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- 77 :本当にあった怖い名無し:2011/03/14(月) 11:12:34.47 ID:hHH/CjZn0
- 国道5号線の小樽方面へ向かう、とある緩やかなカーブは事故が多い。
それは霊的なものというわけではなく、国道で90キロ100キロ出すのが
普通という北海道の交通事情とブラックアイスバーンによるものだ。
数年前の話になるが、そのカーブで友人がスリップ事故を起こしている。
歩道側に乗り上げたが夜間ということもあり幸い人身被害はなく
後続車と若干接触してリアに凹み傷をつけた程度で済んだ。
その友人が言うには事故当時、カーブに差し掛かったところで
異様なものを見つけてそれに気を取られて事故を起こしたらしい。
カーブの路側帯に沿って何人もの人が列を成していた、というのだ。
その人たちは揃って車道側を向き手招きのような仕草をしていたらしい。
そこで亡くなった人たちが仲間を増やそうとしてる系の話か、と私が言うと
友人は違うと言った。
その手招きの行列も妙だったが、友人が気を取られたものは別のものだったのだ。
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- 78 :本当にあった怖い名無し:2011/03/14(月) 11:14:32.40 ID:hHH/CjZn0
-
手招きの行列より上、歩道より奥の山のあたりに陰陽師が立っていたという。
その場所に立っているということはつまり空中であり、なにより
とんでもない巨人ということになる。
友人が言うには写真で人物だけ切り取って、山の辺りに貼り付けたように
見えたという。
友人は手招きの集団ではなく、その陰陽師が“引っ張った”んじゃないか、と話していた。
それからしばらく後のことだ。
私が深夜に同じカーブを通ったときのことである。
友人の話を思い出した私は速度を落としながら路側帯に目をやった。
驚いたことに友人が言っていたような行列が目に入った。
ただ違うのは、彼らは誰一人として手招きなどしていなかった。
そして山のほうに立つ陰陽師も居なかった。
表情はなくただこちらをじっと見つめているような気がした。
カーブはそれほど長いものではなかったが、すごく長い時間を
走っていたように思う。
嫌な感じを受けつつも結局、私は何事もなくカーブを抜けた。
- 79 :本当にあった怖い名無し:2011/03/14(月) 11:16:16.57 ID:hHH/CjZn0
- しかしその瞬間だった。
カーブの終端と同時に途切れていた行列、その最後尾。
そこに今どき珍しい黒い和服の男が立っていて、すれ違いざまに“にや”っと笑ったのだ。
なぜか、近所でも有名な陰陽師のNさんだと、はっきりとわかった。
そして、あっと思った次にはリアのタイヤからぎゅるん、という空回りする音がして
私の車は逆向きになって滑り、歩道側面の石壁に激突しそうになったその時
「神の御加護があらん事を・・・アーメン」
その声と共に私の身体は青白い光に包まれ、地面に優しく寝かされていた。
教会生まれで神父のKさんがそこにいた。
「N、あなたでしたか」
「おのれ、貴様まで邪魔をするか」
いつの間にかNさんは全身黒いモヤに包まれ、その場から消え去った。
「彼にも神の御加護があらん事を・・・」
慈愛と哀惜に満ちた瞳で胸の前で十字を切りながら、呟くKさんを見て、
教会育ちって優しい、と俺は感動を覚えずにはいられなかった。
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- 69 :本当にあった怖い名無し:2011/03/10(木) 22:41:03.26 ID:5Gk2Vqiv0
- 長いので前略
ついにその日が来た。私は女のすぐ近くにいる。渇きを潤すことができる
喜びが、私を支配した。怯えた女が、何か言っている。大粒の涙を流して。
「私、死体を見たときに気づいたの。」水分がもったいない。水を無駄にする
この女が私は許せない。「お父さんが、親戚を説得してくれたから。」私は、
