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- 237 :本当にあった怖い名無し:2009/10/28(水) 21:55:12 ID:I/ilKID50
- 友達と二人で話してたら、久しぶりに心霊写真を撮ってみたいと誰かが言い出したので、
近くの山道に惨殺事件があってからも未だに取り壊されず残されてた民家があるので夜中に行ってみた。
玄関から居間、風呂場とトイレ、キッチンに父親の部屋、階段から二階へ行き、
子供部屋からベランダ、母親の部屋、階段を降りて一階へ。
最後に家をバックに一人ずつ。片っ端から写真撮って帰った。
んで今日。出来上がった写真を見て俺達は驚いた。
何も写ってないのだ。
もちろん俺達は普通に写ってる。霊的な物が何も写ってなかったのだ。
「・・おかしくね?」
「もう成仏しちゃったとか、じゃねぇかな?」
「やっぱそうなのかな。じゃあ、あそこ行ってももう心霊写真撮れないって事か。無駄だったなぁ」
「そうでもないよ。行く途中に結構周りから孤立してる民家、一軒あるから。次はそこ行こうぜ」
「おぉ!マジで?そこも廃墟?」
「んな訳ねぇじゃん。普通に人住んでたよ。今日の夜行こうぜ」
「おっけ、分かった。今の内に適当に準備しとくわ」
「待て」
後ろから掛けられた声にハッとして振り返ると、柱の陰から男が現れた。
ここは雑居ビルの使われていない最上階フロア。用もなく誰かがやってくる事はない筈だ。
「やはりお前らか」
現れた男は大股でこちらにやってくる。
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- 238 :本当にあった怖い名無し:2009/10/28(水) 21:56:31 ID:I/ilKID50
- その男は、がっしりした長身で僅かに浅黒く日焼けし、伸び放題の肩までの黒髪と無精ヒゲで
一見して軽薄な最近の若者風だったが、その眼光は鋭かった。
「…誰だお前は…どうやってここが解った?」
「惨殺事件のあった山道の民家から、霊体の残滓を辿って調べていたのさ。
成仏できずに苦しんでいる霊に頼まれたんでね」
「!!するとあの家で心霊写真が撮れなくなったのは…!?」
「あぁ、うちの寺で手厚く弔って俺が成仏させた。そして彼等にお前達の事を聞いたのさ」
俺たちの目の前に仁王立ちになった男は静かに、しかし怒りも露わに俺達を睨みつけた。
「お前達のしてきた事は決して許される事じゃあない」
そう言うと男は左右の掌を俺達にかざす。
咄嗟に飛び退いて身をかわす俺達だったが男は素早かった。
「無駄だ悪鬼ども!おのれの業を贖え!!破ぁ~~~!!!!」
両手から放たれた二つの青白い光弾が俺と友人の胸を貫く。
刹那、醜い獣の顔をした煙のようなものが俺達の体から引剥がされ、
弾き飛ばされて苦悶の顔を見せて消滅した。
俺と友人は魂でも抜かれたようにぽかんと口をあけてその場にへたり込んだ。
片手で煙草に火を付けると、男は窓から外の様子を窺うように背を向けた。
遠くでパトカーのサイレンが鳴っている。
「お前達に憑いていたモノは消滅した」
「お、俺達は一体…」
「…お前らは邪悪な存在に操られていたのさ」
「じゃあ俺達のしてきた事は…」
「奴らに唆されてした事だ、だがな…」
- 239 :本当にあった怖い名無し:2009/10/28(水) 21:57:40 ID:I/ilKID50
- 「だが責任の一端はお前達にもある」
「!?」
「お前達はな、奴らに魅入られたのさ。奴らは取り憑く相手を選ぶ。
お前達の邪な心が奴らを呼び寄せたんだ」
「そんな…じゃあ俺達は…やっぱりこの手で…」
こちらを振り返り俺達を憐みの目で見つめると、男はやるせなさそうに、ゆっくりと煙草の煙を吐いた。
「…警察の偉いさんに…俺の親父の知り合いがいてな、親父づてに事情は話してある。
悪鬼は祓った。今度はお前達が贖う番だ。
お前達に真摯に償う気持ちがあれば罪はそんなに重くはならないだろう。」
やがてパトカーがビルの真下に停まり、刑事と数名の警察官に促されて俺達は大人しく捕まった。
連れて行かれる前に後ろを振り返ると、男はまだ窓際に佇んでいた。
「あの…ありがとうございました」
振り向きもせず、片手を挙げて応える男に深く一礼すると俺達は再び歩き出す。
そうして部屋を出る間際の俺達の背に、呟くように男が声を掛けた。
「悔い改めろよ…俺にだって、祓えないものはあるんだ…人の心、とかな」
ハッとして振り向くと、相変わらず向こうを向いてはいるが、その拳は何かに耐えるように固く握られ、
背中はまるで泣いているかのようだった。
その背中に再度深々とお辞儀をすると、寺生まれって凄い、溢れ出す涙を拭いながら俺はそう思った。
