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70 名前:番組の途中ですが名無しです[] 投稿日:2006/06/11(日) 17:27:28
ID:Xnkh5WsT0
数年前、ふとある村の事を思い出した。
一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。
連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。
村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、
その看板を見つけたときあれっと思った。
「この先○○km」となっていた(と思う)のが、「巨頭オ」になっていた。
変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。
車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、
頭がやたら大きい人間?が出てきた。
え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
しかもキモい動きで追いかけてきた・・・。
両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら。
車から降りないでよかった。
恐ろしい勢いで光弾を撃ちまくり、
とんでもない勢いで袈裟を振り回した。
落ち着いて地図を見ると、道を間違えていた。
異形の者とはいえ村を壊滅させてしまった心苦しさから、その日は晩飯が喉に通りにくかった・・・。
酒のつまみにそう語るTさんを見て、寺生まれってやっぱりスゴイと思った。
55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/06(日) 19:58:46.28 ID:LyIzPGzv0
ある超能力者が居た。
彼は自分の能力に絶対の自信を持っていて、
「今から700光年離れたあの星を爆発させる」と民衆の前で宣言した。
彼が星に向けて念を集中した数秒後、驚くべきことに星は点滅して見えなくなったのだ。
「やったぞ!念力の真空中における伝達速度は光をはるかに超える!!」
万雷の拍手が轟いたが、彼はふと気付いた。
700光年離れた星・・・念を送ってから数秒後に・・・
「余計な事は考えるもんじゃないぜ」
いつの間にか背後に忍び寄っていたTさんが、超能力者の肩を優しく抱き寄せた。
「今はただ、笑おう。それだけで良いさ」
寺生まれってスゴイ。満天の星空を見上げながら思った。
中学生の時、家から少し離れたところに明らかに
誰も住んでいない廃墟がありました。
壁一面に蔦が生い茂ったいかにもって出で立ちの一軒家。
ある日の部活明けに、同級生8人で忍び込むことに。
時間は8時頃ドアを開かなかったため裏へ回り、窓から侵入。
真っ暗な中懐中電灯の照らした先には何故か無数の人形と、
ボーリングのピンが壁に沿って並べてあった。
お祭り気分で乗り込んだものの、この時点でかなりテンションはダウン。
8人もいるのに口数はかなり減った。
皆、帰りたかったがせっかく入ったんだからともう少し捜索してみる事に。
奥に進むと、そこは畳の部屋。
かなり痛んでいたらしく、
歩く度に足が畳を貫き、そのたびにギャーギャーわめいた。
次にリビングのような部屋に進んだ。
真ん中にはテーブル。
見ると何か置いてあった。
近づいてみるとそれは1枚の置手紙と何かを録音したらしいテープ。
置手紙にはこう書いてあった。
『お父さんありがとう』
特に怖いことが書いてあったわけじゃないのに、
何か寒気を感じて俺らは撤退することにした。
外に出るとほっとしたのか、皆、堰を切ったように話はじめた。
そして手紙の横のテープの話題に。
「あれは何が入ってたんだろう?」
とか話してると友人の一人がぼそっと呟いた。
「・・俺持ってきちゃった・・」と。
その場には再生するものがなかったため、
責任持ってその友人が持って帰って聞くことになった。
===ここからは友人の話=====
持って帰った彼は、少しびびりながらも、とりあえずラジカセで再生してみた。
・・・・・・無音。
10分以上聞いたが無音だった。
古いテープだったし、消えちゃったのかな
と思い再生したまま彼は漫画を読み始めた。
