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A:煙草吸ってもよろしいですか?
B:どうぞ。ところで一日に何本くらいお吸いに?
A:ふた箱くらいですね。
B:喫煙年数はどれくらいですか?
A:30年くらいですね。
B:なるほど。あそこにベンツが停まってますね。
A:停まってますね。
B:もしあなたが煙草を吸わなければ、
C:ちくわ大明神
B:あれくらい買えたんですよ。
A:あれは私のベンツですけど。
B:誰だ今の
T:破ァッ
C:ウギャアァァ
T:.危なかったな。もう少しでちくわ大明神に連れてかれるところだったぜ。
寺生まれって凄い。改めてそう思った。
そのスレのこれが良かった
三兄弟が海で遭難した。
やっとの思いで無人島に辿り着いた。
三人は食料や道具になるものを探した。
しばらすると、長男が古ぼけたランプを見つけてきた。 これはまさか!?と擦ってみると、中から魔神が出てきた。
魔神は「おまえらの願いを一つづつ叶えてやろう。しかし同じ願いはだめだ」
長男は考えて「家に帰りたい!」
びゅぅ~ん。飛んでいった!
次男も帰りたかったが、長男が言ってしまったので「家の風呂に入りたい!」
びゅぅ~ん。飛んでいった!
三男は困って「兄さん二人に会いたい!」
ぶゅぅ~ん。二人が飛んできた。
「破ぁ!!!」
突然聞こえた怒号と青い閃光によって魔神は粉みじんになって吹き飛んだ!
「帰りたいという兄弟の純粋な願いをもてあそぶ小悪党め!」
Tさんははにかみながら「いつか願いはかなう」と言い残し青い光弾に乗って帰って行った。
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った
>>220 これで満足か?
オカ板のTさんの法則
絶対法則
第一法則
国家間から企業、個人に至るまで、悪霊の元にTさんあり
第二法則
第一法則において、室内であっても必ず現れる
第三法則
第二法則において、Tさんであろうとも不法侵入となる。
この時、Tさんが警察を回避できる割合はほぼゼロ。
第四法則
第一法則において、最終的にTさんの生まれを関心しなければならない。
第五法則
第一法則において、一方的に助けられても感心すること。
第六法則
第3・第4則において、褒め称えたとしても警察に事情を説明する義理はない。
諸法則
第一法則
オカ板に貼られ、人気を博した物はほぼ1年以内にTさんが介入する。
第二法則
オカ板で人気や才能があるシリーズにも、ほぼ必ずTさんが介入するが、師匠シリーズにはなぜか介入しない。
第三法則
オカ板のTさん人気は元ネタの怖さと比例する
第四法則
呼ばれてもいないのに出てきては「破ぁ!」と叫ぶ人間はほぼTさんである
第五法則
自分に都合の悪い出来事は、すべて「破ぁ!」ですます。
第六法則
長編のTさんは、話のオチに差し掛かると警察やら女子寮の管理人が現れ、悲惨な末期を歩む
第七法則
ほのぼの話に手を出したTさんは空気が読めないと酷評される
第八法則
Tさんの出現は話の後半に偏る傾向にある。
第九法則
たとえ悪霊であってもTさんの気分によっては「破ぁ!」は発動しない。
第十法則
たとえ良霊であってもTさんの気分によっては「破ぁ!」は発動する。
この文章は、2ちゃんねるにあった文章におれが一部書き加えたり、書き直したものです。
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ちょいとグロ入るが実話を。
去年の秋、時刻は午前5時頃、友人と釣りに出かけた。
場所は近所の沼津。
釣り道具を持ち友人と釣り場まで一方通行の道を歩いていた。
途中公園に差し掛かろうとしたとき、幼稚園児であろう子供3人ほどが公園前の道路でしゃがんでいた、しゃがんでいる場所に子供が一人倒れていた。
友人と「何事か?」と思い近付くと倒れてる子供は頭が片側完全に潰れ、脳が飛び出していた、もう片側は眼球がが飛び出し、口から少量の血が出ていた、
しゃがんでいた子供達は倒れてる子供の脳を掴んだり、眼球があったであろう穴から出たゼリー状の物質を遊び道具?のコップに入れたりして遊んでいた。
僕らは即通報することにした
「あれ、電波入らねえぞ」
「ちょっと貸して見ろよ」
友人は俺から携帯を受け取ると、持っていた釣竿をかざし叫んだ
「破ァ!」
とたんにアンテナが3本になった
寺生まれってこんなこともできるのかと思った
「もしもし?」
「………」
「もしもし?」
「………」
いつもはここで恐くなって電話を切ってしまうところでしたが、我慢できなくなって、彼女は叫びました。
「いい加減にしてよね!」
すると受話器のむこうから、押し殺したような声が聞こえたのです。相手が喋ったのはこれが初めてでした。
「…殺してやる…」
さすがに恐くなって身の危険を感じた彼女は、だめでもともとと警察に相談してみました。
ところが最近は、そういったストーカーの犯罪が深刻化しているためか警察は詳しく話を聞いた上で彼女の電話に逆探知機を設置して捜査を行ってくれることになったのです。
次の日もやはり、無言電話はかかってきました。慎重に受話器を取り上げ、耳に押し当てる女性。
「もしもし?」
「…殺してやる…」
昨晩のあの声でした。そのときです。彼女の携帯電話が鳴りました。警察からです。
「すぐに部屋から出なさい!」
「は?」
「逆探知の結果、電話はあなたの家の中からかかっています。犯人はあなたの家の2階にいるんですよ!」
その時「破ァ-!」2階から声がした。恐る恐るのぞいてみると、Tさんが階段から男を担ぎ降りてくるところだった
「危ないところだったな。まったくこんな可愛い子をストーカーなんて太いヤローだ」
寺生まれってすごい、改めてそう思ったけど不法侵入はTさんも同じなので一緒に警察連れてかれてしまった
メンヘラ女にストーキングされる話があったから、
ジャニーズ系のイケメンだと思ってた。
↓以下コピペ↓
一人暮らしをしている大学生の男がいた。
男が住んでいるのはごく普通のアパートだが、
たまにおかしなことが起こった。
大学から帰ってくるとカーテンの形やゴミ箱の位置などが
微妙に変わっている気がするのだ。
最近は誰かにつけられてる様な気もしてきた、
流石に気味が悪くなってきた男は大学の友人に相談した。
男が「もしかして…ストーカーかな?
警察に言うのが一番良いと思うけど…
警察は実際に被害が無いと動いてくれないって聞くしなぁ…
どうしよ……。」
と困っていると、友人は
「…じゃあ大学に行ってる間ビデオカメラで部屋を撮影しておいて、
もしストーカーが部屋に侵入してるのが撮れたら
そのテープもって警察に行けば良いじゃん、
不法侵入してるわけだからさすがに警察も動いてくれるだろ。」
と具体的な解決策を提示してくれた、
やはり持つべきは友!これは良い案だ!と思った男は
早速次の日の朝、部屋にビデオカメラを設置して
