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ファミレスで隣のテーブルに親子が座ったんです。どこにでもいる家族連れと思ったんですが…
母「ほら!早く決めなさいッ!ったく、トロいんだから!」
デフォルトでキレてるんですよ。何をしても怒鳴りつけるんです。
妹「それじゃ、わたしカレーにするー」母「そ。わかった」
妹「わたし、カレー好きー」母「うるさいな!そんなこと聞いてないでしょ?!」
カレー好きって言っただけじゃん!何で怒鳴るんだよ?!
料理が届いてからもキレっぱなし。
妹「いただきまーす」母「黙って食べなさい」
妹「…(´・ω・`)ショボーン」ただカチャカチャと鳴り響く食事の音。
妹「あ、そだ、お母さん!聞いて聞いてっ!あのね!えとね!今日、学校でね…」
母「うるさい!食べてる時は騒がないの!周りの人に迷惑でしょ!」
ちっとも迷惑じゃないよ!むしろそのコの話、聞いてあげてよ!
妹は涙目。兄は一言も喋らずに、黙々と食べています。こんな食事、楽しいはずがない。
すると。母親のケイタイが鳴り始めました。
母「ちょっとお母さん、電話してくるから。サッサと食べちゃってね」
そう言い残して、ケイタイ片手に母は店から出ました。
電話するヒマがあったら我が子としゃべれよ!もうちょっと子どもとの接し方ってもんがあるだろゴルァ!
と、ちょうど目の前で少女と同じカレーを食っていた先輩のTさんに愚痴をこぼしていたんですが、
ふと見るとTさんは携帯を額に当てて、何やら恐い顔をしています。
そして突然、念仏をぶつぶつと唱えはじめました。Tさんは寺生まれなので、念仏を唱える事自体は
別におかしい事じゃないのですが、目をつぶり、携帯を額に当ててぶつぶつ呟く姿はとかく人目に付きまして
「ちょ、Tさん何やってんすか」と止めに入ろうとした時、隣のテーブルに母親が帰ってきたんです。
母親はまだ携帯を耳に当てたままで、どうも様子がおかしい。すると、前にいたTさんが
「子供に優しい母親になれ、子供に優しい母親になれ、子供に優しい母親になれ」
と突然三回繰り返したのです。すると、隣のテーブルの母親が
「ハイ コドモニヤサシイ ハハオヤニナリマス
ハイ コドモニヤサシイ ハハオヤニナリマス
ハイ コドモニヤサシイ ハハオヤニナリマス」
とTさんの言葉を反復し始めたのです。抑揚のない声で、目はどこか虚ろでした。
「Tさん、まさか……」
俺の言葉を手で制して、Tさんはなおも念話を続けます。
「子供の話を聞いてやれ、子供の話を聞いてやれ、子供の話を聞いてやれ」
「ハイ コドモノ ハナシヲ キキマス
ハイ コドモノ ハナシヲ キキマス
ハイ コドモノ ハナシヲ キキマス」
俺は一体、この後どんな展開が待っているのか不安と期待の入り交じった気持ちでただ傍観する他ありませんでした。
子供たちも母親の様子が変なのを察したのでしょう。
妹「お母さん、どうしたの?」
母「ドウモシナイワ ダイジョウブ ソレヨリガッコウデナニガアッタノ」
親子の間に会話が戻ってきました。話を聞いて貰った妹はとても嬉しそうで、
母親はまだ少し変な感じですが、まあ、きっとこれでこの家族も上手く行くことでしょう。
そのとき。一言も喋らなかった兄がボソッと言ったのです。
338 :3/3:2009/05/11(月) 12:36:51 ID:nDz0Z6Pp0
兄「…よくも邪魔をしてくれたな」妹「え?」
兄「この妹の魂を食らう絶好の機会だったというのに」妹「お、お兄ちゃん?」
兄「おのれ、こうなれば力尽くでも」妹「きゃああ、お兄ちゃん!」
兄の肉体が服ごと千切れ、中から黒い獣のような何かが現れたのです。
黒い獣はそのまま妹に掴みかかり、一飲みにしようと飛びかかりました。
その時、Tさんが席を飛び立ち、襲われた妹を抱いて床へ転がり込んだのです。
「おのれ、どこまでも我の邪魔をする気が、小童めがぁ!」
化け物が手から炎の弾をいくつも生みだして、Tさん目がけて投げつけます。
「そんなものが効くかあッ!」Tさんはその炎の弾をまるで蚊か蠅でも払うかの如く、叩き払いました。
「なんだと……我の炎を……そんな馬鹿な、馬鹿な!」
「これで終わりだ、消え去れ、悪霊めッ! 破ァーーーーッ!!」
突き出したTさんの両手から青い光が溢れ出し、やがてそれが一つの光弾となって放たれました。
「ググ、グワァー!!」
辺りがしばらく目映い光に包れた後、化け物は灰だけを残して消え去っていました。
「ま……まだだ……まだ終わらぬぞ……必ずや我は復活し……再び貴様の前に現れよう。決着はまたその時だ……ふはは、ふはははは……」
どこからか聞こえたその声に、Tさんは
「完全に奴を封印できないとは、俺もまだまだだな」
と淡々とつぶやくのみで、あれだけ激しい戦いを繰り広げたのというのに汗ひとつかいていませんでした。
「お兄ちゃん、ありがとう」
「さ、今日はもうお帰り。お母さんと一緒にな」
「うん、バイバイ、お兄ちゃん! お母さん、かえろう?」
「ソウネ カエリマショウ」
親子は手を繋いで帰って行きました。
「Tさん、結局あの怪物は何だったんですか?」
「家庭の不和につけこんで、いつの間にやら家族に紛れ込んで、その家の子供の魂を食らうという恐ろしい化け物さ」
「じゃあ、あの女の子には初めから兄なんて……?」
「そう、いなかったのさ」
良くそれが分かりましたね、との俺の問いにTさんは
「勘だよ、勘」
と煙草を吹かして、事もなげに言いいました。
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った
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電話するヒマがあったら我が子としゃべれよ!もうちょっと子どもとの接し方ってもんがあるだろゴルァ!
