戦時中に供出されてからそのままらしい」
師匠の説明に顔をもう一度そちらに向けた瞬間、目の端になにか白いものが映った気がして、先へ進む師匠を追いかけながら首を捻ってあたりを見回したが何も見当たらなかった。
その白いものが服だったような気がして、少し気味悪くなった。境内には誰もいないと思っていたから。
師匠はズンズンと本堂から反れて平屋の建物の方へ向かっていった。
住職の住む家らしい。庫裏(くり)というのだったか。
玄関の方へ回ろうとすると「こっちこっち」という声がして裏手の方から手招きをしている人がいる。随分背の高い男性だ。俺と師匠は裏口から招き入れられ、居間らしき畳張りの部屋に通された。
「親父さんは?」 師匠の問いに「出てる。パチンコじゃねえか」と男性は答えて、「じゃあ、例の、持ってくる」と部屋を出て行った。
二人取り残されてから、俺は師匠をつついた。
「あの人は黒谷さんっていう、悪い人。親父ってのがこの寺の住職。やっぱり悪い」
なにせこの僕に、供養を頼まれた物品を売りつけようってんだから。 ニヤニヤと笑う。
俺は先日見せてもらった心霊写真の束を思い出した。あれも確か業者から買った横流し品だと言っていたはずだ。
「ああ、ここから直で買ったのもあるよ。まあ、一応ここは御焚き上げ供養の隠れた名寺ってことになってるから、そこそこ数が集まってくる」
でもまあ、本物は一割以下だね。
師匠はそう言いながら、部屋の中に無造作に飾られた市松人形や掛け軸などを勝手に弄りまわっている。
やがて黒谷と呼ばれた男性が戻ってきて、紙袋を師匠の前に置いた。
師匠が手を伸ばそうとすると、黒谷さんはスッと紙袋を引き下げて手の平を広げた。
五本の指を強調するようにウネウネと動かしている。
「五本は高い」 師匠が口を尖らせると、黒谷はボサボサの頭を掻きながら
「あ、そ」と言って紙袋を持って立ち上がろうとする。
910 :ビデオ 前編3:2009/08/06(木) 17:58:17 ID:TB5fOCDV0
「持って来たのはどんな人ですか」 間髪いれずに師匠が問うと、中腰のまま「中年のご婦人。
深い帽子にサングラス。住所不明。姓名不明。ブツの経緯も不明。でも供養料に足の指まで全部置いてった」と答える。
「二十本も?」 師匠が険しい顔をした。そして「わかりました」と言ってジーンズのポケットから出した財布を放り投げる。
黒谷は財布をキャッチして、紙袋をこちらによこした。
師匠は紙袋を覗き込み、小さく頷く。俺も思わず横から割り込むように覗いた。
袋の中に、一本の黒いビデオテープが見えた。
「足りねえ」 黒谷の声に、師匠がばつの悪そうな顔をして「今度持って来ます」と言う。
「今度っていつだ」気まずい雰囲気が部屋に流れる。
そんな空気を打ち壊したのは、他ならぬ寺生まれで霊感の強いTさんだった。
Tさんは部屋に入ってくるなり「破ぁっ!」と叫び、守礼門が描かれた紙幣を25枚、黒谷に差し出したのだ。
「立て替えてくれるのか?ありが…」師匠がお礼を言い終わるより早く、Tさんはビデオの入った紙袋をひったくった。
「神聖な寺の中で、学生にビデオを売りつけるなんてけしからん!しかも5万だと?なんていかがわしいんだ。これは俺が預かっておくからな!」
そう怒鳴ったTさんは呆然としている俺たちを残して、大事そうに紙袋を抱え部屋から出ていった。
寺生まれってやっぱり凄い。この時はまだ、そうは思えなかった。
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2月の終わりの話。
大学が休みに入ったので、喪男キモオタの代表格典型例みたいな俺らは心の底からすることがなかった。
暇に任せて、関東圏のある心霊スポットへ。
そこでは本当に何もなく、男ばかりなので無駄に怖がって俺に抱きついてくれる女の子がいるはずもなく
何となく盛り下がって終了、俺の家で6人のキモオタがアニメ観賞とエロゲで肝試しの何倍も盛り上がった。
酒も入っていい具合にハイにもなってきた頃、急に部屋の灯りがすごい勢いで瞬き始めた。
窓ガラスが外からバシバシ叩かれてる。両掌でおもいきり叩いてる感じ。
今から考えるとかなり恐ろしいんだけど、その時の俺らは全く怖くなかった。
その時やってたエロゲが「坊さんが幽霊の女の子を優しいエロで成仏させる」というコンセプトの
どうしようもないゲームだったから…。
俺:キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
友人:キタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
友人:萌え!むしろ萌え!
全員:もえええええええええええええええええっ!!!
今考えると、何か正気の沙汰じゃない。
でも俺らはエロゲの力と、キモオタの力と、酒の力で力の限り萌え続けた。
しばらく萌えー萌えーとひとしきり騒いだ頃、ふっと部屋の灯りが消えた。
全員が車座になってたんだけど、その真ん中に女の人が立ってた。
色はよく分からない長いスカートを履いていて、裾から雫が垂れていた。
全員:もええええええええええええええええええっ!!
友人:ちょwwwwwっをまwwwww
友人:お、おっぱい!
全員:うおおおおおおおおおおおおおお!もええええええええ!
その後はおっぱいコール。全員でおっぱい!おっぱい!と絶叫連呼。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
⊂彡
女の人はちょっと眉を顰めた後、恥ずかしそうに上着を脱ぎだした、その時
ガッッシャーン!!
ベランダの窓が激しく割れ、何者かが乱入してきた!寺生まれで霊感の強いTさんだ!
T:破ァーーーー!!
Tさんの手から放たれた青白い閃光は女の人を直撃した。
女の人:きゃああぁぁぁ・・・
女の人は悲しそうに消えてしまった。
T:危ないところだったな。お前ら、あのままだったら命はなかったぜ
そう言うとTさんはベランダから去って行った。
しばらくの沈黙の後、俺らは泣いた。声を出して本気で泣いた。
親が死んでもここまでは泣かないだろうってくらいマジ泣きした。
寺生まれって酷い、俺らはそう思った。
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