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- 252 :本当にあった怖い名無し:2009/11/04(水) 21:52:07 ID:1YAF62tU0
- 深夜二時ごろ、家に帰る途中で腹が痛くなって、ある公園のトイレで大便をしたんだ。
その公園は昔ホームレスが自殺したって話で、普段は深夜に絶対近づかないんだけど、その日は背に腹は代えられず仕方なく入った。
薄暗くて不気味で、汚れた壁は落書きだらけ、そんな男子トイレで、なんか寒気がするなーとビビりながら無心で用を足したんだ。
出した後で紙がない事に気付いた。
仕方なく、女子トイレからトイレットペーパーを拝借する事にして、一旦ズボンを上げて外に出た。
女子トイレって外からは見えないように作られているから、入口から中は全く見えないんだよね。
中に人がいたら変態になっちゃうから、入口にむけて
「すいませ~ん、すいませ~ん」
って何度か呼びかけて、返事がないのを確認した後、おそるおそる女子トイレを覗きこんだんだ。
すぐに違和感を感じた。
人の呼吸というか、気配があるんだよね、それにじっと見られてる感じがする。
視線を辿ると、奥に個室が2つ見えた。
右は空いてるんだけど、左は閉まってる。だけど、鍵はかかってないんだ。lockのマークになってないのね。
あれ? って首を傾げた。
明らかに人が入ってるよな、て。
中でドアが開かないように押さえているんだ、と。
だけどなんで? 返事をしないのはおかしい。
それに、物音一つたてずに静まりかえってるのがやけに不気味で、中に入るのを躊躇したんだよね。
- 253 :本当にあった怖い名無し:2009/11/04(水) 21:52:48 ID:1YAF62tU0
- ちょっと考えて、もしかして、中にいた女の人は用を足す途中で、返事するのが恥ずかしかったのかもって思った。
今も音とか聞かれたくなくて、じっとしてるのかもってね。
だから、トイレの傍にあるベンチで座って少し待つ事にしたんだ。
だけど5分くらい待っても誰もでてこない。お尻のうんこも時間が経って気持ち悪い。
決心してまた女子トイレに声をかけたんだ
「すいませ~ん、紙借りても良いですか?」
返事は無かった。おそるおそる再び中を覗いて、びっくりした。
今度は、右のドアが開いて、左のドアが閉まってる。
中の人が移動してるんだよね。そして、開いてる個室には、見えるようにトイレットペーパーが8束くらいつまれてるんだ。
それを見て血がひいて、ゾクッとした。
あっ、中に入れたいんだ、誘い込もうとしてるんだって。
おそらく男子トイレの分のトイレペーパーも全部そこに集めて、取りにくるのを待ち構えてるんだ。って。
それに気付いた恐怖で、つい呆然と立ち尽くしてた。
そしてたら、閉まってる個室の中から、低い、じじいみたいな声が聞こえたんだ。
「紙、あるよ」
って。
- 254 :本当にあった怖い名無し:2009/11/04(水) 21:54:31 ID:1YAF62tU0
- そしてゆっくりと、閉まってたドアがギィィィィっと開きはじめた。
隙間からは、吊り上がった恐ろしい目がこちらを覗いていた。
直ちに身を翻して、全速力で、逃げ出さなくてはならない。
そんな事分かってる。しかし、腰を抜かしてしまったのか、足が竦んでしまったのか
誰かに掴まれいるみたいに体の自由がきかない。
俺は、既に誘い込まれていたんだ。
少しずつ、少しずつ。何かに引きずられるように、俺の体は開かれたドアに近づいていく。
その分、体は軋み意識は遠のいていく。もういい、もういい。もう早く楽にしてくれ!
そう念じたその時だった。
「おい!」
聞き慣れた声が頭にこだました。懐かしくて力強いバリトンだ。
助けが来たのか?でも一体どこから・・・?
「おいってば!いつまで寝てんだよ!軽めの破ぁっ!!」
目を開くと俺は電特急電車の座席にいて、隣に座った寺生まれのTさんが
面倒くさそうな顔でこちらを見ていた。
全部夢だったのか。長時間の電車移動に疲れて眠ってしまっていたようだ。
なにやら頬の辺りがじんじんと痛むが、とりあえずTさんに何事か聞いてみる。
「もうすぐ静岡だぞ、そっちの窓から富士山見えるんじゃないか」
なんとTさんは、俺が富士山を見逃さないようにと起こしてくれたのだ。
それも、手から気の弾まで打ち出して。
結局、急な大雨で俺達は富士山を見れなかったけど、寺生まれってやっぱりすごい。
鯛飯をパクつきながら、なんとなくそう思った。
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- 253 :本当にあった怖い名無し:2009/11/04(水) 21:52:48 ID:1YAF62tU0
- ちょっと考えて、もしかして、中にいた女の人は用を足す途中で、返事するのが恥ずかしかったのかもって思った。
今も音とか聞かれたくなくて、じっとしてるのかもってね。
だから、トイレの傍にあるベンチで座って少し待つ事にしたんだ。
だけど5分くらい待っても誰もでてこない。お尻のうんこも時間が経って気持ち悪い。
決心してまた女子トイレに声をかけたんだ
「すいませ~ん、紙借りても良いですか?」
返事は無かった。おそるおそる再び中を覗いて、びっくりした。
今度は、右のドアが開いて、左のドアが閉まってる。
中の人が移動してるんだよね。そして、開いてる個室には、見えるようにトイレットペーパーが8束くらいつまれてるんだ。
それを見て血がひいて、ゾクッとした。
あっ、中に入れたいんだ、誘い込もうとしてるんだって。
おそらく男子トイレの分のトイレペーパーも全部そこに集めて、取りにくるのを待ち構えてるんだ。って。
それに気付いた恐怖で、つい呆然と立ち尽くしてた。
そしてたら、閉まってる個室の中から、低い、じじいみたいな声が聞こえたんだ。
「紙、あるよ」
って。
- 254 :本当にあった怖い名無し:2009/11/04(水) 21:54:31 ID:1YAF62tU0
- そしてゆっくりと、閉まってたドアがギィィィィっと開きはじめた。
隙間からは、吊り上がった恐ろしい目がこちらを覗いていた。
直ちに身を翻して、全速力で、逃げ出さなくてはならない。
そんな事分かってる。しかし、腰を抜かしてしまったのか、足が竦んでしまったのか
誰かに掴まれいるみたいに体の自由がきかない。
俺は、既に誘い込まれていたんだ。
少しずつ、少しずつ。何かに引きずられるように、俺の体は開かれたドアに近づいていく。
その分、体は軋み意識は遠のいていく。もういい、もういい。もう早く楽にしてくれ!
そう念じたその時だった。
「おい!」
聞き慣れた声が頭にこだました。懐かしくて力強いバリトンだ。
助けが来たのか?でも一体どこから・・・?
「おいってば!いつまで寝てんだよ!軽めの破ぁっ!!」
目を開くと俺は電特急電車の座席にいて、隣に座った寺生まれのTさんが
面倒くさそうな顔でこちらを見ていた。
全部夢だったのか。長時間の電車移動に疲れて眠ってしまっていたようだ。
なにやら頬の辺りがじんじんと痛むが、とりあえずTさんに何事か聞いてみる。
「もうすぐ静岡だぞ、そっちの窓から富士山見えるんじゃないか」
なんとTさんは、俺が富士山を見逃さないようにと起こしてくれたのだ。
それも、手から気の弾まで打ち出して。
結局、急な大雨で俺達は富士山を見れなかったけど、寺生まれってやっぱりすごい。
鯛飯をパクつきながら、なんとなくそう思った。
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