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流れが止まったんで
長いけどごめん。ネタだと思って聞いて。
4年位前の話。俺が高2のとき、婆ちゃんが死んだ。
脳溢血っていうので、一回倒れて、そのまま病院から帰ってこなかった。
お通夜では俺が別れの言葉を言わせてもらったんだけど、せっかく寝ないで考えた原稿も
しゃくりあげて結局上手く言えなかったのが凄い心残りだった。
それでその日の夜は俺の親父が蝋燭番(?)をしなきゃいけない日だったんだけど、
親父は次の日の準備とか病院の片付けとかをやらなきゃいけなかったらしくて、
親戚もそこまで気が回らなかったのか代役を立てずに蝋燭番なしでその夜を過ごしたんだ。
でもまぁ実際蝋燭の火が消えるか消えないかでそんな大事にはならないし、
夜通し起きている人もいるので火事の心配はないだろうと言うことだった。
次の日、その日は葬式だったから朝から大忙しだった。
母ちゃんとか女の人たちはみんなで料理を作ってるし、
俺は親戚の子供をまとめて監視する役だった。
葬儀事態は何の滞りもなく終わって、参列者の方たちに帰ってもらったあとは
みんなで飯を食った。
でも俺だけはどうしても食欲がなくて、家族たちが居間で
夕食をとっている間ずっと婆ちゃんの棺桶の横で泣いてた。
寝てるみたいに見えたのに、触ってみたら凄い冷たかった。
そりゃそうだ。ドライアイスで冷やしてんだもんね。あれ。
結局その日は飯を食わないで、そのまま仏間に一番近い部屋で、一人で寝た。
婆ちゃんの家は古いけど大きな家で、家の前には小さいけれど
紅葉とか松とかが生えてる庭もあった。
俺はその部屋で縁側を頭の方にして眠ることにした。
とは言っても結局俺は寝つけずに、何度も寝返りを打っているうちに
夜も過ぎて、柱時計が3回音を立てて鳴った。
寝よう、寝なきゃ。そう思って無理に目を閉じると、なんだか変な音がする気がした。
はじめは気のせいかと思ったが、音はだんだん大きくなっていった。足音だった。
窓の外で砂利がざくざく踏みしめられる音がして、それがずっと頭の上のほうを
右から左へ、行ったり来たりしてる。
その内ちりんちりんとか小さい鈴を転がすみたいな音もしてきて、
俺はああ、婆ちゃんが最後に会いに来てくれたんだ。って思った。
俺は親族中の誰よりも婆ちゃん子だったし、病院にもしょっちゅう会いに行ってた。
でも彼女出来たか?とか勉強どうだ?とか友達とうまくやってるのか?とか色々心配されても、
病気で寝てる婆ちゃんを心配させたくなかったから、俺は嘘を付いてごまかしてた。
彼女なんて出来たこともないのに女友達とデートに行ったとか、友達と釣りに行ったとか。
そしたら婆ちゃん、おんなじ病室のじじいとかばばあにすごい嬉しそうに話すの。
孫にもついに彼女が出来た。きっと美人だ。孫は小さいころから
気が小さかったけど優しい子だったからって。
婆ちゃんは俺の嘘がほんとかどうか分かる前に、
そのまま病院で死んじゃったから、
婆ちゃんの中で俺がどうしようもない孫にならなくて良かったってのと、
結局最後まで本当の事は言えなかったっていう罪悪感でなんだか複雑な感じだった。
そんな俺を、婆ちゃんは死んでからもまだ心配でこうやってお別れを言いに
来てくれたのかなって思うと、なんだか嬉しくて情けなくて、
俺は布団を被って婆ちゃんにばれないようにまた泣いた。
すると窓の外のざくざくが止まった。鈴の音も。
俺は婆ちゃんが天国に行ったのかと思って、布団から顔を上げようとした瞬間、
耳のすぐそばでちりんと鈴がなった。
婆ちゃんはしばらくすり足で俺の枕の上をうろうろしていた。
俺にどうしても言いたいことがあったんだろうか。
だったら俺も言いたかった。騙してごめんって、でももう心配しなくていいって。
俺はもう大丈夫だよって最後に安心させてあげたかった。
だからそのまま布団の中で、「婆ちゃん…」て婆ちゃんごめんなって言おうとした。
614 :3/3:2009/05/31(日) 14:52:08 ID:Z2uGUxY00
声を出した瞬間、婆ちゃんが布団に手を突っ込んで、すごい力で俺の髪をわし掴みにした。
そいつは無理やり俺の頭を外に引きずり出そうと引っ張ってきて、
必死で両手で布団にしがみ付くと髪がぶちぶち音を立てて抜けてった。
あ、こいつ婆ちゃんじゃねぇなって思った時にはもう怖くて声なんかでなくなった。
怖すぎて、引きずり出されたら死ぬと思った。
怖くてずっと目を瞑ってたんだけど、上に被ってた布団が
ばさって転げたのにびびって目を開けてしまった。
やけに肌のがさがさした、全身かさぶたかうろこみたいな人間が、俺の顔を覗き込んでた。
心臓が止まるかと思って、俺は絶叫した。つもりだったんだけど、
絶叫したのは「がさがさ」の方だった。
「こいつを封じていたお前の婆さんが死んで、いつか出てくると思ったら案の定だ!」
そう叫んで「がさがさ」を蹴り飛ばしたのは寺生まれで霊感の強いTさんだ!
