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アメリカのとある地方に野球観戦の大好きな、でも、目の見えない少年がいました。
少年は大リーグ屈指のスラッガーである選手にあこがれています。
少年はその選手へファンレターをつづりました。
「ぼくは、めがみえません。でも、毎日あなたのホームランをたのしみにしています。
しゅじゅつをすれば見えるようになるのですが、こわくてたまりません。
あなたのようなつよいこころがほしい。ぼくのヒーローへ。」
少年のことがマスコミの目にとまり、二人の対面が実現することになりました。
カメラのフラッシュの中、ヒーローと少年はこう約束します。
今度の試合でホームランを放てば、少年は勇気をもって手術に臨む、と。
そして、その試合、ヒーローによる最後の打席。2ストライク3ボール。
テレビや新聞を見た多くのファンが、スタジアムで固唾をのんで見守り、
少年自身も、テレビの中継を祈る思いで聞いています。
ピッチャーが投げた最後のボールは、
大きな空振りとともに、キャッチャーミットに突き刺さりました。
全米から大きなためいきが漏れようとしたその時、
スタジアムの実況が、こう伝えました。
「ホームラン! 月にまで届きそうな、大きな大きなホームランです!」
スタジアムは地響きのように揺れ、その日一番の拍手と歓声に包まれた。
その時だった。
「破ぁ!」という声と共にスタジアム全体が青い光に包まれた。Tさんだ。どよめく観衆。
「皆、嘘はよくないな。彼は三振だっただろ?」Tさんはいつの間にか実況席にいて、マイクを持って喋りだした。
「目の見えない子供とはいえ、騙されるのは不本意だろ。テレビの前の君だよ。
君は手術は受けなくていい。彼は三振だったから。でも…今から十秒後に目をあけてごらん。」
そういうとTさんは手を天空にかざした。するとどうだろう。スタジアムを包んでいた青い光がTさんの手に集まっていく。
「破ァ!!!!!」次の瞬間、光は少年の家の方へ延びていき、見えなくなった。
後日、その少年の視力が回復したことを知った。
寺生まれって空気読めない…。私は、三振した選手を慰めながらそう思った