しばらく漫画を読み、テープのことを忘れかけた時。
ラジカセから女の声が聞こえた。
「お父さん、殺してくれてありg「破ぁーーッ!!」」
突如ラジカセから寺生まれで霊感の強いTさんの声が流れ出し、
ラジカセは光を伴って爆発した。
寺生まれってスゴイ。改めてそう思った。
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ひどい二日酔いで目を覚ましましたジャックは、記憶が無くどうやって家に帰ってきたのか
覚えていなかったので何か悪いことはしなかったかと思い返しました。
最初に目に入ったものは、サイドテーブルの上にある頭痛薬2錠と水でした。
その横にはバラの花が1本添えてあります。
不思議に思い起き上がってみると、彼の服がきれいにアイロン掛けされて置いてあります。
あたりを見回しました。全てがきちんと整っています。
部屋もとてもきれいで、部屋以外も掃除が行き届いています。
とりあえず二日酔いの頭痛薬を飲み、洗面所に行きました。
鏡を見てみると、昨日まで無かった大きな青アザが出来ていて驚きました。
鏡の片隅にはメモがあり、赤く小さなハートマークとキスマークと共に
メッセージが添えられていました。
「あなた、朝食はストーブの上よ。
あなたの大好物の夕食を作るためにスーパーに行って来るわ。愛してるわ、ダーリン!」
よたよたとキッチンまで行ってみると、確かにストーブの上に湯気の立ったコーヒーと朝食がありました。
息子がちょうど朝食を食べていた為、ジャックは尋ねました。
「昨日はいったい何があったんだ?」
息子は言いました。
「父さんは朝方の3時に帰ってきたよ。すごく酔っ払ってた。コーヒーテーブルのところで転んでテーブルを壊しちゃったんだ。
それから廊下で吐いてたよ。そのままドアにぶつかって目に青タンが出来たんだよ。」
ジャックはますます困惑して尋ねました。
「じゃあどうして家の中はこうパーフェクトなんだい?いつもはないバラの花と朝食がパパを待っているんだ」
息子は答えました。
「ああ、それね。昨日ママがパパをベッドに引きずって、ズボンを脱がそうとしたんだよ。
そうしたら窓ガラスをぶち割って東洋人が入ってきてね、突然叫んだんだ。『破ぁーっ!』ってね」
寺生まれってやっぱり凄い。ジャックは濁った頭でぼんやり思いました。
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小学生の時、夢に血でドロドロした赤ちゃんが出てきて、部屋の前に立つ俺に向かって、
ヒタヒタと廊下を進んできた。
なぜかその後ろには祖母が立っており、にこにこ微笑んでいた。
俺は恐怖に包まれ、じわじわ近づく赤ちゃんに
「来るな、来るなぁ~!!」
と叫びながら押したけど、大人のようなもの凄い力で押し返された。
足で蹴ると吹き飛んだが、平気そうに何度でも起き上がっては、またじわじわ迫ってくる。
「助けて」
と祖母に懇願したが、祖母はいつの間にか鬼のような形相で怒っている。
「○○ちゃん…お兄ちゃんになんでそんなひどい事するんや」
と意味不明なコトを言っている。
俺は泣き喚きながら自分の部屋に入ると、内側から思い切り勢いをつけてドアを押した。
ドアに当たった赤ちゃんはバンッと2メートル弱ふき飛んで、そのまま階段の下に落ち
水風船みたいに弾けた。放射線状に広がった血や内臓を見て、叫びながら起き上がった。
夢で良かったと思ってホッとした。
翌日、違う夢を見ていたのに、家の玄関を開けると階段の下で放射線状に広がった
血肉を見て、びっくりして目が覚めた。
さらに翌日も。またシーンが振り出しに戻った。生き返っている。
同じ悪夢を連続で見たため、怖くて寝たくない事を母親に告げた。
「お前は“水子”って言葉を知ってるかい?」
「うん」
「おばあちゃんには居るんよ…流産でもなく、堕ろしたんでもない。死産でもない…」
そこで母は黙ってしまった。
「…お前は引きずり込ませたりしない。今日もその夢を見たら、夢の中で私を呼びなさい」
と。
その日の夜、やはり夢を見た。
「お母さん、助けて!」
と叫ぶと赤ちゃんは
「ぐぅ」
と唸りながら、素早い何かに連れていかれそうになった。
「武力解決とは大人気ないな」
背後からの声に振り向くと、そこには寺生まれで霊感の強いTさんの姿が!
「破ぁ!」
Tさんの手から青白い光弾が発射され、赤子を連れていこうとする何者かは悲鳴と共に爆散した!