「破ぁ!!」と言うと手から再び青白い閃光が「がさがさ」目掛けて飛んでいく!
それを身を引いてかわす「がさがさ」にTさんは納得したように、
「これほどの奴を婆さんは一人で相手にしていたのか、弱るのも当たり前だな。」
と呟くと、再び「破ぁ!!!」と叫ぶ。
今度はさっきより大きな閃光が「がさがさ」に向かって飛んでいき、直撃した。
その瞬間凄まじい轟音と共に、「がさがさ」は叫び声をあげつつ消えていった。
「お前の婆さんはすげぇ奴だよ。婆さんに謝る暇があったら感謝の一つでもしてやりな。」
そう言うTさんの横に、確かに俺は婆ちゃんの姿を見た。
思わず目頭が熱くなって、それでも何とか「ありがとう」と言うと、
(実際はありゃ゛ぁとぅ゛みたいな感じ) 婆ちゃんはにっこり笑って消えた。
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。
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男の子二人組みの話。
A「もしさぁ、お前のおかんと恋人がおぼれてたらどっち助ける?」
T「そりゃどっちもだろ」
A「いや、助けられるのは1人だけとしたら」
T「えー?シチュエーションがわからん。俺はどこにいるの?」
A「じゃあ、おまえはボートに乗ってんの。乗れるのは後一人。どうする?」
T「うーん・・・」
おれはおかんかな、とおもってたら。
T「俺が浮いて二人を乗せるかな」
A「・・・やっべ、ちょっと惚れそう」
寺生まれは凄い。改めて俺はそう思った。
俺が年少の頃だから、大体15年くらい前かな。
その頃はいわゆる「見える人」だった俺は、いろんなものを見てた。
でも、ばあ様に「絶対に人に言っちゃならん」って教えられてて、
自分だけなんだって思って子供ながら誰にも言えなかった。
見えるものは様々で、やっぱり怖いのとか気持ち悪いのもあったわけで、
子供だったし怖かったから親父とか母さんとかと夜は二階の寝室で一緒に寝てた。
朝起きると二人はもう起きていて、俺はベッドの上から母親呼ぶのが日課だった。
自分で起きて一階に降りればいいんだけど、どうしてもそれができなかった。
だって階段のところに、鎧着たすごく怖い人が立ってたんだもん。
廊下の突き当たりに寝室、反対側の突き当たりに物置部屋があったんだけど、
いつもその前にその人は立っていた。
母親を呼んで、二階に上がって来るとその人は物置部屋に消えて行く。
だから毎朝毎朝、母親をベッドの上から呼んでいた。
ある朝、いつもの様に起きて母親を呼んだ。
しかしいつもならすぐに返事をして上がって来るはずの母親がいくら経っても来ない。
その間、俺はずっとその人とにらめっこをしていた。
「目を逸らしちゃいけない」
なぜかそう思って、怖いけどずっと見ていた。
何度も何度も呼ぶけど、返事もない。というより家の中に人の気配がなかった。
もしかしたら誰も居ないのかも知れない!
運悪くその日は日曜で、廃品回収をする音が外から聞こえて、
視線を外に移すと、外から気配が伝わってきた。
と同時に、家の中に明らかに異質な気配が広がった。
しまった!
