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- 461 :本当にあった怖い名無し:2010/05/20(木) 19:18:15 ID:giR1wq7g0
- 私が特別変なものを見た、とか聞いたってことでもないんだが、なんか未だに後味のよくない体験だったもんで、話させてもらいます。あんま怖くないし、長くなるんで読み飛ばしていただいても構わないです。
私がただ話したいだけなので・・・。
一年くらい前のハナシなんだけど、当時私には付き合っている人が居た。便宜上、仮にYとしとく。
その前日の日から、連休だった事もあって私はYのマンションで二人きりの宅飲みをし、バカ騒ぎをしながらそのまま泊まりこんだ。そして私が朝、目を覚ますと隣で寝ていたはずのYが何故かいない。
ふと机の上を見ると、チラシの裏に急いで書いたような書き置きがあった。細かい内容は覚えていないが、どうも休み明けまでに纏めなきゃならない書類を忘れたので会社に取りに戻る。それから、適当にある物を食べていい事と、昼までには戻るってな感じの事が書かれていた。
時計を見ると、丁度昼。外は曇りなのか雨なのか、窓から入る光は鈍く暗かった事を妙に記憶してる。
そのときの私は少し空腹ではあったが、書き置きの文面どおりならそろそろ帰ってくる頃だろう。
Yが帰ってきてから一緒に食事をとろうと思い、私はYを待った。
テレビを見ながらダレていると、携帯に着信が。Yからのメールだった。
も う す ぐ だ よ
ま っ て て
いつもはちょっと長ったらしくて絵文字を多用したメールを寄越すYだが、そのときの内容は完全にこれだけだった。
よっぽど急いでいたのか。あるいは電車の中にいて、携帯を出しているのに引け目を感じてたった数文字だけでメールを送信したのかもしれない。
私は小心者のYなら有り得るな、などと思いながら少し笑った。
一通目から10分程度経った時、二通目の着信があった。
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- 462 :本当にあった怖い名無し:2010/05/20(木) 19:19:43 ID:giR1wq7g0
き た よ
ホントそれだけだった。
そういやYは長くて絵文字いっぱいの文章だけでなく、小難しい漢字が好きで、ひらがなばっかのメールってのも珍しかった。それに、急いでるにしたって自分ちに帰るのに「来る」って表現になんかズレたモノを感じた。
ちょっと違和感があったんだよ。
一通目もそうだったけど、無駄な字間があったし。それに、もう着いてるならメールなんか寄越さず早く上がってくればいいだろ?
まぁそんなの些細なことだったし、私は軽く"じゃあ待ってるから"的な返信をしてYを待った。
そしたら三通目だよ。
ご め ん
あ け て
私は鍵でも忘れて上まで入れなくなったのかと思った。
言い忘れたが、Yのマンションは1階の玄関にロックがかかるシステムになっていて、自宅の鍵で開けるか、インターホンで住人に開けて貰わないと入れない。
少し抜けたところのあるYは忘れ物などしょっちゅうだ。
でも、それならばインターホンで私を呼び、開けてくれと言えばいいのに、なぜ・・・。
徐々に大きくなる違和感。
玄関口に立っているのは、もしかしてYではないのかもしれないと感じ始めていた。せめて、一階でインターホンさえ押してくれれば顔を確認できるのに。
オートロックのシステムには防犯のため、インターホンにカメラが付いている。そしてそれは、これまた防犯のためか、呼び出されないと部屋からでは起動できなかった。
私は念のため、「鍵忘れたの?」と返信を試みた。もしホントにYだったなら随分意地の悪い返事だなと思いはしたが、不安だったんだ。
- 463 :本当にあった怖い名無し:2010/05/20(木) 19:34:51 ID:0nCU6wnt0
ご め ん
あ け て
四通目。駄目だ、これはもう変な人かもしれない。でも受信されてきた登録名はYの名だ。Yのイタズラ説も頭をよぎりはしたが、どう考えてもYらしくない。
頭がぐるぐるした。変質者なら開けてはならないが、このマンションの他の住人が帰ってくるなりして入り口を開けてしまえば入られてしまう。
どうすればいい?警察に通報?でも何事もなかったらただ恥かきなだけだし、住人であるYにも悪い。
