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いい話と言うか、あきれた話。
この前、近所の商店街イベントでやっていたクジを引いた。
買い物をすると貰えるくじ引き券数枚集めて引くアレだ。
「3等のスポーツ自転車が欲しいな~」
なんて考えながら箱に手を入れてゴソゴソやってると、耳元で「それだっ!」って大声がした。
2年前に死んだ爺ちゃんの声だった。
声に驚いて、思わずクジを握ってしまった。
取り出してみると6等の日本酒セット。
有名な酒蔵の奴らしい
確かに生前は物凄い酒好きだったけど「死んでも酒なのか!」ってちょっと飽きれた。
とりあえず爺ちゃんの仏壇に半分供えて、残りは手間賃として俺が飲もうとしたんだが、
そのとき・・・ピンポーン♪
なんだよ、お客かよと思ったら、寺生まれで霊感の強いTさんだった。
「よう、ひさしぶり。なんかお前の爺さんに呼ばれたんでな」
と言うと、手を上げて
「破っ!!」
胸のあたりが青白く輝いたかと思ったら、見る見る酒瓶の形に・・・。
「半分は爺さんのものだからしょうがないな。じゃ、また!」
酒瓶をだいじそうにかかえたTさんをポカーンと見守るしかなかったが、
ドアがバタンと閉じられた音で我に返り、
「おいwwwちょwww」
ってな感じでドアを開けたんだが、もうTさんの姿はなかった。
寺生まれってすごいと思いつつ、その無駄な霊感なんとかしろ破戒僧め、とも強く思った。
爺ちゃん、どうしてあんなやつと知り合いになったんだよ・・・。
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