そう思って視線を物置部屋に戻すと、先程までは端に居た鎧の人は
廊下の3分の1くらいの所へと来ていた。
霞みがかったような姿で、右手に刀、左手に盾のようなものを持っていた。
どうすればいいか分からない。でも視線を逸らさなきゃ近付いて来ないから大丈夫!
という考えで、怖いながらもずっとその人を睨み付けていた。
でも、その考えは甘かった。
ずっと睨んでいるのに、その人は「ずずず、ずずず」と音を立てながら
ゆっくりと俺の方へと進み始めた。
まさに蛇に睨まれた蛙ってこのことだと思う。俺は何もできずに、
声を出すことすら忘れて身動きが取れないでいた。
廊下の半分を過ぎた頃だろうか。
その人が左手に持っていたものがはっきり分かった。
盾なんかではない。薄い板に磔けられた血だらけの赤ん坊だった。
それに一層恐怖を覚えて、もう涙も涎も鼻水もぼろぼろ流しながら、がくがく震えていた。
その人は廊下を歩き終え、俺まであと数mの所まで来ていた。
おもむろに左手を上げると、
「わぬしか!わがたまきりたるはわぬしか!」
みたいなことを叫んだ。
首を振ることすらできなくて、赤ん坊と鎧の人を見ていると、
俺を殺すためか鎧の人は刀を振り上げてまた歩いて来た。
あぁ、殺されちゃうんだ。死んじゃうんだ。
本気でそう思って俺が取った行動はただ目を強く閉じることだった。
でもいくら経っても斬られない。それどころか、物音ひとつしなくなった。
と、耳にふっと生暖かい息が吹き掛けられた。
「大丈夫。俺が居る。」
そう聞こえて、急に安心してしまって目を開けるとまた鎧の人は廊下の端へと戻っていた。
それと同時に、誰かが二階へ走って上がって来た。
その人は寺生まれで霊感の強いTさんだ!
「お前が探してる奴はこいつじゃない!いい迷惑だ!破ぁ!!」
そう叫ぶとTさんの手から眩いばかりの青白い閃光が飛び出して、
鎧の人に向かって一直線に飛んでいく!
そして鎧の人に当たったかと思うと、凄まじい衝撃と共に叫び声を上げて
鎧の人は消えていった。
後から聞いた話によると、俺が起きた時家にはばあ様だけが居て、
いつもの様にばあ様は仏壇と神棚に参っていた。
その時、じい様の遺影がパタッと倒れたかと思うと、
二階から俺が物凄い声で「わぬしか!わがたまきりたるはわぬしか!」と叫んだらしい。
この声を聞いて、二階に行かなきゃならん。しかし何分足腰が悪い。
どうしようもないと階段を登りあぐねていたときに、ばあ様にも聞こえたらしい。
死んだじい様の声で。
「大丈夫。俺が居る。」
ばあ様は信じられなかったけど、なぜか安心してしまったと。
俺の叫び声は外まで聞こえたらしく(本当にとんでもなく、
地響きしそうなくらいでかかったらしい)、それを聞いた母親は飛んで帰って来た。
そして、やっぱり母親も
「大丈夫。俺が居る。」
って玄関を開けた所で聞こえたそうだ。
同じく外で母親と談笑していたTさんにも聞こえたらしく、
それを聞いた瞬間血相を変えて家に向かって走りだしたそうだ。
そして階段前で聞こえたらしい。
「大丈夫。俺が居る。」
「お前のじい様が時間を稼いでくれていなかったら俺は間に合わなかった。
全く、お前のじい様はすげえよ。」
と言い、俺の頭を撫でた後Tさんは帰っていった。
寺生まれが絶賛するじい様はスゴイ、改めてそう思った。
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雪が沢山降ったから、友達と馬鹿でかいかまくらを作って遊んで
高さ2m、直径2mぐらいの大きさで、作った日に水をかけて凍らせてたからビクともしなかった
かまくらができてから3日目
朝8時頃、一人で中に入ってウキウキしてたところ、突然かまくらが崩れてさ
大きかったから俺は完全に雪に埋もれたよ
当然、俺は落ちてきた雪と氷の塊を押しのけようとしたんだが、
持ち上がる気配などカケラもなかった
その数秒後、そとから誰かが蹴りつけてきた
肌がはちきれるような痛みと、体を押しつぶすような重み。
あんまり下腹部を圧迫するもんだから、中で失禁してた
ああ、死ぬかもな俺。惨めだなー……
一分ほど経って、苦しいのも痛いのもわかんなくなって、