水をもらう事を諦めた。水の大切さの分からぬこんな女に頼んでも仕方ない。
そうさ。奪い取ればいい・・・・・。
薄暗い部屋。ざわつく風の音。怯える女。私は紫色の長い舌をのばし、女の
口から体内に突っ込んd
「破ぁ!!」
突然眩い光が割り込んできた。私は少し後ろに飛ばされた。
そこにいたのは寺生まれで有名なTさんだった。
- 70 :本当にあった怖い名無し:2011/03/10(木) 22:41:23.07 ID:5Gk2Vqiv0
- 「ナニヲスル!!」
「落ち着け!!呪いには拡散する力はない!!」
Tさんが腕をクロスさせるとそこから霧のようなものが噴出された。
「これで大丈夫なはずだ」
その通り、私の体に水分が満たされた。
そうしてようやく、私はここがどこで襲おうとしていたのがだれかがわかった。
「なにをするのですか!!」
そういったのは父だった。
「この呪いには拡散する力など最初からない、だからそんな馬鹿なことは止めろ!!」
そういうとTさんは私に向き直った。
「君や君の友達を苦しめた呪いは、とある陰険な陰陽師が仕組んだものなんだ。
人の浅ましさを利用して連鎖させて、自分の力にしようとしたんだ。」
そんな…と父が崩れ落ちた。
Tさんは例の歯と舌を粉々にし、光弾でそれを青白い煙に変えた。
「君達の恨みは必ず晴らしてやろう。だから君は、しかるべき場所へいこう。」
そういうと、今度は私に向けて光を放った。その光はとても暖かで、優しさと悲しさに溢れていた。
寺生まれって本当に凄い
光のなかでトモや他の皆の元へ向かいながら、私はそう思った。
ごめんやっつけ、
誰かちゃんとしたの頼む
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最近毎晩のように老婆に首を絞められる悪夢を見るようになった。
はじめは疲れているせいだと思ったが、毎日のように同じ事が起こるので
怖くなった俺は近所で有名な陰陽師のNさんに相談する事にした
「これはよくない状態ですね・・・祓いの儀式を行いましょう」
Nさんは無表情のまま淡々とした口調で言った。
「よろしくお願いします」
俺がそう返事をするとNさんは何やら動作をしながら呪文を唱えだしt
「ちょっと待ちな」
突然声がして振り向くと、そこにいたのは近所に住む霊感の強い
寺生まれのTさんだった。
「この儀式は祓いの儀式じゃねぇ、呪いの儀式だ
正体を現せ!!破ぁ!!」
Nさんに向かってTさんの手から光弾が飛び出した
「勅!!」
しかしNさんがそう叫ぶとTさんの光弾が掻き消えてしまった。
いつの間にかNさんは全身黒いモヤに包まれている。
「坊主風情が・・・!そう何度も同じ技が通用すると思ったか・・・!」
NさんはTさんを凄い表情で睨み付けている
「奴め、堕ちる所まで堕ちたな・・・久々に本気で挑まなきゃならねぇか・・・!」
・・・みたいな話を思い付いたけど俺には無理だった
今は凄く反省している
62 :本当にあった怖い名無し:2011/03/09(水) 20:56:40.54 ID:+K5lfvCi0
- 某小学校には7不思議がない。
いや、正確に言えば足りないのだ。
理科室の動く骸骨、音楽室の勝手になるピアノ、
図工室から聞こえるうめき声、トイレの花子さん、
保健室のヒキ子さん、廊下に現れるターボババァ
その6つしかないのだ。
「なぁ、7つ目の怪談を確認しにいかないかい?」
突然そうクラスの男子から言われた。
「えーとあんたは、転校生の…?」
「Nだよ。」
そうだった。影が薄い所為で忘れていた。
「なんで私?」
「最後の怪談は女子更衣室の話なんだ。ひとりで行くわけにはいかないだろう?」
転校生を無碍に扱うこともできず、放課後私はNと一緒に女子更衣室へ向かった。
女子更衣室に入ると接触が悪いのかうまく電灯がつかない。まだあたりは明るかったので、私が入り、Nに外で待ってもらった。
「ところで7つ目の怪談ってどういう内容なの?」
「ふふふ、それはですね」
いつの間にか部屋は真っ暗になっていた。
「あなたに7番目の怪談になってもらうんですよ」
突然上からどしんと何かが落ちてきた。
それは人間の生首だった!!