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- 234 :本当にあった怖い名無し:2009/10/27(火) 19:08:19 ID:VU3VfdVi0
- ここは江戸の奉行所。今、お白洲では奉行の裁きが行われているのであった。
「では義介、先日、一本桜にて異形の者を退けたのは自分であり、
結果、襲われていた大黒屋一行を救ったのも自分である。と、そう申すか」
「その通りにございます」
「しかし、大黒屋親子と共に怪異におうた丁稚の佐吉は、
自分達を助けてくれたのは『寺生まれで霊感の強いTさん』なる者だった。
そう述べておるが、どうじゃ?」
「大黒屋のご主人は私を『化物退治してくれた人』だと認めて下さいました。
年端の行かない小僧さんの言う事です。人が光の塊を撃ち出したとか、何か思い違いをしてるんだと思います。
他愛ない勘違いなら良いのですが、人様を礼金を騙し取る詐欺師呼ばわりして、あげくにこのありさまでございましょう?
私の疑いが晴れましたら、小僧さんにはきつくお灸をすえてやって下さい。」
「大黒屋は己が娘を庇う為に異形の者へ背を向けており、誰が祓ったかは見ておらん。
その場に居た者で、一部始終を見ておったのは佐吉のみだが、それでもシラを切るか」
「お言葉ですがお奉行様、子供の言うことのみで断を下すとはあまりにも乱暴に過ぎると言うもの。
私に罪があると仰るなら、きちんとした証拠をご用意頂きとうございますな」
「ほう、きちんとした証拠とな…」
「ええ、そうですとも。その丁稚が言う『光の塊を放って怪異を祓った、寺生まれで霊感の強いTさん』
とやらを、ここに連れてきてもらおうじゃありませんか」
「その者がおれば、罪を認めると申すのだな?」
「はい、そんな奴が本当に居るなら、私は礼金をちょろまかそうとしたケチな詐欺師で結構でございます」
「おう義介、俺は今はこうやって侍をやってるが、元々は寺生まれなんだよ。
で、T山だからTとだけ名乗ってたら、町の連中は俺をTさんと呼ぶようになった」
「えっ?」
「でもって、それなりに強い霊感ってのも持っててな… 破ッ!」
後日、江戸の町に『狐火を使う妖怪が奉行を喰い殺して入れ替わり、お裁きをしている』と、うわさが流れたという。
- 229 :本当にあった怖い名無し:2009/10/25(日) 05:13:47 ID:gVtKWYk+O
群馬県の田舎の方である一家が心中したそうです。
それから数ヵ月後、その家が壊されることになりました。
その時、東京の大学の「オカルト研究会」みたいなサークルに所属する学生が
壊される前にその家を見物しに行こう、ということになりました。男2人女2人の4人で。行ってみるとその家は壊されかけでした。いろいろなモノが散乱しています。ビデオを撮りながら「お邪魔しまーす」。
「ここが台所ですね」「トイレ借りていいですか」
・・・ふざけてる内に片方の女の子が怖くなってしまったので帰る事にしました。
「お邪魔しました~」ここでビデオも撮るのをやめ、車に乗り込みました。
帰りの車の中でもう一人の女の子が
「この指輪拾ってきちゃった。記念に部室に置いとこーよ!」
後日。
男のアパートでビデオを見ることにしました。
「お邪魔しまーす」「いらっしゃい」
聞こえないはずの声が聞こええ4人は互いを見つめあいました。
「ここが台所ですね」「はい」
「トイレ借りていいですか」「どうぞ」
「お邪魔しました~」
「待て」
沈黙してしまった4人。その時、全員の携帯が一斉に鳴り出しました。
一瞬パニックになりましたが落ち着きを取り戻し全員電話に出てみました。
男2人の携帯はいずれも無言電話。怖がりの女の子も無言電話。
指輪を拾った子の携帯からは
「指輪返して・・・・・」
T『破ァ!!!!』
「ぐっ・・・指・・・輪・・・」
T『その指輪は人間が持っているべきものじゃない。俺に出来るのはここまでだ』
こうして彼らの、指輪を捨てる旅が始まったのです。
- 226 :本当にあった怖い名無し:2009/10/25(日) 01:31:30 ID:0nEIr9tZO
- 友達と二人で夜道を歩いたいた時なんですけど、その日は部活で遅くなって、近道をしたんです。
その近道…っていうのが、墓地を抜けるんです。
一人だととても怖いんですけど、友達と二人だったから『ま、いっか』みたいな感じで。
墓地の半ばに来た頃、なんだか急に重苦しくなっちゃって…
友達も「嫌な感じ」と泣きそうに…
その時、物音がしたんです!二人して抱き合って、腰が抜けちゃって、その場に座り込んじゃって、泣きじゃくってました。
凄く怖かったんです。
暫くすると、その辺の墓石から無数の人魂の様な物が、私達を取り囲む様に迫って来ました。
もうどうしていいかわからない。ここで死ぬのかなぁ…なんて、色々な想いが頭をよぎりました。
その時、友達のカバンの中から、けたたましい男勝りの笑い声が、墓地一帯に木霊したんです!