そんなこと考えていると蹴りが止んで、
同時に「破ぁっ!」という声と白い光が漏れてきた。
俺が埋まったのが寺の近くで良かったとつくづく思う
寺生まれのTさんが異変に気づいて助けてくれたらしい
「何かに蹴りつけられて死にそうだった」と言うと
「薄汚い怪しげな黒い奴」がかまくらの上に立っていたことを聞かされた
Tさんは一応そいつは払ったそうだが、どうなったんだか
しかし疑問なのは、Tさんは「ただ立っていた」と言ったこと
あの硬いかまくらの表面には確かに裸足の跡が残っていたというのに
この前、ここ10年家出して何の連絡もなかった姉が夜中に突然家に帰って来た。
その日は両親は都合でいなかった為、俺一人だった。
姉は何かに怯えているようでガタガタ震えていた。
「絶対絶対一人にしないで!!もう戻りたくない戻りたくな
い」と俺にしがみつき、パニック状態だったため家出当時のままの二階の姉の部屋
へつれていきベッドで横になってもらった。とりあえず落ち着いてもらおうと俺は
「何か飲むものもってくるよ」と言って部屋を出ようとした。
姉は「行かないで行かないで!怖い怖いよー!!」
俺が部屋を一歩出た瞬間にバターン!と勝手に姉の部屋のドアが閉まった。
そして部屋の中から「破ぁ!!」という叫び声とともに響く断末魔
ドアをやっと力ずくで開けると、そこにはまだ震えている姉と寺生まれで霊感の強いTさんがいた
Tさんは「これからは姉を大事にしてやれよ」と告げると颯爽と窓から出て行った
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った
最近ではあまり見かけませんが、20年ほど前までは
「雷オヤジ」というのが町内に必ず一人や二人いて、
近所の子供がいたずらをしたりすると、
容赦なく怒鳴りつけられたりしたものでした。
僕の祖父はその典型的な雷オヤジで、
小学校のクラスでも「お前んとこの爺さんは怖い」と、
悪ガキ共がみんなびびるような存在でした。
その祖父も寄る年波には勝てず、
つい数年前、長い寝たきり生活の後息を引き取りました。
さて、その祖父の葬儀の時ですが、喪客のなかに、
40代後半位の中年男性のグループがありました。
「見たことない人達だなあ」と思っていると、
彼等は実はかつてこの町内で評判の悪童グループで、
祖父とはまるで仇同士のような存在だったということです。
そのおじさん達の中の一人に、今はバイク店を経営しているという人がいて、
「うるさい爺さんだったが、あの人がいなかったら俺達は皆もっとひどくグレてた」
と祖父の思い出を語ってくれて、
「祖父は本当は子供たちから愛されていたんだな」
と、僕は何だか祖父のことを誇りに思いました。
さて、ここまでは何の問題も無かったのですが、
そのおじさん達の一人にちょっと酒乱ぽい人がいて、
葬式の最中に大声で他の人にからんだりしていました。
一緒に来た人が止めていたのですが、その時突然
「ガタッ」と大きな音がして、
しっかり固定されているはずの遺影が床に落ちてきました。
すると、さっきのバイク屋の人が
「ホラ、悪さするから爺さん怒ってるじゃないか」
と言い、酒乱の人もおとなしくなりました。
安心した僕はトイレに行こうと席を立ったんですが、
白黒の幕の後ろ、壁との隙間に誰かがいるのに気がつきました。
寺生まれで霊感のあるTさんが手を伸ばして立っていたんです。
なんでこんなところにと思って見ていたら、
Tさんが「破っ!」と気付いて僕のほうを見ました。
そしてちょっとあわてたようなそぶりで言いました。
「いや、おまえの爺ちゃんは死んでまで雷親父だったってことにしておけよな。
やっぱ、こんな席で酒乱はよくねぇぜ。ま、そ、そういうことだ」
そして何事もなかったようにそそくさと葬儀の会場から出て行きました。
あとでTさんが手を伸ばしていたあたりを見たんですが、
細いテグスが張ってあって、それは遺影の額につながっていました。
こんな細かい細工をいつしたんだろう・・・寺生まれってスゴイ、改めてそう思いました。
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>>549
これか?
