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ガシャポンで、ボタンを押すと音が鳴るおもちゃがあるんだ。
サウンドロップって言うんだけど、それの萌シリーズってのがあって、
妹バージョンを持ってたんだ。
ボタン押すと「おにいちゃ~ん」て言ってくれるの。
8月初め、電池の消耗か接触不良かわからないけど、鳴らなくなった。
振ったりすると時々くぐもった声で「おぉぉにぃぃぃぢゅぁ~ん」と鳴る。
夜中にコンビニに行こうと何となくサウンドロップを持って行った。
振りまわしてると鳴るんで、自宅マンションのエレベータの中で振りまわしてたら
手が滑って天井の空調?のスリットに入ってしまい、取れなくなった。
俺は、壊れてるしまあいいかとほっといた。
何日かしてエレベーター乗ってたら「おぉぉにぃぃぃぢゅぁ~ん」って聞こえてきた。
俺うぉっ、鳴ってるよ、俺の萌ドロップスゲーとか思ってたんだ。
今現在、マンション中で大騒ぎになってる。
なんでも「おにいちゃ~ん」と物悲しい声が聞こえるんだと。
あのエレベーター付近で女の子の霊を見たって人も出てきた。
お祓いするとかの話まで出てきてる。
ごめんよごめんよ いまさら真実言えない
30過ぎの毒男が萌ドロップを持ち歩いていたなんて
騒ぎ知ってる人、近所の人ごめんなさい
俺どうしたらいいんだ orz
「じゃあ少し話に付き合え。」
そう言ったのは、いつの間にか側に立っていた寺生まれの霊感の強いTさんだ!
「お前があまりにもサウンドロップを愛用していたため、その妹の存在が幽体となって具現化してしまったんだ。」
ふと気配がして振り返るとなんとも可愛らしい女の子が!
「お兄ちゃん…会いたかったよ…。」
俺はもうなんて反応したらいいのか分からず、「えっ…!?えぇ!?」と驚くことしかできなかった。
しかも泣きついてきた為、わけもわからず、とりあえずそっと頭を撫でた。
そうしていたらTさんが唐突に俺に何かを投げてきた。
「サウンドロップ、取るの中々大変だった。次は大事に扱えよ。」
「じょ、除霊はしないんですか…?」と恐る恐る尋ねると…、
「除霊?今この場に居るのは俺とお前と、ずっとお前を探し続けていた一人の女の子だけだ。」
と言い残すと、回れ右をして颯爽と立ち去っていった。
俺が「…帰ろうか。」というと元気よく頷く俺の"妹"
寺生まれってスゴイ、俺は"妹"の手を握りながら改めてそう思った。
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「じゃあ少し話に付き合え。」
そう言ったのは、いつの間にか側に立っていた寺生まれの霊感の強いTさんだ!
「お前があまりにもサウンドロップを愛用していたため、その妹の存在が幽体となって具現化してしまったんだ。」
ふと気配がして振り返るとなんとも可愛らしい女の子が!
「お兄ちゃん…会いたかったよ…。」
俺はもうなんて反応したらいいのか分からず、「えっ…!?えぇ!?」と驚くことしかできなかった。
しかも泣きついてきた為、わけもわからず、とりあえずそっと頭を撫でた。
そうしていたらTさんが唐突に俺に何かを投げてきた。
「サウンドロップ、取るの中々大変だった。次は大事に扱えよ。」
「じょ、除霊はしないんですか…?」と恐る恐る尋ねると…、
「除霊?今この場に居るのは俺とお前と、ずっとお前を探し続けていた一人の女の子だけだ。」
と言い残すと、回れ右をして颯爽と立ち去っていった。
俺が「…帰ろうか。」というと元気よく頷く俺の"妹"
寺生まれってスゴイ、俺は"妹"の手を握りながら改めてそう思った。