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- 390 :本当にあった怖い名無し:2011/12/28(水) 03:49:43.05 ID:copsnhH60
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道端の地蔵のそばにしゃがんでいる人影が、ゆらゆら前後に身体をゆすりながら、
なにやらぶつぶつと、つぶやいていた。
こんな凍てつく夜でさえ、交番勤務から署までの移動中もパトロールを欠かさない。
あのお巡りさんは、やれやれ、酔っ払いのうたた寝凍死だけは勘弁とばかり近づいていった。
警「もしもし、こんばんは、こんな夜中にだいじょうぶ…あ! キミは!」
T 「チッ! しゃーねーな、んばんわーっす、ケッ」
よく見ると例の青年は、お供え物を食べる野良猫たちを見守っているのだった。
お巡りさんは目の前の青年が、ある種の呼吸で気を溜め始めたことを見逃さなかった。
警「今夜は…だいじょうぶそうだね。ねえキミはさ、もしかしてお寺かどこかで仏門を」
お巡りさんが言い終わらないうちに、青年はお巡りさんの目を見ないまま吐き捨てた。
T 「破ァいはいサーセン、今夜はちょいと酔っぱらっちまってよ、んじゃ、俺は帰るからよ。アバヨ!」
射るような目付きで、青年はお巡りさんの足元を睨んだ。
なにか冷たく尖った硬質なものがいくつも飛んできたかのように、お巡りさんの足元が凍りつく。
警(ははあ、やっぱりコイツ、ワケアリのクロか…もうしばらく観察するか…)
背中を丸めて帰る青年と、その背中を見つめるお巡りさん。
二人の心中は奇しくもシンクロしていた。
警・T 『次会ったときは、ちょいと厄介なことになるんだろうな…』
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