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寺生まれのTさんまとめ@オカ板
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394 :本当にあった怖い名無し:2012/01/15(日) 08:37:59.69 ID:xCKfBzsY0
老警「で、あと一人まだ中にいるんだな?」

初老の警官の足元にすがるようにしていた少年たちが、無言で震えながら頷いている。

若警「んじゃ先輩、自分が中探してきますよ、こいつら運ぶのに応援呼んどいてください」

とある廃病院の敷地前の空き地――深夜の警官2名と10人弱の少年たち。

老警「すまんな“木念”くん、本官はここでこいつらとパトカー待つから、中で気絶してるバカ頼むよ」

(やれやれ、厄介なことにならなきゃいいんだけど…)

懐中電灯片手に“木念”こと例の寺生まれのお巡りさんは廃病院の禁断のエリアに向かう。
通報を受けて交番から駆けつけてみれば、近隣の高校生たちが肝試しに入ったものの、
不気味な現象に遭遇して一人が暴走、
残りの全員は恐怖に震えながらかろうじて逃げ出してきたという。

先輩の警官は当然知らないだろうが、じつはこの廃病院は笑い事では済まないガチスポット。
いままでネットに上がっていたのはガキどもでも入れるお子様エリアの情報だけだったのに、
かつてバリケードと呪物で必死に封印したエリアに、ガキどもは入り込んでしまったらしい。

(ここ数年危険な兆候もなかったのに…それになぜこんな寒い時期に…)
395 :本当にあった怖い名無し:2012/01/15(日) 08:46:23.11 ID:xCKfBzsY0
結界の残骸を前に、かび臭い中、お巡りさんは立ち止まる。

(む…中は…一人じゃない…! なんだこの妙な熱気は!? 封した邪のほかに何か?)

闇に同化して気配を殺し、お巡りさんが慎重に進んでいくと、突如闇から声が響いた。

「破ァアアアア!」

なにか熱く弾ける硬質なものが列になって飛んできた。

警「おや、また会ったね。そのとなりで伸びてるバカ面が肝試しの子どもかい?」
T 「チ! 気配殺して入って来やがるから誤爆しちまったよ…あれ、まさかここ…」
警「さすがに察しがいいね。3年前の事件のあと、入り口塞いだのは僕なんだ」
T 「もっと慎重に塞いで…っておいアンタ! 俺のアレまともに食らったのか!?」
警「キミはどうやら僕とは違う特性みたいだね…ハハ、いい腕…してるよ」
T 「なぜ避けるか返すかしなかった…ああ! いつの間に!?」

青年が振り返ると、さっきまでなかった名状しがたい臭気を残す砂粒の小山ができていた。
同時に、この場を占めていた邪悪な負の雰囲気は解消された。

警「僕は仕事柄こういう順序で動くわけ…悪いがそのバカ…僕の背中に負ぶわせてくれないか…」
T 「アンタ大丈夫か! おい!」
警「外にはパトカーと救急車が来てる…キミはココ封印したらひとまず逃げてくれ…頼む…」
T 「承知、いちおうこのガキのは祓っといた。外のガキどもの口封じは任せたぜ、あとアンタには医者な」
警「くっ…これ病院行っても…かえって不審でしょ、ハハ…」
T 「じゃなくて、そっちの医者だ! 腕の立つ爺さんがいるから話つけておく」
警「所轄区域にそんな人いなかったけど…あんまり遠くに出かけたくない症状なんでね…」
T 「心配すんな、向こうから勝手に来てくれる。さっさと行けよ!」
警「じゃ…あとヨロシク…痛え…ハハハ」
T 「済まなかったな。アバヨ!」

警・T 『あーあ、思ったとおり厄介なことになっちまったなあ…』

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395 :本当にあった怖い名無し:2012/01/15(日) 08:46:23.11 ID:xCKfBzsY0
結界の残骸を前に、かび臭い中、お巡りさんは立ち止まる。

(む…中は…一人じゃない…! なんだこの妙な熱気は!? 封した邪のほかに何か?)

闇に同化して気配を殺し、お巡りさんが慎重に進んでいくと、突如闇から声が響いた。

「破ァアアアア!」

なにか熱く弾ける硬質なものが列になって飛んできた。

警「おや、また会ったね。そのとなりで伸びてるバカ面が肝試しの子どもかい?」
T 「チ! 気配殺して入って来やがるから誤爆しちまったよ…あれ、まさかここ…」
警「さすがに察しがいいね。3年前の事件のあと、入り口塞いだのは僕なんだ」
T 「もっと慎重に塞いで…っておいアンタ! 俺のアレまともに食らったのか!?」
警「キミはどうやら僕とは違う特性みたいだね…ハハ、いい腕…してるよ」
T 「なぜ避けるか返すかしなかった…ああ! いつの間に!?」

青年が振り返ると、さっきまでなかった名状しがたい臭気を残す砂粒の小山ができていた。
同時に、この場を占めていた邪悪な負の雰囲気は解消された。

警「僕は仕事柄こういう順序で動くわけ…悪いがそのバカ…僕の背中に負ぶわせてくれないか…」
T 「アンタ大丈夫か! おい!」
警「外にはパトカーと救急車が来てる…キミはココ封印したらひとまず逃げてくれ…頼む…」
T 「承知、いちおうこのガキのは祓っといた。外のガキどもの口封じは任せたぜ、あとアンタには医者な」
警「くっ…これ病院行っても…かえって不審でしょ、ハハ…」
T 「じゃなくて、そっちの医者だ! 腕の立つ爺さんがいるから話つけておく」
警「所轄区域にそんな人いなかったけど…あんまり遠くに出かけたくない症状なんでね…」
T 「心配すんな、向こうから勝手に来てくれる。さっさと行けよ!」
警「じゃ…あとヨロシク…痛え…ハハハ」
T 「済まなかったな。アバヨ!」

警・T 『あーあ、思ったとおり厄介なことになっちまったなあ…』

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