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無題
NONAME 「破ぁ!」
聞き覚えのある掛け声がし、辺りが青白い閃光に包まれた。
…そんな馬鹿な、彼は死んだはずじゃ…
「よう、久しぶりだな。遅くなっちまったぜ」
寺生まれで霊感の強いTさんだった。私はTさんに近寄り、Tさんに触れた。透けない、触れる…
「おいおい、俺が死んだと思ってんのか?勝手に人を殺すなよ」
私は涙を流しながらTさんを思い切り殴った。
「馬鹿!!心配…したんだから…」
私が言うと倒れていたTさんは起き上がり、私に向かって言った。
「いてて…悪かったな…心配かけて…」
私の涙を拭うTさんを見て、寺生まれってすごい…改めてそう思った。
NONAME 「破ぁ!」
聞き覚えのある掛け声がし、辺りが青白い閃光に包まれた。
…そんな馬鹿な、彼は死んだはずじゃ…
「よう、久しぶりだな。遅くなっちまったぜ」
寺生まれで霊感の強いTさんだった。私はTさんに近寄り、Tさんに触れた。透けない、触れる…
「おいおい、俺が死んだと思ってんのか?勝手に人を殺すなよ」
私は涙を流しながらTさんを思い切り殴った。
「馬鹿!!心配…したんだから…」
私が言うと倒れていたTさんは起き上がり、私に向かって言った。
「いてて…悪かったな…心配かけて…」
私の涙を拭うTさんを見て、寺生まれってすごい…改めてそう思った。
- 281 :本当にあった怖い名無し:2009/11/21(土) 19:45:27 ID:wnBXoHdP0
- 私が高校生だった頃、隣のクラスに寺生まれで霊感の強い人(通称Tさん)がいて、私は恋心を抱いていた。
一年ほど片想いをしていたが、体育祭の日、Tさんが私に告白をしてきて付き合うことになった。
Tさんは高校でもかなりモテていたが、私みたいな冴えない女と付き合うなんてどうかしてる!と、クラスの人が噂するのをよく耳にした。
私も何度か
『私なんかのどこがいいの?』
と尋ねた。
Tさんは毎回ハニカミながら
『笑顔が好きになった。周りが何を言おうが、俺が好きなんだからいいだろ!』
と言ってくれた。
すごく真っすぐな人だった。
私は昔から自分自身にコンプレックスを持っていた。
『私は不細工で頭も悪い』
それが自分の口癖だった。
Tさんはそんな私に
「でも俺はそんなお前が好きなんだ。自分で悪く言うのはやめろよ。」
と。
私にはとても出来過ぎた人だった。
高校を卒業し、私は電機メーカーに就職、Tさんは大学へ進学した。
Tさんは大学の授業が終わるとしょっちゅう会社の前で私の事を待ってくれていた。
19才のとき、妊娠した。Tさんは周囲の反対(Tさんが大学生だった為)を無視して結婚した。
Tさんは当然、大学を中退。私とTさんの間には元気な女の子が産まれた。
生活費を稼ぐために、Tさんは半年後には実家の寺を継いで家計を助けてくれた。
お金は無かったけど毎日幸せだった。
娘が二歳になって間もなく、Tさんは事故で他界した。邪神と戦った末に相打ちになったそうだ。
私は葬式でも涙が出なかった。Tさんの死を信じられなかった。
- 282 :本当にあった怖い名無し:2009/11/21(土) 19:48:21 ID:wnBXoHdP0
- それから三年経った。
私は今でもTさんの事を引きずっている。
私なんかと出会わなければTさんは…
私はTさんのお陰で幸せだったけど、Tさんは私のせいで幸せを掴みそこなったんじゃないのか…とか、
生活するために戦いに明け暮れ、Tさんは、Tさんの忘れ形見の娘との会話もあまり無かった。
そのせいか、娘はいつも一人で絵を描いている。
昨日、仕事から帰ると、また娘が何か描いていた。
「それなに?」
愛想なく聞くと娘は
「おとうさん」
と答え、絵を書き続けた。
一瞬、ドキッとした。
「え?おとうさん?…お父さん何してるの?」
と聞き直すと
「今日はオトーサンと神社の境内で遊んだの。」
娘が言った。
私は、娘に聞いた
「どこのお父さん?お友達の?」
娘ははっきりと
「違うよ、灯美(娘)のお父さんだよ。昨日も遊んだの」
と。
娘は続けてこう言った
「美優おとーさん大好き、おとーさんもねぇ、美優とママが大好きなんだよ。」
私は娘を抱き上げ、すぐに神社の境内に走った。
- 283 :本当にあった怖い名無し:2009/11/21(土) 19:49:49 ID:wnBXoHdP0
- 境内に着くと、もちろん、そこにTさんはいなかった。
娘は
「おとーさんはこの神社が大好きなんだって。いつも美優より先に着てるよ。」
その言葉を聞き私は思い出した。この神社は高校時代、よくTさんと立ち寄り、始めてキスしたのもこの公園。
私は、娘の前で号泣した。むせる様に泣いた。
娘はポカーンとしていた。
私は娘を抱きしめ、謝った。
「ごめんね。」と。
Tさんが死んだ事を受け入れられず、多感な年頃の娘の相手もせず、毎日クヨクヨ生きていた自分自身が恥ずかしかった。