「アソボゥ・・・ネェ」
「…あ…いや・・・」
私は腰が抜けてしまい、思う様に動けなかった。
- 63 :本当にあった怖い名無し:2011/03/09(水) 20:57:22.73 ID:+K5lfvCi0
- 「そこまでだ!!」
飛び込んできたのは霊感が強いと有名な親戚のTさんだ!!
「七不思議の力を解放しようとする呪い屋の陰陽師め!!」
Tさんは手を翳すと、気力を集中させた。
「破ぁ!!」
Tさんが光の珠を放つと、それは首に激突した。
首は吹き飛び、更衣室の扉に激突した。
Nはもういなくなっていた。
「危なかった。7は五行説と陰陽を表す数。奴はそれを利用して、この学校に眠る悪霊を解き放とうとしていたんだ」
聞くと元あった7不思議は全てTさんによって在学中に撃退していたらしい。
「念のため今集まっている6体も排除しておくか」
そういってTさんは去って行った。
寺生まれって凄い。
私は破壊された扉を直しながらそう思った。
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- 55 :1/2:2011/03/08(火) 13:05:26.42 ID:/DoLyHcF0
- 「もし、そこの人」
会社帰りに私に声をかけてきたのは、今どき珍しい黒い和服の男だった。
「すみません、私は陰陽師をしているNといいます。」
「はぁ」
「――あなたは今、家族のことで悩んでいますね?」
ぎくりとした。
最近娘がよく魘されることを、私は知っていたからだ。
「――なぜそれを?」
「陰陽師だからですよ」
Nさんはそれから、その悪夢の原因は悪霊が妹にとり憑いていることをはなし、このお札を張っていれば安心ということを聞いた。
早速家に帰ると、娘の枕元にそれをはろうとしt
「破ぁ!!」
突然お札に光玉があたり、爆散した。
「それは魂を吸う呪いの護符だ!!」
そう云いつつ現れたのは寺生まれのTさんだ!!
「ぐぁぁぁぁ!!」
苦痛の声と共に護符から黒い煙が上がり、それはやがて巨大な鴉になった。
私は腰を抜かした。
大鴉は私目掛けて突撃してきた。
「危ない!!ぐっ!!」
Tさんが私を庇い、その爪につかまってしまった。
「…ああ、T、さ」
鴉は勝ち誇っているらしく、その嘴をTさんに突き立てようとしていた。
- 56 :2/2:2011/03/08(火) 13:07:11.14 ID:/DoLyHcF0
- 「アーメン!!」
眩い光が鴉を襲い、それを吹き飛ばした。
「やれやれ、また大変なことになっているようですね。」
現れたのは教会生まれのKさんだった。
「…K…なんでこんなとこに…?」
「あんな禍々しい気に気づかない訳はないでしょう」
そう涼しい顔をするKを見て、Tさんはふっと笑みを浮かべると、鴉に向き直り構えた。Kさんも構えた。
「いたいけな少女の魂を狙う悪しき式神め!!」
「無垢なる少女の命を奪わんとする悪しき者の使いよ!!」
「お前には仏の慈悲もあるまい、阿鼻地獄へ落ちろ!!」
「あなたに神の加護はない、コキュートスに落ちよ!!」
「「破ぁ!!」」
二人とも手を強く翳すとそこから光が放たれ、鴉に命中した。
鴉は断末魔を残して消えた。
「――あれが悪しき陰陽師の使い魔ですか」
「そうだ。あいつは俺やお前を目の敵にしてくるだろう。」
「大丈夫です。正しき行いを積む我らが負けることなどありませんよ」
そう二人は語って笑いあっていた。
寺生まれと教会生まれって本当に凄い。
私は一切目を覚まさなかった娘を見ながらそう思った。
流れに乗らねばと思ってやった。
反省はしている。
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- 52 :本当にあった怖い名無し:2011/03/08(火) 07:15:45.50 ID:KG1tVcQU0