2、3分か、それとももっと経っていただろうか。返事も行動も出来ず迷っている私の耳に、インターホンの音が届いた。部屋の入り口からだった。1階からではなく。チャイムの音が違うからすぐにわかるのだ。
来た。誰かが。出なくてはならない。
私は硬直していた。五通目のメールは着ていない。
鍵が開く音がした。扉が開く。玄関からまっすぐの廊下から部屋のドアはよく見えた。
寺生まれで霊感の強いTさんだった。
どうして開けてくれなかったの?訊かれた言葉に閉口している私に、Tさんは少し怒っているようだった。
インターホン鳴らしたのに。・・・どうしたの?変なテレビでも見た?よっぽど私は蒼白な顔でもしていたんだろう。Tさんは私の顔をのぞき込んで笑った。
そのあと、急いで警察に連絡し無事Tさんは逮捕された。しかし、どうにもあのメールのことが腑に落ず、意を決して連行されていくTさんに質問した。
Tさんは胸を反らせながらこう答えた。
「俺くらいの霊感の持ち主になるとメールの差し出し人表記くらい、簡単にいじれるようになるんだよ」
寺生まれって本当に凄い。シーツにくるまり震えながらそう思った。
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- 444 :M百貨店の夜間警備:2010/04/18(日) 03:27:38 ID:SMUAAEHN0
- 大学出てすぐの頃の話です。
当時の僕は就職も決まらず警備のバイトで暮らす毎日。
バイトでも食っていけるし、もうこのままでもいいかな。なんて投げやりな考えを抱いたりもしていました。
そんなある日のことです、いつもの商社のビルではなくデパートでの仕事が入ってきたのは。
そこは催事場を有した大きなデパートで、夏休み中と言うこともあり大恐竜展の最中で
ホールには本物の化石を使った大きな骨格標本が吊り下げられていました。
かつて大地を駆け抜けたであろうその姿を見上げると、不思議と気分が高揚してきて
「就職氷河期がなんだ、とことんやってやるぞ」という気になったものです。
不貞腐れ気味だった僕にはいい刺激でした。
しかしその前向きな気分も、陽が沈むまでのことでした。
そのデパートはなんというかいろいろ曰く付きの建物で、「出る」ともっぱらの噂だったのです。
夜なお騒がしい繁華街の道路に面したビルや、周囲を住宅に囲まれた学校と違い、
夜間になるとすべての店舗から人がいなくなる商店街のその最奥にあるデパートは
山奥の森のような不気味な静けさを醸し出していました。
普段担当する建物とのあまりの違いにビビりつつ、見回りを始めました。
まずは残っている人がいないかの確認です。施錠も兼ねます。
稀に、残業中に寝てしまった人なども居るため、大きめの部屋などでは声かけをしていきます。
「施錠しまーす。残ってる方はいませんか~?」
そうしていくつかの部屋を巡った時のことです。
- 445 :M百貨店の夜間警備 2:2010/04/18(日) 03:30:02 ID:SMUAAEHN0
カツーン
廊下に足音らしきものが響きました。
一瞬、同僚かと思いましたが下のフロアはここよりも広いため、まだチェックが終わっているとは思えません。
従業員がまだ残っていたのか、面倒だなあ、うるさい人じゃないといいなあ。などと思いつつ
カツーンカツーンと足音の響いてくる廊下に出て懐中電灯を向けました。
―――誰もいません。
ドッ、と汗が噴き出てくるのがわかりました。この建物に関するいくつかの噂が瞬時に脳裏を掠めました。
しかし、幽霊なんて見間違いか勘違いだという理性に押され、誰もいない廊下に向かって声を掛けました。
「○○さん(同僚の警備員)ですかー?」
カツーン カツーン
答えはありません。足音だけが響いてきます。人の姿もありません。
「じ、従業員の方ですかー?」
カツーン カツーン
答えはありません。そして相変わらず廊下には足音だけが響いて誰の姿もないのです。
――不安に負けて、やめておけばいいのに、僕はその質問をしてしまいました。
「…生きている方ですかー?」
- 446 :M百貨店の夜間警備 3:2010/04/18(日) 03:33:00 ID:SMUAAEHN0
静寂。
ややあって。
カツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツ!!!!!!!
