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>>101
これか?
何だ...あれは。
遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。
しかも周りには田んぼがあるだけ。
近くに人がいるわけでもない。
僕は一瞬奇妙に感じたが、ひとまずこう解釈した。
『あれ、新種の案山子(かかし)じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かったから、
農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』
兄は、僕のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた。
風がピタリと止んだのだ。
しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。
兄は『おい...まだ動いてるぞ...あれは一体何なんだ?』と驚いた口調で言い、
気になってしょうがなかったのか、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。
兄は、少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、
はりきって双眼鏡を覗いた。
すると、急に兄の顔に変化が生じた。
みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、
ついには持ってる双眼鏡を落とした。
僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、兄に聞いてみた。
『何だったの?』
兄はゆっくり答えた。
『わカらナいホうガいイ......』
すでに兄の声では無かった。
兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。
僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちてる双眼鏡を取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。
しかし気になる。
遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。
少し奇妙だが、それ以上の恐怖感は起こらない。
しかし、兄は...。
よし、見るしかない。
どんな物が兄に恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!
僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。
その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。
僕が『どうしたの?』と尋ねる前に、
すごい勢いで祖父が、
『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見た『破ァ!!』
刹那......爆発する祖父の顔面。
すると祖父は見る見るうちに変体していった。
「ぬぅおおおおおおおおお!!」
「こんな小さな兄弟を罠にはめるとはな......」
寺生まれで霊感の強いTさんだった!
「神が貴様を裁けぬのなら、義の鉄槌を下すのは俺をおいて他に......」
すると変体した祖父が宙に浮いていく。
「破ァ!!」
僕は、わけの分からないまま、家に戻された。
帰ると、みんな笑っている。
そこには死んだはずの祖父もいた。
「この土地には親しい人に化けて出て心を食っちまう小悪党がいるのさ」
どこか物悲しそうに語るTさん。
寺生まれはスゴイ、俺はまたもやそう思った。
よく見ると、兄だけくねくねと乱舞していた。
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僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちてる双眼鏡を取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。
しかし気になる。
遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。
少し奇妙だが、それ以上の恐怖感は起こらない。
しかし、兄は...。
よし、見るしかない。
どんな物が兄に恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!
僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。
その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。
僕が『どうしたの?』と尋ねる前に、
すごい勢いで祖父が、
『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見た『破ァ!!』
刹那......爆発する祖父の顔面。
すると祖父は見る見るうちに変体していった。
「ぬぅおおおおおおおおお!!」
「こんな小さな兄弟を罠にはめるとはな......」
寺生まれで霊感の強いTさんだった!
「神が貴様を裁けぬのなら、義の鉄槌を下すのは俺をおいて他に......」
すると変体した祖父が宙に浮いていく。
「破ァ!!」
僕は、わけの分からないまま、家に戻された。
帰ると、みんな笑っている。
そこには死んだはずの祖父もいた。
「この土地には親しい人に化けて出て心を食っちまう小悪党がいるのさ」
どこか物悲しそうに語るTさん。
寺生まれはスゴイ、俺はまたもやそう思った。
よく見ると、兄だけくねくねと乱舞していた。