それを見た祖母は目を吊り上げて、
「許さん…覚えときや」
と捨て台詞を残し、こちらに向かってきたが
「自分の罪を子孫に擦り付ける小悪党め!!」
というTさんの怒号と共に空手チョップで脳天から唐竹割りされて消滅した。
Tさんは投げ出された赤子に近づくと、そっと手を触れて何事か呟いた。
青白い燐光が辺りを飛び交い、赤子はゆっくり天に昇っていった。
「どんなに苦しくても、暴力で解決しちゃあダメだ。覚えておきな」
Tさんはそう言い残すと、光に包まれて消えていった。
目を覚ました後、俺は感動のあまり泣いてしまったが、一階に下りると母と祖母が死んでいた。
寺生まれって酷い。俺は復讐を心に刻んだ。
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これは私が体験した真の体験です。
学生時代に彼女(元モデル(爆)とふたりで歩いていました。
すると前方から、なんと形容すればいいやら、
例えるなら暗黒の騎士とでも言おう存在が突進してきました。
私は無我夢中で彼女を突き飛ばし、
「斬るなら俺を斬れ!!!俺の命で済むなら・・・安い物ッ!!」と
無意識の内に叫んでいたそうです(彼女・談)
すると私の身体から光のモヤみたいなものが飛び出し、
うーん、これも形容しづらいんですけど、白き翼をたたえた騎士、
とでもいうような形に成らんとしたその瞬間、
誰かがそのモヤの後ろに現れました。
「ヤレヤレせっかくの休みにだってのに、
こんな場所でこんな大物に出くわすとはな」
その人物は両手をぶんぶん振りまわし、瞬く間に
白い騎士の形になりかけのモヤを掻き消してしまいました。
そして中から現れたのはなんと、
寺生まれで霊感の強いTさんだったのです。
「俺の休みを台無しにした罪は重いぜ」
そう言うとTさんは何やら呪文のようなものを唱え始め
暗黒の騎士に手をかざすと「破ぁーーーーー!!」と叫びました。
するとTさんの両手から青白い光弾が飛びだし、
暗黒の騎士を跡形もなく吹き飛ばしてしまったのです。
片手でタバコに火をつけると私に向き直り
「真の勇気、しかと見届けたぜ・・・」
そう呟いてニヤリと笑うと、そのまま人ごみに歩み去っていくTさん。
5年経った今でも、はっきりと覚えています。
寺生まれってスゲェ・・・その時初めてそう思いました。
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417 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/06/03(土) 11:45:17 ID:NtlJAYil0
これはOLとして働きながら、ひとり暮らしをしていた数年前の夏の夜の話です。
私が当時住んでいた1DKは、トイレと浴槽が一緒になったユニットバスでした。
ある夜、沸いた頃を見計らって、お風呂に入ろうと浴槽のフタを開くと、
人の頭のような影が見えました。
頭部の上半分が浴槽の真ん中にポッコリと浮き、
鼻の付け根から下は沈んでいました。
それは女の人でした。
見開いた両目は正面の浴槽の壁を見つめ、長い髪が海藻のように揺れて広がり、
浮力でふわりと持ちあげられた白く細い両腕が、黒髪の間に見え隠れしてました。
どんな姿勢をとっても、狭い浴槽にこんなふうに入れるはずがありません。
人間でないことは、あきらかでした。
突然の出来事に、私はフタを手にしたまま、裸で立ちつくしてしまいました。
女の人は、呆然とする私に気づいたようでした。
目だけを動かして私を見すえると、ニタっと笑った口元は、お湯の中、
黒く長い髪の合間で、真っ赤に開きました。
(あっ、だめだっ!)
次の瞬間、私は浴槽にフタをしました。フタの下からゴボゴボという音に混ざって
笑い声が聞こえてきました。
と同時に、閉じたフタを下から引っ掻くような音が・・・。
418 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/06/03(土) 11:46:10 ID:NtlJAYil0
私は洗面器やブラシやシャンプーやら、そのあたりにあるものを、わざと大きな音を
立てながら手当たり次第にフタの上へ乗せ、慌てて浴室を飛び出ました。
浴室の扉の向こうでは、フタの下から聞こえる引っ掻く音が
掌で叩く音に変わっていました。
私は脱いだばかりのTシャツとGパンを身につけ、部屋を飛び出ると
タクシーを拾い、一番近くに住む女友達のところへ逃げ込んだのです。
数時間後……深夜十二時を回っていたと思います。
カギもかけず、また何も持たず飛び出たこともあり、友人に付き添ってもらい
部屋へ戻りました。
友人は、今回のような話を笑い飛ばすタイプで、好奇心旺盛な彼女が、
浴室の扉を開けてくれる事になりました。
浴室は、とても静かでした。フタの上に載せたいろんなものは
全部、床に落ちていました。お湯の中からの笑い声も、フタを叩く音もしていません。
友人が浴槽のフタを開きました。しかし、湯気が立つだけで、
女の人どころか髪の毛の一本もありません。
お湯もキレイなものでした。それでも気味が悪いので、
友人に頼んで、お湯を落としてもらいました。
419 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/06/03(土) 11:47:36 ID:NtlJAYil0
その時、まったく別のところで嫌なものを見つけたのです。
私の身体は固まりました。
洋式便器の、閉じたフタと便座の間から、長い髪がゾロリとはみ出ているのです。
友人も、それに気付きました。
彼女はわたしが止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。
その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。
まるでお面のようなその女の人は目だけを動かすと、立ちすくんでいる友人を見、次にわたしを見ました。
わたしと視線が合った途端、女の人はまた口をぱっくりと開き、今度はハッキリと聞こえる甲高い声で笑い始めました。
「はははははは…ははははははは…。」
「人間の生理現象を逆手にとって結界を広げていく小悪党め!」
背後からの声に振り返ると、そこには寺生まれで霊感の強いTさんが!