俺は彼女から深刻な相談をされた。
最近、自宅の老いた犬が
誰もいない玄関に向かってけたたましく吠えるというのだ
俺が彼女の家に挨拶に行った時も、
俺を見ても全く吠えなかった人なつっこいあの犬が
突然ものすごい剣幕で吠えるのだという、しかも時間を問わず。
不安がる彼女が霊を引き寄せやすい体質だったことを思い出し、俺は
寺生まれで霊感の強いTさんに相談する事をすすめた
ファミレスで3人で食事をしながら事の話をするとTさんは
「大丈夫、その犬は
帰ってきた先祖に挨拶してるんだよ、この時期だし」とのこと
すっかり安心した彼女を送り返すと、Tさんから連絡が・・・
「彼女の言っていた事だが、確認したい事がある
あの子の家の前まで案内してくれ」
深夜2時、彼女の家の前に行くと
確かに駐車場に繋がれた犬が吠えている。
「やはりな・・・」
そう呟いてTさんは彼女の家の向かいにある電柱に手を添えた
するとそこからスッと青白い光が走り
幾つもの亡者が彼女の家を通り抜けようとしているのが見える
しかし犬の抵抗に遭い、上手く通り抜けられない模様
「大した犬だ・・・ずっと家を守っていたのかい」
そういいながら犬の頭を撫でるTさん
「破っ」
Tさんの声と共に道は家を避け天に伸び、
虹のように遠くの空に伸びていった・・・
「何故彼女に嘘をついたんですか?」の問いに
「他人の女とはいえ、
可愛い子を無駄に恐がらせるのは男の仕事じゃないぜ・・・」
寺生まれはスゴイ、俺は久しぶりにそう思った。
・・・数日後、彼女の家の犬が老衰で亡くなったと聞いた。
悲しみにくれる彼女を励ましてやると
「ワン!」と元気なあの犬の声が聞こえた気がした
きっと犬はまだ家族を守っているんだな・・・
線香をあげながら俺は思った
家族を見守る犬はスゴイ、俺はその夜ちょっと泣いた
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その日は猛吹雪だった。吹雪の中、独りの少年が宛もなくさ迷っていた…
その少年は濡れ衣を着せられ…周りから罵られ居場所を失い、
頼みの綱だった絵画コンクールも落選し、絶望の縁に立たされていた…
吹雪と空腹で視界はぼやけ…寒さで意識は朦朧としていた
少年はさ迷いながらも光る建物を見つけた…教会だ
教会の中は風も当たらず暖を取るには十分だ…
ホッとしたのか少年はその場に横たわってしまった
…ふと、耳をすますと「クゥーン…」
犬の声がした。そう長年連れ添った相棒だ…
その犬は主人を探しに来たのだ…犬は少年に近寄り、
鼻をそっと少年の頬に擦り寄せる…
「パトラッシュ…僕もう疲れたよ…何だかとっても眠いんだ…」
少年は弱々しい声でそう言うとそっと微笑み瞼を閉じた…そして、
パトラッシュも少年に寄り添い瞼を閉じた…
すると天が輝き…天使達が舞い降りて来た…
天使達は少年とパトラッシュを取り囲む…
天使達が優しく手をかけようした、その時
ガッッシャーン!!
大聖堂のステンドグラスがカチ割れ、何者かが乱入してきた!
寺生まれで霊感の強いTさんだ!
「その子達を冥界へ連れていくのはまだ早い!」
「破ァ!」という叫びとともに眩い光弾が天使達へ向かっていく、その時
「HAa!」
別の方向から光弾が飛んできて、Tさんの光弾を弾いた!
光弾の先に目をやるとそこには教会生まれでスピリチュアルパワーの高いKさんが居た!
「神の使いに危害を加える不遜な輩め!」
再びKさんが「HAa!」と叫ぶと先程の光弾がTさんへと向かっていった!