廊下の向こうから急速に迫ってくる足音。僕はもう悲鳴をあげることさえ出来ずに回れ右して駈け出しました。
走っても走っても足音は追ってきます。
廊下を駆け抜け、曲がり角を曲がって、ホールまで来たところでバランスを崩し転んでしまいました。
後方からなおも迫る足音。
もう駄目だ、つかまる!心が恐怖に塗りつぶされそうになったその時、
「破Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaooooooooooooooowwwwwwwwnnnnnnn!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
眩しいほどの青白い光を発しつつ咆哮する巨大な骨格標本!
その威にあてられ、すぐ後ろまで迫っていた気配が四散霧消するのを肌で感じました。
前を見上げればそこには燦然とそびえ立つ古代の勇姿が。
Tラノサウルスってすごい。改めてそう思いました。
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- 424 :本当にあった怖い名無し:2010/03/08(月) 19:50:38 ID:gSWwDL4k0 ?2BP(1)
- その明くる日も、ごんはくりを持って、兵十のうちへ出かけました。兵十は、物置でなわをなっていました。それで、ごんは、うちのうら口から、こっそり中へ入りました。
そのとき兵十は、ふと顔を上げました。と、きつねがうちの中へ入ったではありませんか。こないだ、うなぎをぬすみやがったあのごんぎつねめが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
兵十は立ち上がって、なやにかけてある火なわじゅうを取って、火薬をつめました。そして、足音をしのばせて近よって、今、戸口を出ようとするごんを、ドンとうちました。
ごんは、ばたりとたおれました。
兵十はかけよってきました。うちの中を見ると、土間にくりが固めて置いてあるのが、目につきました。
「おや。」
と、兵十はびっくりして、ごんに目を落としました。
「ごん、おまい(おまえ)だったのか、いつも、くりをくれたのは。」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
兵十は、ひなわじゅうをばたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました。
その時突然、見たことのないお坊さんが扉をけやぶって入ってきました。
「Tさん!おらぁ・・・なんてことを・・・ごんを・・・」
「まだあきらめるな!おれが何とかする!・・・破ァァァァァァーーーーーー!!」
お坊さんの手の先から光の球がいくつもごんにあたったかとおもうと、ごんの体にあったたまのあとがきれいさっぱりなくなり、傷がすっかり治ってしまったではありませんか。
「おお!さすがはてらのうまれ!もうなんていったらよいか・・・」
「なんとかまにあったな。兵十さん、あわてちゃいけねえぜ。ひなわじゅうをうつときはあいてをよくみることだな。ごんもまぎらわしい動きはしないようにな。じゃあな!」
兵十はTさんにかんしゃしながら、こわされた扉をどうなおそうかこまってしまったのでした。
- 420 :本当にあった怖い名無し:2010/03/06(土) 00:43:16 ID:ss0VIIis0
- 811 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/03/05(金) 18:19:17 ID:IFDj3VQF0
参加者:メリーさん くねくね 口裂け女 首無し@ライダー 花子 閲覧(1)
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首無し@ライダー:さっきからROMってる奴きめぇから入って来いや
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花子:見てて楽しいのかしら?
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メリーさん:なんかうざいよね・・・
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くねくね:さっさと入って来いやカス
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口裂け女:まだ見てるよ・・・
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<T>が入室しました