- 「恋が叶う御守り?」
友美はうん、と頷いてポケットから何やら奇妙な紙切れを取り出した。
彼女に寄れば、それは最近流行りの恋に効く御守りなのだという。
「由梨、知らなかったの? 新しいもの好きだから、もう持ってるかと思った!」
「別に。私オカルトとか興味ないから」
友美の意外そうな声に少しムッとしながら、私はそう言って校舎を出た。
…私にだって気になる相手くらい居る。
ただ、御守りでどうこうなる位生易しい恋では無いことは、私自身良く分かっていた。
健介…。彼には、既に可愛い彼女がいる。
私なんか到底敵わない。そう、神頼みでどうにかなる問題じゃ無いのだ。
「それはどうですかな?」
不意に聞こえた声に足を止めると、何時の間にか私のすぐそばに男の人が立っていた。柔和な面持ち、けれど何処か…怖い。
「私の作るこの札は、貴女の心を反映します。神頼みなどではありません。
思いが強ければ強いほど、それを現世に反映する」
彼はそう言うと、何処から取り出したのか一枚のお札を私に手渡した。
「お代は頂きませんとも。うら若き乙女の恋を手伝うのは、私自身の愉しみでもありますからね」
そう言うと、彼は踵を帰して去って行った。後には私とお札が残される。
「今の…何だったの…?」
私は半信半疑のまま、カバンの中に札をしまい込んだ。
効果は直ぐに現れた。
次の日、健介が私に告白してきたのだ。
何でも前の彼女とは別れたらしい。私の頭の中を、彼から貰ったお札がよぎった。
「勿論!」
私の返事に、健介は極上の笑顔を返してくれた。
それから、健介の元彼女は不登校になったらしい。なんでもいじめに遭ったとか。
その話を聞いて、私は思わず喜んだ。
彼女のせいで長年報われない片思いに苦しんだのだ。今度は彼女が苦しむ番。もっと苦しめばいい。自殺してしまえ。
- 53 :本当にあった怖い名無し:2011/03/08(火) 07:16:58.18 ID:KG1tVcQU0
- 「少しいいかな?」
彼と一緒の帰り道。家の手前で別れて別々に帰る。
家の前に、近所に住む寺生まれで霊感の強いTさんが立っていた。
「君から何かよくないものを感じてね。
心霊スポットや何か謂れのある場所に行かなかったかい?」
「いえ、行ってないですけど…」
この人はダメだ、にげなくちゃ。
私の中の何かが急きたてる。
「じゃ、じゃあこれで…」
「まてっ!」
Tさんが私の肩をつかんだ。
「じゃあ、特殊な札や御守りは?」
心臓が跳ね上がった。あれは私の恋愛を成就させてくれたのだ。渡す訳にはいかない。あれを無くしたら、彼は私の元から去ってしまうかも…。
「思った通りだな。姿を現わせ、悪しき式神め!」
Tさんが叫んだ途端、私の鞄が勝手に開いた。
驚いて取り落としたそこから、黒いもやが吹き出してくる。
「ばれてしまいましたか…。彼女の憎しみはとても心地よかったのですがねえ…」
背後の影から、あの時私に札を渡した男が現れた。
「矢張り貴様か…陰陽師っ!」
Tさんが叫ぶと、男は薄く笑う。
「貴様も腐っても陰陽師なら、何故人を貶めようとする!」
- 54 :本当にあった怖い名無し:2011/03/08(火) 07:17:18.67 ID:KG1tVcQU0
- Tさんの問いに、彼は再び笑った。
「簡単なこと…。人の恨み、憎しみこそがこの世でもっとも強いエネルギーと気付いたからに過ぎぬ。
現にそこのお嬢さんの恨みの力は恋敵を呪いの力で陥れ、私の式神をこんなにも成長させてくれた!」
その言葉と共に、黒いもやがTさんに迫る。
「何をっ…破ぁ!」
「我々陰陽道を生業とする一族は、貴様ら住職一族に地位と居場所を奪われた…。
この恨み、今こそ晴らしてくれようぞ!」
闇の中に男の笑い声が響く。
その声は霧散したもやを再び携えて、暗闇に消えていった。
「大丈夫ですか、Tさん!」
「ああ、それより君は…」
