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- 562 :本当にあった怖い名無し:2010/09/05(日) 21:45:16 ID:OMY/kvVUO
- この間、残業で遅くなった日の帰りの話。
ど田舎の街灯もまばらな雑木林の道を抜ける時、俺の左肩から背中にかけてすっげー嫌な感じがした。
ズシッと何かがのし掛かってくるような重みと筋肉の硬直感。
この辺、何かろくでもないのがいると専ら噂されている場所だった。
俺の町内の何人後からの足音に振り向くと、この世ならぬものを目にしたらしい。
一歩一歩、光の届かない方へ足を踏み出す。影は俺ひとり分しかないのに、後ろから足音が重なり少しズレて聞こえ始めた。
胸を締め付けるよな息苦しさを感じた。心臓が早鐘のように鳴る。
俺は直感的にまずいと感じた。
こういうとき、昼飯を一緒に食べに行った友人のTみたいな奴が一緒にいれば心強かったんだが。
そういやTからヤバいと思った時に使えと渡されたものがあったことを思い出す。
慌てて鞄から取り出したそれは何かの粉が入った小瓶だった。
縋る思いで蓋を空け、粉をひとつまみ重みを感じる肩越しに後ろへ振りかける。粉は青い燐光を発し後ろの何かに当たった。
『ぐぎゅー』
後ろの方からくるぐもった悲鳴が上がった。
俺は一目散にその場から駆け出し、なんとか家にたどり着いた。
いつの間にか肩の重さも、胸の苦しさも解消されていた。
その時電話が鳴った。
「もしもし。Tだけど、今日飯食った時にお前に渡す御守りと俺用の塩を間違えて渡したみたいなんだが、お前の手元にあるか?」
俺は握りしめていた瓶を玄関の明かりの下、まじまじと眺めた。
『破ぁ か た の 塩!』
寺生まれって凄い。
俺は茹で卵にTの塩をかけつつ思った。
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