「破ぁ!!」
怒号と共に青白い光弾が炸裂し、女は便器ごと粉々に吹き飛びました。
「独身女の風呂を覗くなんてけしからん奴だぜ。そいじゃあな。はははの破ァ!」
Tさんは豪快に笑って家を出て行きましたが、器物破損で大家さんに警察へ連れて行かれてしまいました。
その時、まったく別のところで嫌なものを見つけたのです。
私の身体は固まりました。
洋式便器の前に、ズボンと下着を膝まで下ろした男性がおしりをこちらに向けて立っていたのです。
友人も、それに気付きました。
彼女はわたしが止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。
その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。
まるでお面のようなその女の人は目だけを動かすと、立ちすくんでいる男性の股間(あたり?)を見ました。
視線が股間に向いた途端、男の人は足をがにまたに開き、ハッキリと聞こえる音でおしっこを始めました。
はははははは…ははははははは…。
私たちギャラリーの笑い声を浴びて、女の人の顔がゼンマイ仕掛けのように小刻みに震え、はみ出た黒髪がぞぞぞぞっ…っと便器の中に引き込まれました。
顔を引きつらせた友人は、叩きつけるように便器のフタを閉じようとしました。
けれど男性(寺生まれのTさんでした)が、片手で彼女を押さえ、「もうちょっとまってくれ」と言いつつ、もう片方の手をナニに添えると、
破ァッ!の掛け声と共に、青白い最後の一ひねりを搾り出しました。
耳障りな笑い声が、水の流れる音と、無理矢理飲み込もうとする吸引音にかき消されました。
その後は無我夢中だったせいか、よく覚えていません。
気が付くと、簡単な着替えと貴重品だけを持って、私と友人は友人の部屋の前にいました。
部屋に入った友人は、まず最初に警察に電話をすると、ここまでついて来たTさんに「ちんこしまえ」と言いました。
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一匹のネコがいました。百万回死んで百万回生きました。
あるとき、このネコは船乗りのネコでした。船乗りはこのネコのことが好きでいつも船旅に連れて行ってました。
でも、ある日ネコは海に落ちて死んでしまいました。船乗りは大泣きしてネコのお墓を作りました。
このネコは、あるときは泥棒のネコ、あるときは王様のネコ、女の子のネコ、お婆ちゃんのネコ、サーカス団のネコ。。。色んな人のネコになりました。
飼い主はこのネコが死ぬとみんな大泣きしてお墓を作りました。
でもネコは一度も泣きませんでした。
立派なトラ模様だったので、牝ネコにもてました。たくさんの雌ネコが言い寄って来る中、一匹だけ自分に見向きもしない雌ネコがいました。
その雌ネコのところへ行って宙返りをしました。
「すごいだろ、オレ、サーカス団のネコだった事もあるんだぜ。」
「そうなんだ」
「オレなんか百万回の生きてるんだぜ。君はまだ一回目だろ?」
「ええ」
何日かこんな話をしてるうちにネコは「オレは百万回も。。」と言わなくなりました。
ある日、雌ネコに聞きます。
「そばにいてもいいかい?」
「ええ」
それから一緒に暮らし子ども産まれました。とっても可愛がり自分よりも好きなくらいでした。
子どもも大きくなり側から離れていきました。
自分も雌ネコも年をとっていました。ある朝、雌ネコは死んでしまいました。
ネコは初めて泣きました。朝になって、夜になって、朝になって。。。
ネコは百万回泣きました。
そして、次の朝に泣き止みました。
雌ネコの隣で動かなくなっていました。
ネコはもう生き返りませんでした。
そこに寺生まれで霊感の強いTさんが通りかかるまでは。。。
「泣きながら死んでいくとはかわいそうに。
よっぽどこの世に未練があったのだろう。ふむ。。。」
ネコを見たTさんはそう言うと、何度か印を結び「破ぁっ!!」と唱えました。