「あーっ破っ破っ破!あーっ破っ破っ破!」
笑い声と共に、純白の光が、まがまがしい人魂に向かって放たれました!
そういえば部活の時、景品が当たったと某巨大女性歌手の人形を持ってきて見せてくれたんです。
カバンから取り出すと、のたうち回りながら光弾を放ち続けてました。
やがて、人魂は消え去り、私達は助かったんです!
今度は嬉しくて泣きました。
すると…近くの木の陰から、男の人が泣きながら怒り顔で飛び出してきました。その人は、憎しげに人形を睨みつけ…
「破っ!破っ!破っ!…」
と青い光を腕から出して、人形を打ち続けました。
「!…何するんですか!」
私は怒りながら文句を言いました。
「…貴様のせいで!貴様のせいで、女子高生と仲良くなるチャンスを無くしたじゃないか!潰してやる!破っ!破っ!破っ!」
人形は粉々にされてしまいました。
寺生まれって酷い…本当に憎らしく思いました。
- 223 :本当にあった怖い名無し:2009/10/24(土) 22:05:01 ID:wswxE5/c0
- 部屋の電気消して、歌番組を見てるとき、金縛りにあったんですよ。
若手歌手の音痴な歌を聴いてるときに、全く身動き出来なくなったんですね。
背筋にも悪寒が走るくらい、室内の空気がとてつもなく重くなり・・・
自分の背後の壁から、何かが迫ってる気配がしたんです。
(こりゃ、ヤヴァイ・・・)
でも、金縛りで動けない。
その時、どこからともなく颯爽とTさんが現れたんです!!
(これが噂のTさんか!助かったかも!!)
「そこまでだ!低俗霊め!」
Tさんがその腕から光弾を放とうとした、まさにその時。
『あの頃は~♪ 破!!』
某有名巨大女性歌手の歌と共に、TVから光弾が飛んできて、背後の霊に激突したんです!!!