「破ァ!」
直ぐ様、Tさんは札を宙にばらまいた、札はTさんを取り囲んだ…結界だ
結界に光弾が接触する!…激しい光ともに札と光弾が弾け飛ぶ、相殺したようだ
「俺の結界を破るとは中々出来るみたいだな…
だが、どんな理由があろうとも未来ある子どもの命を摘み取るよな真似は
神が許そうともこの俺が許さんッッ!」
そんなこんなでTさんとKさんは一晩中戦い明かした…しかし、決着付かなかった…
朝日が教会に射し始めた頃、天使達は天に登って行った…少年を置いて
「神はどうやら少年は生きる運命だと…これ以上戦う理由はない…」
そう言うとKさんは静かに去って行った
「やれやれ…俺もまだまだ未熟だな…今度会うときは味方であって欲しいものだ…」
そう言うとTさんも煙草に火をつけ去って行った…
寺生まれも教会生まれもパねぇなって神父さんは吹き飛んだ教会を見て思った
その後少年が潔白だったことが証明され皆が謝罪、再び元の生活に戻ることが出来て、
少年の絵が認められ、弟子に取りたいという画家が現れ
数年後その画家の元で修行した少年は立派な画家なったとかならなかったとか
追記を閉じる▲
怖い話しかどうかわかんないけどさ、
日中、学校の授業中に余分に数分?過ごした事あるよ。
その当時中学生で、前日遅くまでゲームやってたのね。
んで案の定授業中にすごく眠くなってしまったのよ。
んでうとうとしてたんだけどそこで急に、
「****!この問題やってもらおうか。」
的な事を言われて前に出させられたんだよ。
んで黒板の前に立つんだけど、
わかんないし寝ぼけてるしでぼーっとしてんのね。
んで恥ずかしいけどあやまってしまおうと思ってさ、
「すいませんわかんないっす。」
て言いながら横に立ってる教師の方見たんだ。
けど…。
いねえんだよ。誰も。教室にも誰もいないの。
しーんとしちゃってさ。どこからも音が聞こえないの。
なんかその瞬間日常ではありえない感覚がしてさ。
恐怖に近いんだけどちょっと違う。
持ちきれない違和感って言うのかな。
違和感に押しつぶされる感じですごい気分悪くなった。
んでとりあえず窓から校庭を見たんだ。体育だったのかな?って思って。
そしたらおっさんが校庭の真ん中でなにかしら作業してんのね。
何してるのかな?って思った瞬間、
おっさんがこっちに気づいてすごい不思議そうな顔で見たんだ。
次の瞬間おっさん慌てて手を伸ばしたんだよ。
そして「破ぁ!!」って叫ぶと、手から青白い光が出てきた。
覚えてるのはそこまで。気づいたら俺自分の席に座ってた。
んでさっきと全く同じ様に当てられて前に出ろって言われるんだけど、
また消えるんじゃないかってすごい不安でさ、
真剣に、
「いや、僕いいです。いいです。」
て言った。めちゃくちゃ笑われたんだけどこっちは泣きそうだった。
んであまりに真剣だったからか、その後保健室連れてかれたな。
今でも不思議だなぁって思って、たまにネタとして話すんだけど、
必ず、誰からも「そりゃ寺生まれで霊感持ちのTさんだよ」って言われるんだよね。
なんか腑に落ちないんだけど、とにかく寺生まれのTさんってスゲェ。
ってかアヤシイんじゃね、最近はそう思わざるを得ないようになってきたよ。
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先週の商店街の福引きで映画のチケットをもらった。
聞いた事のない作品だったが、ここ何年か、もっぱらレンタルビデオの世話に
なりっぱなしだったので、たまには気分転換になるだろうと思い足を運ぶ事にした。
映画館に到着すると既に予告が始まっていたので、
暗がりの中、俺は目を馴らしつつ席についた。
日曜にもかかわらず数える程度の集客に奇妙な違和感を感じながらも
映画に集中しようとスクリーンに目を向けた。
映画もクライマックスを迎えようとした頃、俺は更なる違和感に襲われホールを見渡した。
すると最前列に居る客1人と俺を残し忽然と姿が消ている!
慌てて立ち上がろうとしたが
「何か」
に襲われ俺は意識を失った。
次の瞬間…
「破ァーーーー!!」
とゆう叫びと共に目を閉じていても分かるほどの眩い光にホールは覆われた。
意識の戻った俺の横には、寺生まれのTさんが
後方の映写機に向かって青白い光線を放っている!
「危なかったな。お前はもう少しで睡魔という悪霊にとり憑かれて
クライマックスを見逃すところだったぜ。巻き戻したから最初から観るんだな」
そう言ってTさんは最前列に戻った。
上映中に皆帰ってしまうような駄の映画を、もうワンターン観ようとしているTさんを
残し俺は映画館を後にした。
改めて寺生まれってスゴイ暇なんだなぁと思った。