私は俯いた。健介の彼女を不幸の淵に叩き落としたのは、私の醜い心だった…
「私は、どうしたら…」
ぽん、と肩に手が置かれた。
「謝るといい。誠心誠意、心の底から。特殊な力なんか要らない、真心こそが人間の最大の矛であり盾だ」
私の瞳から、ほろほろと涙がこぼれる。
「はい…!」
寺生まれって凄い。改めてそう思いながら私は頷いた。
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- 47 :1/2:2011/03/07(月) 19:07:19.66 ID:JjMvdz260
- 俺の家には忌部屋という、密閉された部屋があった。
唯一の出入り口は猫用の戸みたいなちっさいのが一つだけ。
窓の一つもない。
大きさは四畳半くらい。
家をリフォームするために忌部屋を壊すことになったが、
そのころから俺は魘されるようになった。
巨大な蛇が枕元に立ち、俺を睨んでいる悪夢も見た。
顔がやつれてきたときになって、流石に両親も心配し、
近所でも有名な陰陽師のNさんに頼むことにした。
「――これはよくないですね。すぐに祈祷をしましょう」
そういってNさんは大きな杯に水を汲むと、祝詞というのだろうか、呪文を唱えだした。
するとどうだろうか、みるみるうちに体が軽くなり、気分がよくなってきた。
「おつかれさまです。この杯には供養の水が入っていますので、一気に飲んで下さい。」
云われるがまま俺はその水を一気に飲
「破ぁ!!」
杯は飛んできた光弾にはじかれた。供養の水はこぼれてしまった。
「何をする!!」
Nさんがにらみつけた方にいたのはバイトの先輩で霊感の強い寺生まれのTさんだ!!
「供養の水は生きた人間が飲むもんじゃぁない!!正体を現わしな!!」
- 48 :2/2:2011/03/07(月) 19:08:05.64 ID:JjMvdz260
- Tさんはそう云うと持っていた瓢箪の栓を外した。
そこから飛び出してきたのはあの大蛇だった!!
「むおぉ!!」
Nさんへ向かってその蛇は牙をむいた。
「この蛇はあの忌部屋に祀られていた神さ。ずっとあんたを守っていたんだ。あんたを苦しめていたのはこいつが放った式神さ。」
Nさんは蛇に巻きつかれて苦しんでいたが、突然黒煙をあげて蛇ともども姿を消した。
「――その面、しかと覚えたり」
その一言だけを残して。
「結局、Nさんは何だったんですか?」
「――陰陽師の陰って字は隠に繋がる、隠は鬼の語源ってことさ。」
そうTさんはよくわからないことをいうと、さっさと行ってしまった。
Nさんの家もいつのまにかなくなり、誰もがNさんのことを忘れていた。
寺生まれって凄い。
陰陽師と寺生まれの新たな戦いを予感しながら、俺はそう思った。
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- 43 :本当にあった怖い名無し:2011/03/05(土) 03:19:47.64 ID:YbrBkODc0
- 妹がバイト先の友人から縫いぐるみを貰って来た。
薄汚れて目玉も飛び出たそいつは、正直俺にとっては不気味だったのだが
何でも妹はその友達とは無二の親友らしく、大事な友達がくれたものだからと部屋の目立つところに飾り始めた。
こんな汚いものを、と常々思っていたのだが捨てろと言うわけにもいかず、そいつがリビングを陣取って数週間が経った。
ある夜、仕事が遅くなった俺が家に帰ると、信じられないものが目に飛び込んで来た。縫いぐるみが宙に浮き、妹に向かって片言で何か捲し立てている。
腰を抜かした妹は喃語を発しながらじりじりと壁際に追い詰められていた。
驚いた俺は思わず鞄を取り落とす。その音で、縫いぐるみはこちらを向いた。
「ナデナデシテー!」
そいつはそう叫んでこちらに向かって来た!
もうダメだ、そう思った次の瞬間!