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<花子>が消滅しました
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<首無し@ライダー>が消滅しました
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<くねくね>が消滅しました
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<口裂け女>が消滅しました
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<メリーさん>が消滅しました
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- 415 :1:2010/02/27(土) 20:13:28 ID:faj2cxwk0
- 47 本当にあった怖い名無し [] 2010/02/22(月) 16:53:53 ID:0VeJrv2L0 Be:
昨日の夢です。 場所は小学校の校舎
懐かしい気持ちいっぱいで中を散策していると、
急にチャイムの音が聞こえました。
キーンコーン カーンコーン
ふと廊下の左側にある窓ガラスに映る自分を見てみると、
女の子を肩車している。重さというか肩車をしている感じさえしない
その女の子は黄色い帽子を目深くかぶって、赤いスカートをはいている。
私はまったく恐怖心を感じずそのまま歩く。
歩くたびに窓ガラスに映る女の子が、まるでパラパラ漫画を見るように
上体を動かしていく。どんどん揺れるスピードがはやくなって高速で頭が
ぶれていく。頭がとれるんじゃなかろうかってくらいにブンブン、ブンブンと。
さすがに気持ち悪くなってきて、来た道を戻ろうと、振り返ろうとしたら
両頬をガシっと両手でつかまれ顔を動かす事ができない。
焦りだす私を尻目に ピンポンパンポーン 校内アナウンスが流れた
「次は何町に住むAさん(私の名前)に決まりました。おめでとうございます。
Aさんの頭がなくなるまでもう少しの辛抱ですよ。」
もう訳が分からず私は廊下を進みます。
右手にある教室に明かりがついているので中を覗き見ると子供たちが
楽しそうに大人たちの手足を切り落としているところでした。
のこぎりを引く女の子。ナイフを突き刺し、千切りとろうと悪戦苦闘する
男の子。私は声を出さないよう吐き気を我慢し走り出しました。
- 416 :2:2010/02/27(土) 20:16:04 ID:faj2cxwk0
- 「Aさんの足がなくなりました。」 アナウンスが流れます。
と同時に目の前が明るくなり私は教室の中にいました。
「次はこれだね。」
男の子が呟き私の足にのこぎりをあてます。
もう無我夢中で男の子を突き飛ばした私は教室を飛び出しました。
その途中に、いくつか教室があったのですが見る余裕もなく、
出口であろうと思われる運動場へでる扉を探しました。
必死に走っている途中廊下の窓ガラスに映る私の頭の上には女の子が楽しそうに頭を振り続けています。
「Aさん Aさん 何何町に住むAさん。今は図工の時間ですよ。」
アナウンスが流れました。 必死走る私の10m先に扉が見えます。
片方の扉が開きかけ、外の明かりがみえました。
たすかったぁ 安堵感がこみ上げ私は扉を開けました。
頭頭頭頭頭 子供子供子供子供子供 頭と子供
女の子が大事そうに男の頭を抱きかかえています。
もう一人の子は地面においた頭の上に逆さまになって倒立しています。
おでことおでこをくっつけている男の子もいます。
キーンコーン カーンコーン チャイムが鳴り響きます。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ
一斉に子供たちが振り返ります。墨色の袈裟を脱ごうとしている、寺生まれのTさんが、そこにはいました。
「袈裟をマジックテープにしてよかったぜ。亡者に引かれずに済んだ」
上半身をあらわにしたTさんは、腕に力をこめると青白い光を発射しました。
「無害な霊を操り、領土を広げるチンケな悪霊め! 破ァ!」
それはカーブを描きながら、放送室に向かっていきます。
「子供に悪い遊びを教えちゃいけないぜ。子供を守るのは大人の役目だ」
放送室が崩壊すると、子供たちはほのかな人魂になって空へ向かいました。
Tさんは、子供の霊に「今時マジックテープかっこわるい」といわれ、「破ァーッ!」と光弾を発していました。
寺生まれってスゴイ。改めて時代遅れだと思いました。
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- 410 :本当にあった怖い名無し:2010/02/13(土) 09:21:58 ID:0cnYstyD0