低俗霊は木っ端微塵にw
Tさん、唖然としてましたよ・・・口をあんぐり開けて・・・
そして一言。
「ちくしょー!!この男女歌手め!!!俺の仕事の邪魔しやがって!!」
Tさん、右手で涙を拭いながら走り去っていきました。
寺生まれって変に凄い・・・ライバル視された某歌手も凄い・・・って心底思いましたね
- 221 :本当にあった怖い名無し:2009/10/22(木) 01:59:35 ID:kC2DHiob0
- 10年前、サイパンに旦那と旅行に行きホテルで旦那は買い物・私は入浴してた。
真昼間に入浴し、ゆったりした外国の風呂で女王様気分を味わうつもりだったのに
泡風呂で体を沈めて5分もしないうちに浴室の壁からザッ!ザッ!ザッ!と
映画シーンで軍人さんが集団行進する軍靴音がしてきた。
泡の中で硬直する私・・・耳の錯覚だよね♪真昼間に幽霊は出るわけないじゃ。
否定しながらカラ鼻歌の声も震えてきた。
浴室中の壁という壁、鏡の方からも行進足音はドンドン近づいてくて
ゾンビ軍人の幽霊が壁をぶち割るんじゃないかと・・・・
スッポンポンのカール・ルイスのダッシュに匹敵する0.8秒?で
ベッドに潜りこみました。
かなり広い部屋だったので 真 昼 間でも部屋の電気は全て付けてました。
薄い毛布の繊維の隙間から部屋中の様子が透けて見えます。
と ブッ! ブッ! ドアの非常灯が音をたてて消えました。
そして又人ブッ!ブッ!とベッドから遠くの電球が音をたてて消えてくのです。
ベットスタンドの電気が消えた瞬間、横に薄っすら透けた軍人さんが立っているのが
解りました。
上目使って顔を見る事は恐怖でできずベッド横をみるだけで精一杯でした。
ドロドロだったどうしよう~~
軍人さんの革靴の踵をガツンと合わせた音が聞え、
敬礼しているような感じを受けました。
その瞬間、怖さと共にスゴイ悲しみを・・・チョット今思い出して泣いてます。
- 222 :本当にあった怖い名無し:2009/10/22(木) 02:00:54 ID:kC2DHiob0
- その時です。
浴室の洗面台の下の扉を蹴り開けて、男が部屋に駆け込んで来たのです。
「ご先祖さん達よ、あんたらの悲しみ、苦しみは理解する。
だがこんな所まで出てきちゃいけないぜ」
恐る恐る毛布のすそをまくって様子を窺うと、なんとその男は
あの、寺生まれで霊感の強いTさんだったのです。
「彷徨える魂を導くのは俺達の役目、さぁもう安らかに眠るんだ」
語り掛けるようにそうつぶやくと、Tさんは軍人達の霊目掛けて
「破ぁーーーー!!」と両手を突き出したのです。
掌から放たれた青白い光弾はまばゆい光となって部屋に広がり、
それがおさまると部屋は元通り、しんと静まり返りました。
毛布から首だけ出して事の顛末を見守っていた私に向き直ると
「もう大丈夫ですよ奥さん。さ、心置きなく入浴の続きをどうぞ」
そう言ってTさんはもといた洗面台の下へと戻って行って中から扉を閉めました。
私は浴室の扉を閉め、側にあったスタンドでつっかい棒をして
逃げられなくするとフロントから警察を呼んで貰いました。
ちょうど戻って来た旦那と共に「寺生まれって凄い…」
改めてそう話し合いました。
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- 211 :本当にあった怖い名無し:2009/10/20(火) 15:40:03 ID:lJuaYHFz0
- ヨーロッパのとある国に留学してた時の話を
留学したてで言葉もままなら無い頃、よく日本人の友達を家に呼んで飲んでたんだ。
俺の家は、屋根裏で大き目の丸窓から地下鉄の出口が見える。
エスカレーターがだけでモロに出口専用なのだが、怖いのはたまに夜中過ぎに意味も
なく動き始めること。
夜中なもんだから車どおりもなく、音が良く響いて「ブーン」ってなるんだがこれが
怖い。たまに丸窓から覗いて確かめるんだがこれが誰もいない。
まぁそんなことがたまに起こる程度だった。
ところがある週末、いつものように友達を呼んで飲もうと思い、一番仲の良い画学生
に連絡をした。今ちょうど別の友達と飲んでたらしく、家に来るとのこと。
一時間ほどして、そいつが来たわけだが連れはなんと可愛い女の子。
俺は「羨ましい」と思ったのを良く覚えている。
で、その3人で飲み始め芸術や最近のこの町のことを語ったりしてた。
(俺は美術史の学生だった)
12時を過ぎ終電が無くなり、治安もあまり良くない場所なのでいつものように
「泊まってけ」と言ってまた再び飲みだした。
丸窓の傍でタバコを吸っている俺の友達が「エスカレーター動いてるぜ」と。
時計を見たら2時過ぎ。「またか」と思い「たまにあんだよ」と説明した。
