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- 130 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 19:56:49.01 ID:DO36z9YC0
- 3ヶ月前のあの日から、姉の様子が変わってしまった。
クラスのなかでも人気者で委員長までつとめていたのに、突然
授業中にクラスを飛び出して、学校の裏にある山に行ったまま、行方不明。
1週間後に山中で見つかったんだけど、その間の事はおろか、自分の名前すら
一言もしゃべることが出来なくなっていた。
両親もいろんな医者に連れて行くが、どの医者も首を振るばかり、とうとう、
近所でも有名な陰陽師のNさんに診て貰うことにしたようだ。
- 131 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 19:57:42.96 ID:DO36z9YC0
- そんなある日、両親が親戚の法事で泊まりで出かけることになり、1晩姉と2人きり
で過ごすことなった。
僕は、明日の試験に備えて少し遅くまで勉強をしていたが、さっきから台所で
ガタガタと変な音がする。気になったので、台所に行ってみると、姉が冷蔵庫から
何やら取り出して食べている。
「お姉ちゃん何しているの?」僕が姉に問いかけると、姉はゆっくりと首だけを
あり得ない角度で曲げて、口の中の生肉をくちゃくちゃと食べながら、僕の方を
見ながら気味の悪い声で言った。
「憎い、おまえが憎い、父母は、いつもおまえばかりを可愛がり、私はいつも我慢ばかり」
すると、窓の外側にあのNさんがいつのまにか立っており、嬉しそうな声で「ほ~、だいぶ
育ったようだな」と独り言を言うと、手も触れていないのに、窓のカギが独りでに開き、
Nさんが部屋の中に入ってきた。
- 132 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 19:59:18.09 ID:DO36z9YC0
- Nさんは、懐から何かを掴むと姉の喉元に持って行き何やら短く口の中で唱えた。
「ム、ムカデ」Nさんが取り出したムカデは、姉の喉に食らいつくと音もなく血を吸い始め、
見る間に大きくなっていった。
「妬み、恨みのたっぷり詰まった血ぞ、腹がくちくなるまで食らうが良い。」
Nさんは、そいううとカラカラと笑った。
あ~もうだめだと思った次の瞬間、「そこまでだ!」の声と共に、寺生まれで霊感の強
いTさんが部屋に飛び込んできた。
「Tよ、また邪魔立てにきたか、ま~良い、お前も寺生まれなら蠱毒は、知っておろう、
このムカデはな、その蠱毒を三度繰り返し生き残った、化け物よ。」
Nさんがまた、短く口の中で唱えると、ムカデの腹が膨らみ何百匹ものムカデの子供が生まれ、すごい早さでTさんに右腕に駆け上ると、一斉に噛みついた。
「うごっー」Tさんは、うめき声が部屋にこだまし、見る間に右腕が黒色に変色した。
「Tよ、普通の人間ならあまりの痛みに失神しているところ、なまじ体を鍛えていることから、
失神もできまい。右腕の次は、左腕、次は、目、鼻、耳、最後は心臓ぞ、苦しみながら死ぬが
良い。」
もう、何もかもおしまいだと思ったその時、涼やかな鈴の音とともに、綺麗な謡が遠くから聞
こえてきた。
- 133 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 20:00:55.79 ID:DO36z9YC0
- 「春爛漫の桜花、しかれども我が心は、晴れることなき...」窓の外に現れたのは、
神社生まれで巫女さんのJちゃんだった。
「兄様にこれ以上罪は犯させない!」そいうとJちゃんは、懐から4本の釘を取り出し、
Tさんと姉の回りを取り囲むように突き刺すと、「界」と短く唱え舞のように体を1回転させた。
すると、釘と釘の間から朱色の光が現れ、Tさんと姉さんを取り囲んだ。
「T様の回りに結界を張りました、これでも兄の呪術も手出しができません、今、お助け申します。」
Jちゃんが、腕を前に突き出し「離」と唱えるとTさん腕から、ばらばらとムカデの子供が離れた。
次に「集」と唱えながら、手を交差させると、そのムカデが一箇所に集まった。
「Jちゃん、助かったぜ」Tさんの「破っ」の声とともに左手から発射された光弾がムカデに当たると、黒い霧と共に、ムカデの子供は消滅した。
「ほ~、我が妹Jよ、言霊が操れるようになったか、成長したものよ。この世に人の心の闇があるかぎりまた、会うことになろうぞ」Nさんは、そう言うと黒い霧と共に消えていった。
「お二人とも、今、治してさし上げます。」JちゃんがTさんと姉の額に手を当てて、「治」と
唱えると、淡桃色の光が2人を包むと見る間に傷が治っていった。
- 134 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 20:02:27.54 ID:DO36z9YC0
- 「T様、今日は、少し力を使いすぎたようです。」、Jちゃんは力なくそう言うと、ぐらりとその場に崩れ落ちた。