Tさんは死んでも、娘の遊び相手になって。
私は死んだTさんにも苦労をかけていた。
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- 282 :本当にあった怖い名無し:2009/11/21(土) 19:48:21 ID:wnBXoHdP0
- それから三年経った。
私は今でもTさんの事を引きずっている。
私なんかと出会わなければTさんは…
私はTさんのお陰で幸せだったけど、Tさんは私のせいで幸せを掴みそこなったんじゃないのか…とか、
生活するために戦いに明け暮れ、Tさんは、Tさんの忘れ形見の娘との会話もあまり無かった。
そのせいか、娘はいつも一人で絵を描いている。
昨日、仕事から帰ると、また娘が何か描いていた。
「それなに?」
愛想なく聞くと娘は
「おとうさん」
と答え、絵を書き続けた。
一瞬、ドキッとした。
「え?おとうさん?…お父さん何してるの?」
と聞き直すと
「今日はオトーサンと神社の境内で遊んだの。」
娘が言った。
私は、娘に聞いた
「どこのお父さん?お友達の?」
娘ははっきりと
「違うよ、灯美(娘)のお父さんだよ。昨日も遊んだの」
と。
娘は続けてこう言った
「美優おとーさん大好き、おとーさんもねぇ、美優とママが大好きなんだよ。」
私は娘を抱き上げ、すぐに神社の境内に走った。
- 283 :本当にあった怖い名無し:2009/11/21(土) 19:49:49 ID:wnBXoHdP0
- 境内に着くと、もちろん、そこにTさんはいなかった。
娘は
「おとーさんはこの神社が大好きなんだって。いつも美優より先に着てるよ。」
その言葉を聞き私は思い出した。この神社は高校時代、よくTさんと立ち寄り、始めてキスしたのもこの公園。
私は、娘の前で号泣した。むせる様に泣いた。
娘はポカーンとしていた。
私は娘を抱きしめ、謝った。
「ごめんね。」と。
Tさんが死んだ事を受け入れられず、多感な年頃の娘の相手もせず、毎日クヨクヨ生きていた自分自身が恥ずかしかった。
Tさんは死んでも、娘の遊び相手になって。
私は死んだTさんにも苦労をかけていた。
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NONAME 「破ぁ!」
聞き覚えのある掛け声がし、辺りが青白い閃光に包まれた。
…そんな馬鹿な、彼は死んだはずじゃ…
「よう、久しぶりだな。遅くなっちまったぜ」
寺生まれで霊感の強いTさんだった。私はTさんに近寄り、Tさんに触れた。透けない、触れる…
「おいおい、俺が死んだと思ってんのか?勝手に人を殺すなよ」
私は涙を流しながらTさんを思い切り殴った。
「馬鹿!!心配…したんだから…」
私が言うと倒れていたTさんは起き上がり、私に向かって言った。
「いてて…悪かったな…心配かけて…」
私の涙を拭うTさんを見て、寺生まれってすごい…改めてそう思った。
NONAME 「破ぁ!」
聞き覚えのある掛け声がし、辺りが青白い閃光に包まれた。
…そんな馬鹿な、彼は死んだはずじゃ…
「よう、久しぶりだな。遅くなっちまったぜ」
寺生まれで霊感の強いTさんだった。私はTさんに近寄り、Tさんに触れた。透けない、触れる…
「おいおい、俺が死んだと思ってんのか?勝手に人を殺すなよ」
私は涙を流しながらTさんを思い切り殴った。
「馬鹿!!心配…したんだから…」
私が言うと倒れていたTさんは起き上がり、私に向かって言った。
「いてて…悪かったな…心配かけて…」
私の涙を拭うTさんを見て、寺生まれってすごい…改めてそう思った。
この記事へのコメント
「破ぁ!」
聞き覚えのある掛け声がし、辺りが青白い閃光に包まれた。
…そんな馬鹿な、彼は死んだはずじゃ…
「よう、久しぶりだな。遅くなっちまったぜ」
寺生まれで霊感の強いTさんだった。私はTさんに近寄り、Tさんに触れた。透けない、触れる…
「おいおい、俺が死んだと思ってんのか?勝手に人を殺すなよ」
私は涙を流しながらTさんを思い切り殴った。
「馬鹿!!心配…したんだから…」
私が言うと倒れていたTさんは起き上がり、私に向かって言った。
「いてて…悪かったな…心配かけて…」
私の涙を拭うTさんを見て、寺生まれってすごい…改めてそう思った。
聞き覚えのある掛け声がし、辺りが青白い閃光に包まれた。
…そんな馬鹿な、彼は死んだはずじゃ…
「よう、久しぶりだな。遅くなっちまったぜ」
寺生まれで霊感の強いTさんだった。私はTさんに近寄り、Tさんに触れた。透けない、触れる…
「おいおい、俺が死んだと思ってんのか?勝手に人を殺すなよ」
私は涙を流しながらTさんを思い切り殴った。
「馬鹿!!心配…したんだから…」
私が言うと倒れていたTさんは起き上がり、私に向かって言った。
「いてて…悪かったな…心配かけて…」
私の涙を拭うTさんを見て、寺生まれってすごい…改めてそう思った。
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