と、ちょうど目の前で少女と同じカレーを食っていた先輩のTさんに愚痴をこぼしていたんですが、
ふと見るとTさんは携帯を額に当てて、何やら恐い顔をしています。
そして突然、念仏をぶつぶつと唱えはじめました。Tさんは寺生まれなので、念仏を唱える事自体は
別におかしい事じゃないのですが、目をつぶり、携帯を額に当ててぶつぶつ呟く姿はとかく人目に付きまして
「ちょ、Tさん何やってんすか」と止めに入ろうとした時、隣のテーブルに母親が帰ってきたんです。
母親はまだ携帯を耳に当てたままで、どうも様子がおかしい。すると、前にいたTさんが
「子供に優しい母親になれ、子供に優しい母親になれ、子供に優しい母親になれ」
と突然三回繰り返したのです。すると、隣のテーブルの母親が
「ハイ コドモニヤサシイ ハハオヤニナリマス
ハイ コドモニヤサシイ ハハオヤニナリマス
ハイ コドモニヤサシイ ハハオヤニナリマス」
とTさんの言葉を反復し始めたのです。抑揚のない声で、目はどこか虚ろでした。
「Tさん、まさか……」
俺の言葉を手で制して、Tさんはなおも念話を続けます。
「子供の話を聞いてやれ、子供の話を聞いてやれ、子供の話を聞いてやれ」
「ハイ コドモノ ハナシヲ キキマス
ハイ コドモノ ハナシヲ キキマス
ハイ コドモノ ハナシヲ キキマス」
俺は一体、この後どんな展開が待っているのか不安と期待の入り交じった気持ちでただ傍観する他ありませんでした。
子供たちも母親の様子が変なのを察したのでしょう。
妹「お母さん、どうしたの?」
母「ドウモシナイワ ダイジョウブ ソレヨリガッコウデナニガアッタノ」
親子の間に会話が戻ってきました。話を聞いて貰った妹はとても嬉しそうで、
母親はまだ少し変な感じですが、まあ、きっとこれでこの家族も上手く行くことでしょう。
そのとき。一言も喋らなかった兄がボソッと言ったのです。
338 :3/3:2009/05/11(月) 12:36:51 ID:nDz0Z6Pp0
兄「…よくも邪魔をしてくれたな」妹「え?」
兄「この妹の魂を食らう絶好の機会だったというのに」妹「お、お兄ちゃん?」
兄「おのれ、こうなれば力尽くでも」妹「きゃああ、お兄ちゃん!」
兄の肉体が服ごと千切れ、中から黒い獣のような何かが現れたのです。
黒い獣はそのまま妹に掴みかかり、一飲みにしようと飛びかかりました。
その時、Tさんが席を飛び立ち、襲われた妹を抱いて床へ転がり込んだのです。
「おのれ、どこまでも我の邪魔をする気が、小童めがぁ!」
化け物が手から炎の弾をいくつも生みだして、Tさん目がけて投げつけます。
「そんなものが効くかあッ!」Tさんはその炎の弾をまるで蚊か蠅でも払うかの如く、叩き払いました。
「なんだと……我の炎を……そんな馬鹿な、馬鹿な!」
「これで終わりだ、消え去れ、悪霊めッ! 破ァーーーーッ!!」
突き出したTさんの両手から青い光が溢れ出し、やがてそれが一つの光弾となって放たれました。
「ググ、グワァー!!」
辺りがしばらく目映い光に包れた後、化け物は灰だけを残して消え去っていました。
「ま……まだだ……まだ終わらぬぞ……必ずや我は復活し……再び貴様の前に現れよう。決着はまたその時だ……ふはは、ふはははは……」
どこからか聞こえたその声に、Tさんは
「完全に奴を封印できないとは、俺もまだまだだな」
と淡々とつぶやくのみで、あれだけ激しい戦いを繰り広げたのというのに汗ひとつかいていませんでした。
「お兄ちゃん、ありがとう」
「さ、今日はもうお帰り。お母さんと一緒にな」
「うん、バイバイ、お兄ちゃん! お母さん、かえろう?」
「ソウネ カエリマショウ」
親子は手を繋いで帰って行きました。
「Tさん、結局あの怪物は何だったんですか?」
「家庭の不和につけこんで、いつの間にやら家族に紛れ込んで、その家の子供の魂を食らうという恐ろしい化け物さ」
「じゃあ、あの女の子には初めから兄なんて……?」
「そう、いなかったのさ」
良くそれが分かりましたね、との俺の問いにTさんは
「勘だよ、勘」
と煙草を吹かして、事もなげに言いいました。
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った