「待てっ!」
ガラリと雨戸が開き、近所の寺生まれで霊感の強いTさんが部屋に飛び込んできた。
「縫いぐるみを依り代にした悪霊め! 貴様が愛らしい姿で罪無き人々を騙し、生き血を啜るのも今日が最後だ! 成敗してくれる!」
Tさんはそう叫ぶと縫いぐるみに飛びかかった。
手に持ったマッサージ機をそいつの頭に突きつけて何か唱えながらスイッチを入れる。
「ブ…ブルスコファー…!」
縫いぐるみが悲痛の叫びを上げながら蠢く!
「これで…トドメだ! 破ぁ!!」
Tさんはそう叫ぶと、そいつの首元目がけてチョップした。
そしたら「モルスァ」みたいなことを言いながら飛んでった。
改めて寺生まれって凄いなと俺は思った。
- 41 :本当にあった怖い名無し:2011/02/24(木) 20:39:36.83 ID:e72VRn0Z0
- 俺の近所には古い石灯篭が並んでるところがあるんだ。
夜中になるとその灯篭の一つに灯が灯るって噂があってな、
友達と一緒に確かめにいったんだ。
丑三つ時を選んで、護身用にガスガン持ってな。
で実際行ってみたら灯ってんだよばっちり。
俺はチキンだったから帰ろうぜっていったんだが、その時だ。
灯篭の裏からこれぞ幽霊!!ってやつが出てきたんだ。
恨めしそうな顔で、髪の毛がばさばさの女で、それがこっちに
向かってきたんだ!!
「うわぁぁぁ!!」
俺はガスガンをぶっ放した。でも幽霊だからか全然当たらない
!!もうだめだ!!
「そこまでだ」
突然声がした。その方向をむくとバイトの先輩で霊感の強い
寺生まれのTさんだ。
「噂を利用して人の生き血を啜る妖怪め!!破ぁ!!」
Tさんの手から青く輝く光弾が放たれた!!だがそれは幽霊
ではなく、灯りの灯る灯篭に激突した。
「ぎゃぁぁぁ!!」
すると幽霊は苦悶の表情を浮かべて消滅した。
「さも恐ろしい化身を作り、無関係そうなものに化ける。
古典的な手だな」
そういってTさんは煙草に火をつけた。
あとでTさんに訊いたのだが、あれは化け灯篭という妖怪で、
噂などで人間をひきつけ、生き血を貪っていたのだそうだ。
本体はあの石灯篭の中にいたらしい。
そんなのを瞬時に見抜くなんて
寺生まれって凄い。俺は本当にそう思った。
- 37 :本当にあった怖い名無し:2011/02/18(金) 16:57:23 ID:5gInmIMf0
- 去年の今頃、深夜に一人暮らししてるマンションに帰ってエレベーターに乗った。
自分の部屋のある階で降りたら、見たこともない女三人組が手を繋いでエレベーターを待ってた。
こんな人達住んでたっけ?と思ったが、結構部屋数の多いマンションだったので自分が把握しきれてないだけかと思い、あま
り気にしなかった。住人の友達かも知れないし。
一応エレベーターを降りる時に挨拶をしたんだけど、全員にキレイに無視された。
何だかなーと思いつつ会釈をしてすれ違った直後、いきなり「マー」という声が聞こえた。
驚いて振り向いたら、その女三人組がそろって「マーーーーーーーーーーー」と大声で言ってた。
機械みたいな言い方(?)で、ものすごくビビってダッシュで部屋に戻ろうとした。
そしたらその三人、凄い勢いで追いかけてきた。もう怖くて必死に逃げていたとき、
「もういい、そこまでだ」
ていう声がした。見るといつの間にか寺生まれのTさんがそこにいた。
女達は、まだあの機械的な声を上げながらTさんに襲いかかろうとした。Tさんは慌てずに胡坐をかくと、両手をかざした。
するとそこから青白い光が放たれ、それを浴びた女達は動かなくなった。
「破ァーー!!」
その声と同時に手をクロスさせると、光の刃がはなたれた。
女達はそれを受けると、「ちにゃ」と小さくいって消滅した。
「命は投げ捨てるものではない」
Tさんはそういうと、イクゾ!!といってもの凄いスピードで去って行った。
寺生まれって反則的に凄い。自分はそう思った。