Tさんは、たくましい腕でJちゃんを抱き留めると、「心配するな、Nは必ず俺が基のNに俺が戻してみせるぜ」そう言うと、Jちゃんを抱えたまま、夜の闇へと消えていった。
寺生まれれも神社生まれもすごいけど、この3人にいったい何があったのだろうと部外者ながら余計な心配をしてしまった。
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- 131 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 19:57:42.96 ID:DO36z9YC0
- そんなある日、両親が親戚の法事で泊まりで出かけることになり、1晩姉と2人きり
で過ごすことなった。
僕は、明日の試験に備えて少し遅くまで勉強をしていたが、さっきから台所で
ガタガタと変な音がする。気になったので、台所に行ってみると、姉が冷蔵庫から
何やら取り出して食べている。
「お姉ちゃん何しているの?」僕が姉に問いかけると、姉はゆっくりと首だけを
あり得ない角度で曲げて、口の中の生肉をくちゃくちゃと食べながら、僕の方を
見ながら気味の悪い声で言った。
「憎い、おまえが憎い、父母は、いつもおまえばかりを可愛がり、私はいつも我慢ばかり」
すると、窓の外側にあのNさんがいつのまにか立っており、嬉しそうな声で「ほ~、だいぶ
育ったようだな」と独り言を言うと、手も触れていないのに、窓のカギが独りでに開き、
Nさんが部屋の中に入ってきた。
- 132 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 19:59:18.09 ID:DO36z9YC0
- Nさんは、懐から何かを掴むと姉の喉元に持って行き何やら短く口の中で唱えた。
「ム、ムカデ」Nさんが取り出したムカデは、姉の喉に食らいつくと音もなく血を吸い始め、
見る間に大きくなっていった。
「妬み、恨みのたっぷり詰まった血ぞ、腹がくちくなるまで食らうが良い。」
Nさんは、そいううとカラカラと笑った。
あ~もうだめだと思った次の瞬間、「そこまでだ!」の声と共に、寺生まれで霊感の強
いTさんが部屋に飛び込んできた。
「Tよ、また邪魔立てにきたか、ま~良い、お前も寺生まれなら蠱毒は、知っておろう、
このムカデはな、その蠱毒を三度繰り返し生き残った、化け物よ。」
Nさんがまた、短く口の中で唱えると、ムカデの腹が膨らみ何百匹ものムカデの子供が生まれ、すごい早さでTさんに右腕に駆け上ると、一斉に噛みついた。
「うごっー」Tさんは、うめき声が部屋にこだまし、見る間に右腕が黒色に変色した。
「Tよ、普通の人間ならあまりの痛みに失神しているところ、なまじ体を鍛えていることから、
失神もできまい。右腕の次は、左腕、次は、目、鼻、耳、最後は心臓ぞ、苦しみながら死ぬが
良い。」
もう、何もかもおしまいだと思ったその時、涼やかな鈴の音とともに、綺麗な謡が遠くから聞
こえてきた。
- 133 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 20:00:55.79 ID:DO36z9YC0
- 「春爛漫の桜花、しかれども我が心は、晴れることなき...」窓の外に現れたのは、
神社生まれで巫女さんのJちゃんだった。
「兄様にこれ以上罪は犯させない!」そいうとJちゃんは、懐から4本の釘を取り出し、
Tさんと姉の回りを取り囲むように突き刺すと、「界」と短く唱え舞のように体を1回転させた。
すると、釘と釘の間から朱色の光が現れ、Tさんと姉さんを取り囲んだ。
「T様の回りに結界を張りました、これでも兄の呪術も手出しができません、今、お助け申します。」
Jちゃんが、腕を前に突き出し「離」と唱えるとTさん腕から、ばらばらとムカデの子供が離れた。
次に「集」と唱えながら、手を交差させると、そのムカデが一箇所に集まった。
「Jちゃん、助かったぜ」Tさんの「破っ」の声とともに左手から発射された光弾がムカデに当たると、黒い霧と共に、ムカデの子供は消滅した。
「ほ~、我が妹Jよ、言霊が操れるようになったか、成長したものよ。この世に人の心の闇があるかぎりまた、会うことになろうぞ」Nさんは、そう言うと黒い霧と共に消えていった。
「お二人とも、今、治してさし上げます。」JちゃんがTさんと姉の額に手を当てて、「治」と
唱えると、淡桃色の光が2人を包むと見る間に傷が治っていった。
- 134 :本当にあった怖い名無し:2011/04/04(月) 20:02:27.54 ID:DO36z9YC0
- 「T様、今日は、少し力を使いすぎたようです。」、Jちゃんは力なくそう言うと、ぐらりとその場に崩れ落ちた。
Tさんは、たくましい腕でJちゃんを抱き留めると、「心配するな、Nは必ず俺が基のNに俺が戻してみせるぜ」そう言うと、Jちゃんを抱えたまま、夜の闇へと消えていった。
寺生まれれも神社生まれもすごいけど、この3人にいったい何があったのだろうと部外者ながら余計な心配をしてしまった。
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