- 小学生のときのこと。
バレンタインデーの日の朝、母親がニッコリと笑いながら、「もしチョコをもらったらこの中に入れて帰りなさい」と言って、紙袋を俺に見せた。
俺は「どうせもらえないからいいよ」と母親に言ったが、「Tちゃん(俺の名前)はカッコいいからたくさんもらえるよ!」と言って自信ありげに俺に紙袋を持たせたので、俺は紙袋を持って登校することにした。
やっぱりチョコは一つももらえなかった。
下校時、俺は母親からもらった紙袋を無駄にしてはいけないと思い、家に帰るまでに道端に落ちていた怨霊を破ぁして、紙袋に入れて帰った。
家に帰り着くと、玄関先で母親が笑顔で出迎えてくれた。俺は「もらえなかったよ」と言って、怨霊の入った紙袋を母親に見せた。
すると母親は、「Tちゃんはエラいね。いつかチョコもらえると思うよ」と言うと、涙をポロポロと流し始めた。
俺もその姿を見て泣いてしまった。
それから約20年が経つ。
俺はいまだにチョコをもらったことがない。
母親は数年前に破ぁした。
- 404 :本当にあった怖い名無し:2010/02/08(月) 23:02:17 ID:yVpJqR9m0
- 俺の住んでいる市の街はずれに昔、閉鎖した植物園があった。
当時高校生でDQN入ってた俺は、カッコつける為に彼女と一緒に肝試しに行った。
深夜2時を回る頃、俺と彼女は敷地へ忍び込んだ。
正門は鎖と南京錠でびくともしなかったが、脇にある通用口は既に壊されて度々人の出入りがあるようだ。
ここは個人で運営していた小さな植物園で自宅と併設になっている。
その道では高名な植物学者だか何だかとその奥さんが細々と経営してたらしいが、ある時旦那が
トチ狂って正気の沙汰とは思えない生命工学に走り、いろいろとヤバい研究の果てに
最終的には奥さんを殺して自殺してしまったとか何とか。
そういうわけでこの廃墟は市内では有名な肝試しスポットになっていて、酷い時は何組ものDQNが
中で小競り合いまでしてるという話だ。だがどういう訳か今日は人が立ち入ってる様子はない。
構わず玄関の割れたが明日の隙間から中に入ると、中は手入れの放棄された鬱蒼とした密林になっていた。
「おいおい、たった数年でこんなになるワケ?」
「なんか変な実験してたって話だよね。そのせいじゃない?」
「やっぱ死んだ学者がマッドサイエンティストだったって本当なんじゃん?」
最初は全然怖くなくてハイテンションに話してた俺達だが、次第にそれはわざとらしいカラ元気の
セリフへと変わっていった。周囲の暗闇の中から、明らかに人ではない者の気配を感じる。
だが俺も彼女も解っていてもそれを口にできなかった。言えばそいつ等が飛びかかってくるように思え、
その為に必死で怖くないフリを装ったのだ。
「あっ沼じゃんこれ?」
「わーホントだ!魚でもいるんかな?」
「いそうだよねー、何のために飼ってたんだろう」
「実験の為じゃね?」
「だとしたらここのキ○ガイ学者、半魚人かカッパでも
生み出してたりしてな、ぎゃはは!」
「…!」
言った瞬間俺も彼女もしまった、と思った。周囲の気配が殺気に変わり、それがどんどん強くなっていく。
俺達は精いっぱい強がって軽口を叩くうちについ核心に触れてしまったのだ
- 405 :本当にあった怖い名無し:2010/02/08(月) 23:03:19 ID:yVpJqR9m0
- 次の瞬間、茂みから数個の影が飛び出し彼女に掴みかかった。
そのまま彼女を抱えあげると、影は彼女の切り裂くような悲鳴と共に走り去った。
気づくと、それとは別の影が俺の前に2体。
漏れ入る月明かりが照らすと、それは紛れもない異形の者、巨大なキノコに顔と手足の付いた化け物、
そしてカッパとしか言いようのない醜いクリーチャーだった。
それだけじゃない、背後の木から大蛇のように鎌首を持持ち上げたあれは、花弁の中心に
牙をもった口のある、最早植物とは呼べない狂気の実験体のなれの果てだった。
声を出す事も逃げる事も出来ずに、瞬く間に壁際に追いつめられた。
人食い花の花弁から生臭い息を吹きかけられ、失禁するとともに俺は死を覚悟した。
「そこまでだ」
不意に後方から人の声、続いて「破あ!」の声と共に突き出した手から赤い炎の弾が飛び出し、
化け物どもを焼き尽くした。
そこには派手な原色の服を着た、ヒゲ面の男が立っていた。
「大丈夫か?ちょっと仕事で立ち寄ったらただならぬ雰囲気を感じてな」
俺は男にすがりつくと、彼女が化け物にさらわれた事を泣きながら訴えた。
「よし解った、お前は早くここを出ろ。俺と弟が必ず助け出してやる。
なあに、この手の化け物には慣れてるんでね」
そう言うと彼は俺の手に何かを握らせた。