すると連れの女の子が興味をもったらしく「どれどれ」とその丸窓を覗いて
「本当だ」となんだかはしゃいでいた。
俺は俺で酒を飲みながら「独りでそれがあると怖い」だのと、
あーでもない、こーでもないと話していた。実はその娘のことが気に入りだしてた
わけだが。
- 212 :本当にあった怖い名無し:2009/10/20(火) 15:42:51 ID:lJuaYHFz0
- しばらく覗いている彼女がふと「誰かいるよ。」と言って俺を呼んだ。
「まさかぁ。」酔っ払いかなんかだろうと隣から覗くと誰もいない。
「いないじゃん」そういって彼女を見ると「いないねぇ」と俺の友達も
「誰もいるわけ無い」と言ってタバコをふかしていた。
俺はトイレに行き、友達はタバコを吸い終わり部屋で飲み始めた。
ところがずーっと覗いている彼女が、いきなり「あっ!」と小さく叫んだから
二人ともびっくりして「どうしたん?」と聞くと、
「二人出てきたよ。お母さんと子供かな」
「んな馬鹿な」と思い、覗いてみるがやっぱりいない。
「いねーじゃんか」「そういう冗談好きなのか?」「こえーから止めてくれ」
だの散々愚痴った挙句、俺は眠くなったのでそのまま寝てしまった。
翌朝(むしろ昼近くだった)起きると、俺の友達は眠りこけてたが、
彼女がいない。まぁ始発か朝方にでも帰ったのだろうと思い、
気にはかけなかった。が、別の意味で気にはなってたのでその夜電話した。
電話して昨日どうしたのか聞いてみると「寝れなかったから朝方早めに帰った」
とのこと。やっぱそうかぃと思い、どうでもいいような事を一通り話し、
なんとなく今度二人で遊ぼうと約束した。
電話を切ろうとした時、「エスカレーターさ」と話してきた。
なんであんなエスカレーターの話を引っ張るのか?その時は
不思議で仕方なかったが「今日も動くかもなぁ」と冗談交じりで話すと
「今度動いてもあまり覗かないほうがいいよ、見付かるよ」と
彼女が低い声で言った。あまりに低い声で言うものだったから、
その時は「マジで俺はびびりだから、そういうのは止めてくれ」と
ちょっと本気で頼んだことを覚えている。
で、それから3日後、二人で会うことになり、その日は彼女の家に
お邪魔した。俺は料理が出来るので(彼女が料理がまったく出来ない)
俺が夕食を用意して二人で乾杯をした。
- 213 :本当にあった怖い名無し:2009/10/20(火) 15:48:22 ID:lJuaYHFz0
- それ以来、俺は彼女と付き合うようになった。
友達は偉く無関心で「あっそ、おめでと」ぐらいしか言わず
それからもよく家に来て飲んでたのを覚えている。
ところが、その交際もあまり続かなかった。
付き合い始めたのが、1月か2月だったから、半年程度。
理由はいきなり彼女が日本に帰国したからだ。
帰る間際には相当痩せこけていたのを覚えている、その時は
「やっぱり俺がいても寂しかったのかなぁ」などと
俺を捨てて帰国した理由を考えていた。
帰国前の二週間ほどは殆ど会ってもらえなかった。
おかげで別れもろくに言えず、今も少し引きずっている。
ただ余りに逃げるように帰ったので、俺は相当荒れた。
まぁその画学生の友達と「女なんかどうでもいい」だの
「あんな身勝手な奴だと思わなかった」だの愚痴りまくっていた。
友達は殆どうなずくだけであまり何も言わなかったのを覚えている。
それから半年して、ちょうど一昨年の今頃、
それから別の国のアート学校にさらに留学したその友人からメールが来た。
「彼女が入院した。」
なんでも怪我とかじゃなくて精神的なものらしい。
たしかに付き合ってた頃も結構不思議な子で、金縛りや、独り言は
日常茶飯事で、年中うなされたりひどいと叫んだりしてたのは覚えていた。
ただそこまで酷いとは思っていなかったのでかなりショックを受けた。
その時は日本に帰って様子だけでも見に行くべきかと思ったが、
悲しいもので、学校の単位的にも金銭的にも日本に帰ることは
出来なかった。
- 214 :本当にあった怖い名無し:2009/10/20(火) 15:50:52 ID:lJuaYHFz0
- それから半年して、夏休みに一時帰国することがあったので、
そのついでに彼女の実家の広島まで行ってみた。
(俺は東京なので、交通費がかなりきつかった。)
住所を頼りに実家を訪問した。どうも様子がおかしいなと
彼女の実家の前で思ったことを覚えている。と言うのも、
なんて説明したらいいか分からんが、なんか色がくすんでた気がした。
インターホンを鳴らすと、彼女の母親が出てきた。
俺を一目見ると、「あなた、○○さん!」と、ほぼ叫んでた。
いきなり叫ばれたのでびびったが、やっぱりその時も変だと思った。