録画状態のまま大学へ行った。
大学から帰ってきた男は焦った、
久々に部屋に違和感がある、
「これは期待出来る、マジにストーカー写ってるかも…」
続き
と思いながらビデオの録画を止め、再生した。
しばらくは何も写らなかった。
しかし夕方になると、
知らない女が包丁を持って部屋に入ってきたのだ。
「…!!!!!!」
ビビった男はすぐに友人に電話をかけた、
「ヤッベー!写ってる写ってるストーカー写ってる!!!!」
と若干興奮気味に伝え、それからは録画を見ながら友人に内容を実況した。
「ゴミ箱漁ってるよぉ…」
「今度は服の匂い嗅いでる…キメェ!!」
今までコイツは何回も来ていたのかと思うと、男は背筋が凍る思いだった。
↓ラスト↓
画面の中の女は押入れに入った。
「うっわ…押し入れの中入ったよ、
しかもなかなか出てこない……」などと友人と喋っていると、
また誰かが部屋に入ってきた。
男は言葉を詰まらせた。
部屋に入って来たのは自分だった。
そしてビデオの中の自分はカメラに近付き録画を止める、
そこでビデオは終わっていた。
押し入れにまだ女がいる。
「破ぁぁ!!!」
俺は押入れに向かい念を込めた。
しばらく押入れではどたばたもがいていた様だったがすぐに静になった。
わざわざビデオに取らなきゃ見つけられないなんて俺もまだまだ未熟だな……
うちのオヤジは凄い、改めてそう思った。
追記を閉じる▲
201 :3:2009/04/21(火) 22:07:31 ID:2PI7m2dM0
ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。Tさんが何とかしてくれる。何
にも心配しなくていいから」
そのうち、じいちゃんが一人の男を連れて戻ってきた
「もう私が来たからには大丈夫だ」
Tさんはそう言うと、空に向けて手を伸ばすと「破ァ!」と叫んだ
途端にTさんの手から青白い光が現れ、村全体に広がっていった
眩しい光に反射的に目をつぶった瞬間、「ぼぼぼ・・・」というかすかな悲鳴のような声を聞いた気がした
結局、よくわからないままに終わったが、それでも助かったことだけはわかった
じいちゃんとばあちゃんに見送られながら、バイクで家に帰りながら寺生まれってすげえとそんなことを思った
短いバージョンもあるんだよ
>>193の時点で短い方使えよww
>>202
それは思ったんだけど、長い方が八尺さま知らない人にも優しいかなって
ごめん、大人しく靴でも洗ってくる
908 1/1 sage 2008/08/26(火) 09:45:56 ID:VFtYjtRn0
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗る
ようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行って
いないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこ
んなことだ。
春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで
行った。まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛
いでいた。そうしたら、
「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」
と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じが
した。それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。生垣の上
に置いてあったわけじゃない。帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで
来ると、一人女性が見えた。まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。
女性は白っぽいワンピースを着ていた。
でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだ
け背の高い女なんだ…
驚いていると、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。
192 :2/3:2009/04/21(火) 20:53:37 ID:2PI7m2dM0
909 2/9 sage 2008/08/26(火) 09:46:59 ID:VFtYjtRn0
そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い
靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。
その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを
話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」
と言っても「へぇ~」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。
その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」
と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで廊下にあ
る電話まで行き、どこかに電話をかけだした。引き戸が閉じられていたため、
何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。
じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。あの女だって、自分から見に行った
わけじゃなく、あちらから現れたわけだし。
そして、「ばあさん、後頼む。俺はTさんを迎えに行って来る」
と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。
193 :3/3:2009/04/21(火) 20:55:22 ID:2PI7m2dM0
910 3/9 sage 2008/08/26(火) 09:48:03 ID:VFtYjtRn0
ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。じいちゃんが何とかしてくれる。何
にも心配しなくていいから」
と震えた声で言った。
それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してく
れた。
