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寺生まれのTさんまとめ@オカ板
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477 :本当にあった怖い名無し:2010/05/26(水) 00:24:06 ID:qrzwOda60
ある日のこと。私は山道に車を走らせていました。
その日は友人達と夕食を食べたりドライブをしていました。
雑談が長引いたりあっちこっち寄り道をしたおかげで、
友人達を全員送り終えた頃には日が変わっていました。
この時、私は運転しながら内心ビクビクしていました。
というのも、先ほど送り終えた友人が家に着くまでいろいろと怖い話を
話していたからです。
深夜であることと山道というのもありますが、
それに加え雨天と雨霧で視界が悪く、蒸し暑さもあって何かが
出そうな雰囲気を感じていたのです。

(何も出ませんように・・・)

私は心の中で祈るようにその言葉を何度も繰り返していました。

ドン

突然、車の上から一際大きな音がしました。
雨音と思いたかったのですが、その音には雨音とは明らかに違う重みがあった
のです。
しかも・・・

ガタ・・・ガタ・・・

車の上を移動するような音が続けて聞こえてきたのです。
上に何かがいるのは明らかでした。

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478 :本当にあった怖い名無し:2010/05/26(水) 00:25:45 ID:qrzwOda60
気が動転した私は逃れたい一心で山道にも関わらずスピードを
上げました。
しかし、音は一向に止みません。
半泣きになりかけていた私でしたが、その時友人が最後に話していた
寺生まれのTさんの話を思い出しました。
寺生まれのTさんは霊感が異常に強くあちらこちらで心霊現象を解決している
凄い人らしいのですが、本当に怖くてどうしようもなくなった時は
心の中でそのTさんに助けを求めろと友人は言っていました。

(助けて寺生まれのTさん、助けて寺生まれのTさん、助けて寺生まれのTさん)

私は念仏の如く心の中でTさんに助けを求めました。
しかし、事態はもっと悪くなりました。
フロントガラスの上方から人の髪の毛のようなものが見えてきたのです。
「ぬーっと」という表現がありますが、正にその表現通りに髪が垂れていき
遂には白目を剥いた青白い顔が見えてきたのです。

「助けて寺生まれのTさん!破ァ!」

恐怖のあまりに助けるを求める声と同時に、私は話に聞いたTさんの真似を
して手の平をフロントガラスに向けて突き出しました。
その時です。

「人の恐怖心を煽る下級霊め!」

突然手の平が光ったと思いますと、そこから私と同じ様に手の平を突き出し
ながら一人の男が現れたのです。

「破ァァァァァァァァ!」

私はつい急ブレーキを踏みましたが、男は構わずに突き出した手の平から
青白い光弾をフロントガラスに向かって放ちました。

479 :本当にあった怖い名無し:2010/05/26(水) 00:27:19 ID:qrzwOda60
凄い振動を感じましたがすぐに止み、雨音だけが周囲から聞こえていました。

「もう大丈夫だ」

先ほどの男が爽やかな笑みを浮かべていつの間にか助手席に座っていました。
フロントガラスを見ますとあの青白い不気味な人の顔はありませんでした。
それどころかフロントガラスも粉々に吹き飛んでなくなっていました。

「・・・あの、ありがとうございました。ところであなたは?」

名前を聞くと男はTといい寺生まれであると言いました。
そう、その男こそ友人の話していたTさんだったのです。

「いったいどうやってここへ?」

「俺を呼ぶ強い念を感じたんでな。すっとんで来たってわけさ」

私は初めて寺生まれが凄いと思いました。

「あ、来たのはいいけど帰りどうしようかな」

帰れないらしいので私がTさんを家まで送りました。
ちなみにフロントガラスはTさんが直してくれました。


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116 :本当にあった怖い名無し:2009/09/12(土) 01:04:07 ID:iAL7yQMK0

俺は磯釣りを楽しむ為にこの無人島にやって来た。
島に民家は一軒も無いのでここに来るには内地の民宿に泊まって船で渡してもらうしか無かった。
だが困った事があった。渡し船が出るのは朝の8時で午後の4時には迎えが来る。
俺は夜明け前には釣りの準備を済ませ日没まで釣っていたかったのである。
その事を民宿の親父に頼むと突然不機嫌になりこう言った「ダメだ。あの島は夜の間はせぶりしゅうのもんだ。人間は近づいちゃなんねえ。」 それ以上は話にならなかった。
そこで俺は午前2時半に黙って小型ボートに乗り込み一人でこの島に渡って来た。
少し早過ぎたようだ。誰もいない島で波の音を聞きながら寝転がって夜空を眺めていた。
その時である。遠くから何十人もの男女の叫び声や悲鳴のようなものが聞こえた。
俺は全身の血液が凍りつく思いで起き上がった。海を見るとなんとそこには数十体の死体が浮かんでいたのだ。
膝がガクガクと震えるのが分かった。そして次に信じられない光景を目にした。
海に浮かんでいた死体達が次々と立ち上がり波に揺られながら海の上を歩いてこちらに向かって来たのである。
俺は恐怖のあまり、顔面が冷たくなりそこから逃げようとした。

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117 :本当にあった怖い名無し:2009/09/12(土) 01:05:24 ID:iAL7yQMK0

だが手遅れだった。既に背後を別の亡霊達に取り囲まれていたのである。
数十メートル離れた所で、ある者は昔の着物を着ており、ある者は軍服やスーツ姿だった。彼らは皆ズブ濡れだった。子供を抱いた女もいた。
彼らはその場にうずくまったり、様々な方向を向いたまま青い顔を伏せて立ち尽くしていた。
遠くで鳴り続けた叫び声が急に大きくなると、そいつらも皆一斉にこちらに向けて近づいて来た。
俺はもうダメだと思った。その時である。
「この島は夜に来ちゃダメなんだよ。そう言われただろう。」見るとそこには寺生まれで霊感の強いTさがいた。
Tさんはそいつらに手のひらを向けると 「破! 破!」と次々に打ち抜いて行った。そしてTさんに打ち抜かれた者達は光の玉になってフワフワと天に登って行った。
Tさんが全て片付け終わった頃に、海の向こうから太陽が登って来た。
朝焼けの中でタバコを吸うTさんを見て、寺生まれってスゴい 改めてそう思った。



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