家に入れてもらい居間に通され、彼女の容態を聞こうと思ったとき、
愕然とした。
仏壇に彼女の大きな写真が、そして線香が焚かれていた。
俺はマジで混乱して、どういうことか把握できなかったから
「どうしたんですか!」と叫んだ、叫んですぐさま思ったのは、
「自殺したんだろう」
案の定、入院先から逃げ出してとある雑居ビルから飛び降りたらしい。
その時のことは、正直俺も記憶が今でもあやふやだ。ショックだったし
なにより、やり直すつもりでそれなりの覚悟をしてたからだ。
理由を彼女の母親に尋ねるも、病院に入院していたこともあり、
精神的なものだとしか聞かされなかった。
結局、日も限られていて、墓参りをした次の日には東京に戻り、
その一週間後にはまた自分の留学先に戻った。
留学先の自分の屋根裏のアパートに戻ると、手紙が届いていた。
なんと彼女からだった。正直、生まれて一番びびったかもしれない。
- 215 :本当にあった怖い名無し:2009/10/20(火) 15:52:34 ID:lJuaYHFz0
- 封筒を開けると、酷いものだった。錯乱していた。辛うじて内容は
つかめたが、本当に荒れた字だった。
わたしはしぬ。あれからずっとおいまわされてる。
げんじつにもゆめにもずっと、あのおとと、あのふたりがついてくる。
読める範囲で理解できた言葉はそれだけだった。ただ、デッサンが同封
されており、なんてことは無い俺のアパートの丸窓だった。
俺はあまり泣かないほうだが、この時ばかりは泣いた。
15年ほど前にオヤジが死んだときも泣いたが、それ以上に泣いた。
それを機に、急遽帰国して今に至るわけだが。
帰国する前に、他国へ留学した画学生の国に遊びに行った。
相変わらず飄々としていたが、起こったことをすべて話すと
「黙っていたことがある」といって語り始めた。
なんでも彼女が、俺の家に初めて来て以来、ずっと変な親子に付きまとわ
れていたと言うこと。
なんとなくは予想していたが、当時は、本当にそんなことがあるとは思いも
しなかった。思えば、付き合った半年、後にも先にも彼女はその一度しか家
に泊まっていなかった。
俺にそれを黙っていたのは彼女の思いやりらしく、その画学生の友人も
約束を守り続けていたらしい。
- 216 :本当にあった怖い名無し:2009/10/20(火) 15:53:25 ID:lJuaYHFz0
- そしてそれを聞かされあと、俺は留学を取りやめ帰国することを打ち明けた。
すると、「実はもう一つ黙っていたことがある」といい
「その親子の霊は、俺がさっさと祓ってやったんだよ」
そう続けた。「言ってなかったっけな?俺の実家寺なんだ」
そうも言った。いきなり言われたもんだから、信じれなかったが
「そしたら彼女にすごい感謝されちゃってさ」
「それ以来、お前に内緒でちょくちょく会ってたんだ」
「と言うか、ぶっちゃっけ付きあってた・・・でも」
そう言うと、いきなり怖い顔して俺にこう言った
「心までは救えなかったんだ」
帰国のための荷物を手っ取り早くまとめ、飛行機のチケットを手配し、
逃げるようにして日本に帰ってくるわけだが、
帰る前に、彼女との思い出の場所やらなんやらを一通り巡った。
その国での最後の夜に、ちょうど2時過ぎ頃、彼女が丸窓を覗いた頃、
エスカレーターがブーンと鳴り始めた。
俺は覗いた。しかもずっとそのエスカレーターが止まるまで見続けた。
そこには悲しげな眼でこちらを見つめる、彼女がいた。
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- 207 :本当にあった怖い名無し:2009/10/19(月) 21:03:50 ID:ii10Mbsg0
- 夜に自室の2Fで一人で本読んでたときのこと。
実家は立てた場所が悪いのか、ラップ現象が耐えんかった。
自分は単に家鳴りだと思ってたんだが、その日はポスターが鳴ったのでおかしいなぁと思っていた。
そのうち外で階段を上ってくる足音がして、兄貴が帰ってきたんだと思った。
けど、階段の足音がいつまで経っても止まない。
さすがに3分も経たないうちに不振に思ってドアを開けて外に顔をだした。
階段には困った顔をした見知らぬお姉さんが立っていた。
「あ、○○さん(兄貴)いますか?」
自分はとっさに、ああ兄貴の彼女かなと思って、「まだ帰ってないですよ」と告げた。
「そうなんですか」と途端にお姉さんはしょんぼりした顔になって階段を引き返していった。
また兄貴は変な人と付き合ってるなーと部屋に引き返したんだが、ふと気づいた。
兄貴、出張中で帰ってくるの二週間先なんだよ。
彼女だったらそれくらい知ってるはずじゃないか?