その瞬間、辺りに青白い光が走ったかと思うと、ネコは立ち上がり
百万一回目の生命をスタートさせていました。
「別に感謝しなくていいぞ。おまえにはもともと不思議な生命力が備わっていた
ようだから、オレはほんの少し後押しをしただけさ。
そっちの雌ネコも生き返らせてやりたかったんだが、残念ながらオレの手には
負えないようだ」
Tさんはネコにこっぴどく引っ掻かれ、罵られ、謗られ、疎まれました。
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「12月27日。カツオ10本つる」
「1月27日。外国船を発見。応答なし。雨が降るとオケに雨水をため、これを飲料水とした」
「2月17日。いよいよ食料少なし」
「3月6日。魚一匹もとれず。食料はひとつのこらず底をついた。恐ろしい飢えと死神がじょじょにやってきた」
「3月7日。最初の犠牲者がでた。機関長・細井伝次郎は、「ひとめ見たい・・・日本の土を一足ふみたい」とうめ
きながら死んでいった。全員で水葬にする」
「3月9日。サメの大きなやつが一本つれたが、直江常次は食べる気力もなく、やせおとろえて死亡。水葬に処す」
「3月15日。それまで航海日誌をつけていた井沢捨次が病死。かわって松本源之助が筆をとる。
井沢の遺体を水葬にするのに、やっとのありさま。全員、顔は青白くヤマアラシのごとくヒゲがのび、
ふらふらと亡霊そっくりの歩きざまは悲し」
「3月27日。寺田初造と横田良之助のふたりは、突然うわごとを発し、「おーい富士山だ。アメリカにつきやがった。ああ、にじが見える・・・・。」
などと狂気を発して、左舷の板にがりがりと歯をくいこませて悶死する。いよいよ地獄の底も近い」
「3月29日。メバチ一匹を吉田藤吉がつりあげたるを見て、三谷寅吉は突然として逆上し、オノを振りあげるや、
吉田藤吉の頭をめった打ちにする。その恐ろしき光景にも、みな立ち上がる気力もなく、しばしぼう然。
のこる者は野菜の不足から、壊血病となりて歯という歯から血液したたるは、みな妖怪変化のすさまじき様相となる。
ああ、仏様よ」
「4月4日。三鬼船長は甲板上を低く飛びかすめる大鳥を、ヘビのごとき速さで手づかみにとらえる。
全員、人食いアリのごとくむらがり、羽をむしりとって、生きたままの大鳥をむさぼる。
血がしたたる生肉をくらうは、これほどの美味なるものはなしと心得たい。これもみな、餓鬼畜生となせる業か」
「4月6日。辻門良治、血へどを吐きて死亡」
「4月14日。沢山勘十郎、船室にて不意に狂暴と化して発狂し死骸を切り刻む姿は地獄か。人肉食べる気力あれば、まだ救いあり」
「4月19日。富山和男、沢村勘十郎の二名、料理室にて人肉を争う。地獄の鬼と化すも、
ただ、ただ生きて日本に帰りたき一心のみなり。同夜、二名とも血だるまにて、ころげまわり死亡」
「5月6日。三鬼船長、ついに一歩も動けず。乗組員十二名のうち残るは船長と日記記録係の私のみ。
ふたりとも重いカッケ病で小便、大便にも動けず、そのままたれ流すはしかたなし」
「5月11日。曇り。北西の風やや強し。南に西に、船はただ風のままに流れる。山影も見えず、陸地も見えず。
船影はなし。あまいサトウ粒ひとつなめて死にたし。友の死骸は肉がどろどろに腐り、
溶けて流れた血肉の死臭のみがあり。白骨のぞきて、この世の終わりとするや・・・・」
「5月12日。無事にアメリカ、フロリダ港に到着した。船員一同、寺生まれの凄まじきことに感嘆す。」
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ピーコ「昔、実家でね、悪霊を追い払うと言われたお香をたいたのよ。
そしたら、おすぎが『臭い!臭いぃぃぃぃ!』と叫びながら家を
飛び出ていったのよ。玄関先にはいつの間にか、寺生まれで
霊感の強いTちゃんが待ち構えていてね。出てきたおすぎを
青白い光弾で吹き飛ばしたのよ。
寺生まれって本当にすごいと思ったわ、アタシ」