「こいつを持って玄関まで走れ。いいか、周囲に化け物がいてもこいつがあれば奴らは
お前には手出しできない。だが効果は数十秒だけだ。だから止まらずに走れ、いいな?」
手に握らされた欠片はまるで星のように輝いていた。俺は泣きながら頷くと、彼にお礼を言って名前を聞いた。
「名乗る程の物じゃない、ただの配管工さ。おっと時間だ」
それだけ言うと、彼は人間業とは思えないような軽やかなジャンプで高い塀を超え、その向こうにある
旗のポールに捉まるとするすると降りて行った。
それに呼応するかのように、空には6発の花火が打ち上がり、
─そしてその明かりの下を見ると、出番を奪われ、唇を噛みしめながら
恨めしそうな顔で涙を流す寺生まれのTさんの姿があった。
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- 396 :本当にあった怖い名無し:2010/01/27(水) 18:35:26 ID:BSVlgZKbO
- 坂東さんのモノマネのうまい芸人は数人いる。有名所で言えば、コージー冨田や松村邦洋がそれに当たるだろう
俺の好きな芸人にも上手い芸人がいる
年明けによくやるお笑いの生放送を見ていると、彼は出てきた
自衛隊のように整列さ、順番に番号を声に出していくあのネタだ
「どこに坂東エージがいるでしょ~か」
「1、2、3、4、5、6、7」
・・・!!いたいた!7番だ。本当に似てるなぁと笑いかけた瞬間
「破ち」
・・・!?まさか寺生まれのあの人がいるはずがない。あの人は俺がテレビの話題を出すたび
「テレビなんて所詮は点の集合体」と吐いて捨てるほどだからだ
気をせいだと続けて見ていると、なんと坂東さんご本人の登場だ
・・が、どうにも様子がおかしい
顔面蒼白で俯き、ぶつぶつと呟いている。司会や観覧席も静まり返ったが、芸人だけがいち早く駆け寄った。恐らくは気分を害したと心配したのだろう
嫌な予感はしていたが、芸人が走り寄ったその時に事は起こった
突然坂東さんが芸人に向けて腐った生卵をぶつけたのだ
ゆで卵ではない、生卵だ。これは尋常な出来事ではない
慌ててスタッフ数名が押さえつけに駆け寄るが凄まじい剛力で投げ飛ばされていく!柔道の試合であっても、人が数メートルも投げ飛ばされるなどという光景はお目にかかれないはずだ。
すると突然カメラが床のみを映す形になってしまった。どうやら投げ飛ばされたスタッフがカメラにぶつかったようだ。
怯える人々の声、坂東さんの奇声、幾百もの卵が割れる音が耳をつく
坂東さんの表情や剛力、それは霊的な何かかと思い、咄嗟に電話を手に取った
「・・Tさんに!」震える手でリダイヤルを探していた時だった
「ファンでした」
- 397 :本当にあった怖い名無し:2010/01/27(水) 19:04:35 ID:BSVlgZKbO
- その会場でただ1人、誰かが落ち着いた声を発した。倒れたカメラの端に、下駄を履いた人の足が映り込んだのだ
途端に現場を映すカメラは5カメに切り替わり、全体が映される!
「間違いない!Tさんだ!」
テレビを意識してか「鼻メガネ」を装着してはいるものの、見覚えのある下駄に俺は確信した!
「投げてこいよ」
坂東さんがゆっくりと振り向き、標的はTさん(寺生まれの)に向けられたようだ
一瞬の出来事だった
坂東さんが凄まじい速さで卵を投げつける!
Tさんはすかさず呪文のようなものを唱えると握りこぶしを前に縦に並べて構え、「破ぁっ!」
と叫ぶとTさんの両手に青く光る棒状の光が!
「破ぁぁああ!」
卵を芯で捉えた瞬間、卵から邪気のような紫の煙が弾け飛ぶ!
次に白い煙をもくもくとあげながら打ち返した瞬間
殻が綺麗に弾け飛んだ!
見事なゆで卵となった打球はホップしながら坂東さんの口元へうねりながら飛んでいく!
俺「いっけぇぇええ!!」
「・・うまい」
みるみるうちに坂東さんの顔色は良くなり、正気に戻っていく
「ぼかぁ一体・・・」 しかし既にTさんは姿を消していた
番組終了予定まであと数十秒、司会が慌てて謝罪し、番組は終了した
当然その後、鼻メガネの男はインターネットで話題を独占したが、ついにはマスコミまでも見つけることは出来なかったそうだ
俺はそんな「時の人」と知り合いなのを自慢気に思えた
そして何故鼻メガネ?とあの光景を思い出しコーヒーを吹いた
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- 392 :本当にあった怖い名無し:2010/01/23(土) 17:23:32 ID:9fq4K5jm0
- 喪主 「これですか、新しい省エネ霊柩車というのは」
Tさん 「はい。さようでございます」
喪主 「どこがいままでと違うんです?」
Tさん 「はい。ホトケさまを焼きながら、そのエネルギーで走るんです」