どうして自分はそれまで兄貴が出張なのを忘れてたんだ?
「帰ってくるまで、待たせてもらってもいいですか?」
背後から声がして、気づいたら朝だった。
目が覚めてから、あれは夢だったのかなーと思ったら、携帯に兄貴から連絡があった。
出たら、幼馴染が亡くなったから、焼香だけでも換わりに行ってくれないかって連絡だった。
(今思うと変な話だって思うんだけど)仕方なく制服着て、頼まれた住所に行った。
- 208 :本当にあった怖い名無し:2009/10/19(月) 21:04:33 ID:ii10Mbsg0
- 普通、お通夜のある家って、近くになると看板とか立ってるはずなのに、それがなくておかしいなと思った。
住所の家まで来ても、受付も何もなくて、兄貴が住所を間違えたんだと思って携帯をだしたとこで、玄関から出てきたおばさんに声をかけられた。
「○○くん(兄貴)?」
「あ、○○の弟です」
と答えると、○○くんはもう学生じゃないものね、と笑っておばさんは家に招き入れてくれた。
聞くと亡くなった幼馴染の家には違いないんだが、亡くなってもう5年経ってて、葬式には兄貴も参列したという。
仏壇に手を合わさせてもらったけど、写真は見たことない男の人だった。
どういうことなのかと思って、おばさんと少し話をしていたら、母親から電話が入った。
兄貴が出張先で事故に巻き込まれたという連絡だった。
おばさんに挨拶そこそこに飛び出して、母親との待ち合わせ場所の駅で落ち合って
そのまま兄貴の出張先に向かった。
思ったより早くついたけど、兄貴は乗用車の中に閉じ込められてて救出が遅れたらしく、生死の境を彷徨ってた。
医者にも覚悟してくださいって言われた。
母親を支えながら廊下のベンチに座ってる間、なんか変な足音に気づいた。
まだ明るいうちだったから、病院の待合なんて人いっぱいるから、足音なんて普通なんだけど、何故だかその足音だけ変なんだよ。
そのうち聞きなれた音だからって気づいた。実家の階段を上る音だって。
目の前に、家でみたお姉さんがいた。
「まだかなまだかなまだかな」
と繰り返し呟くお姉さんをみて、こいつが原因だととっさに思った。
自分はそいつを睨み付けて「どっかいけ!」と心で呟いた。
そしたら声がやんで女の目だけがぐるん、て動いてこっちをみた。
顔がぜんぜんうごいてないのに、眼球だけ、ぐるん、て。
さすがにここで、とんでもない相手をしていると気づいて背筋が凍った。
- 209 :本当にあった怖い名無し:2009/10/19(月) 21:05:18 ID:ii10Mbsg0
- どうしたらいいのかわからず、しばらく女とにらみ合ってた。
そしたらまた、とんとんとん、て別の足音がしてそっちに視線を向けたら、次に女に視線を戻したときには女の姿はなかった。
どうしたんだろうと思ったら、今度は目の前に兄貴と同じ年くらいの男の人が立ってた。
「あいつに、苦労かけるな馬鹿野郎っていっといて」
というと、コブシでとんとんと二回、自分の頭をこついて笑った。
亡くなった、兄貴の同級生の顔だった。
一体何が起こっているかわからず、しばらく呆然とその人の顔を眺めてた。
そしたらまた、破っ!、て別の足音がしてそっちに視線を向けたら、次にその人に視線を戻したときには彼の姿はなかった。
どうしたんだろうと思ったら、今度は目の前に寺生まれで霊感の強いTさんが立ってた。
「大丈夫だったか?今のはかなり強い情念を持った霊のようだったぞ。
だけどまぁ安心しろ。二度と出れないように、俺がきっちり瞑府送りしておいた」
そう言うと、Tさんはこちらの言葉は何も聞かず足早に去っていった。
兄貴は無事目を覚ました。
あとで聞いたら、兄貴は自分に電話をしていなかった。
着信履歴みたら、確か兄貴から電話があった記録がなくなっていた。
自分が体験した不思議なことを話たら、兄貴は泣いた。
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- 173 :本当にあった怖い名無し:2009/10/01(木) 21:42:44 ID:d6lRmmGb0
- この間、池袋でボーリングしてたら、ピンが立ってる後ろ(玉が飲み込まれていく方)から、黒い影がずるーっ!!て這い出してきた。
順番待ちしてた僕は驚いて固まってたんだけど、周り見たら他の人は気付かない様子。
しかもずっと見てたら一人、また一人と影が這い出してき続けて、結局6人ぐらい出て来た。
こっちに来たりすることはなく、6人並んだ後に、床に溶ける様に消えて行こうとした。
「破ぁーーーーー!!」
気合の入った掛け声とともに隣のレーンの客が豪快にボールを投げた。
振り返ってみると、それはまさしくリストギアを手に嵌め、マイシューズ・マイウェアに身を包みマイボールを投げたばかりの、
寺生まれで霊感の強いTさんがキメポーズで微動だにしない姿だった。
投げられた16ポンドのボールは青白い光を纏って光弾と化し、ピンをなぎ倒してなお威力を弱めないまま
黒い影の潜んだ辺りに激突した。
眩い閃光が辺りを包み、それがおさまると先程の黒い影達は解けるようにゆっくりと白い光に包まれていった。
モニタにはチカチカと「Turkey!」の表示。
片手で煙草に火をつけ、紫煙を吐き出すとTさんは俺に向かって微笑んで言った。
「奴らは人の賑わう場所に惹かれてやって来ただけだ。寂しかっただけなのさ。
だから早く次の生を受けられるように、ちょっとだけ手伝ってやったって訳だ」
少しはにかみなが煙草をふかすTさんを見て、寺生まれって凄い、あらたm
店員「ちょっとお客さん!ココ禁煙ですよ!!」
- 169 :稲川淳二 つける足音:2009/09/29(火) 20:12:09 ID:Lz44Xa/d0
- この、お坊さんの妹さんって人もいろんな体験してるんですよね。
自分のそのお寺ってのは、かなり、こう木がいっぱいあって、夜は薄気味悪いくらいに鬱蒼としていて、外からの音も聞こえなくなっちゃうんですよ。
ところが、やっぱお寺のお嬢さんですから、色々と式典だ何だ祭事があったりすると、そう言う準備をしなきゃなんなくて、結構忙しいんだそうです。
で、遅くになっちゃって、自分の家に帰ろうと思って、道を歩いてきたんですよ。カッコカッコカッコ歩いてきた。
そん時に、お? なんかついてくるような気がしたってんですよ。ひたひたひたひた。
や、でも気にすることないと思って、またカッコカッコカッコ歩いてきた。確かにひたひたする。うっすらと声がするってんですよ。子供のような声が。
えぇー、子供の声がこんな時間にどうしてなんだろうな? ま、聞こえてもおかしい事はないけどなーって思って。
そうしたらこれが、赤んぼの笑うような泣くようなあの声があるじゃないですか、うゃやや、ややや。あの声だってんですよ。
やだ、これ。だって、家から聞こえてない。今自分が歩いてきたこの道の後ろから聞こえてくるってんですよ。それも自分が立ち止まったら、確実に近づいてくるって言うんですよ。
道ですよ? お寺さんの。
うゃやや、ややや、やややって。やだやだやだって、思ったら、うゃやや、ややや、やややって。
それで、後、たったったって歩いたんだけど動けない、なんか気持ち悪い。
うゃやや、ややや、やややって。
うそだー、どうしてこんな所にいるんだーと思ったら、うゃやや、ややや、やややって言うから、ひょいっと後向いたらばもごもごもごもご黒い物がだんだん自分に近づいてくるんです。
もごもごもごもごもごってだんだん近づいてくる。
何だー! と思った。
Tさんがはいはいしてたんだそうですよ。うゃやや、ややや、やや。赤んぼの泣き真似しながら自分の方に向かって。
あまりの事態に凍り付いて動けない、あーやだーこんな兄貴やだーと思ったら、自分の首のとこめがけて、ぴょーんと飛びついてきたそうです。
次の瞬間、彼女、Tさんの顔面にカウンターパンチ入れて、そのまま地面に叩きつけたって言ってました。
「稲川さん、いい歳してあんな悪ふざけができるアレって何なんでしょうね?」って、彼女、涙ぐんでましたよ。えぇ…