この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼ
ぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。
人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年
増だったりと見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か載せてい
ること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区
分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。
これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、
八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、そ
の道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西
南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と
何らかの協定があったらしい。例えば水利権を優先するとか。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な
協定を結べれば良しと思ったのだろうか
そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。当然だよね。
そのうち、じいちゃんが一人の青年を連れて戻ってきた。
「あそこの住職さんが今日は法事でいねえってんで、代わりに息子に来てもろった」
Tだと名乗った青年は簡単に挨拶をすると、お札をくれた
「大変なことになったな、今はこれを持っているといい」
それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレの
ドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「なんだかヤバイんじゃ…」と思うようになってきた。
しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には
盛塩が置かれていた。
また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるものではない)、その
上に小さな仏像が乗っていた。
あと、どこから持ってきたのか「おまる」が二つも用意されていた。これで用
を済ませろってことか・・・
「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。俺もば
あさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。そう
だな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。七時になったらお前か
ら出ろ。家には連絡しておく」
と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守るといい。お札も肌身離さずな。何かおきたら仏様
の前でお願いすればいい」
とTさんにも言われた。
912 5/9 sage 2008/08/26(火) 09:50:22 ID:VFtYjtRn0
テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛
れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気
が全くおこらず、放置したまま布団に包まってひたすらガクブルしていた。
そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、目が覚めたときには、何だか
忘れたが深夜番組が映っていて、自分の時計を見たら、午前一時すぎだった。
(この頃は携帯を持ってなかった)
なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く
音が聞こえた。小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような
音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、誰かが本当に叩いているのかは判断がつ
かなかったが、必死に風のせいだ、と思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだが、やっぱり怖くて、テレビの音を大きくして
無理やりテレビを見ていた。
そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」
じいちゃんの声に限りなく似ているけど、あれはじいちゃんの声じゃない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、そしてそう思ったと同時に全身に
鳥肌が立った。
ふと、隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。
一目散に仏像の前に座ると、お札を握り締め「助けてください」と必死にお祈
りをはじめた。
そのとき、
「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…」
あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。
そこまで背が高くないことは分かっていたが、アレが下から手を伸ばして窓ガ
ラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。
もうできることは、仏像に祈ることだけだった。
とてつもなく長い一夜に感じたが、それでも朝は来るもので、つけっぱなしの
テレビがいつの間にか朝のニュースをやっていた。画面隅に表示される時間は
確か七時十三分となっていた。
ガラスを叩く音も、あの声も気づかないうちに止んでいた。
どうやら眠ってしまったか気を失ってしまったかしたらしい。
盛り塩はさらに黒く変色していた。
念のため、自分の時計を見たところはぼ同じ時刻だったので、恐る恐るドアを
開けると、そこには心配そうな顔をしたばあちゃんとKさんがいた。
ばあちゃんが、よかった、よかったと涙を流してくれた。
下に降りると、親父も来ていた。
じいちゃんが外から顔を出して「早く車に乗れ」と促し、庭に出てみると、ど
こから持ってきたのか、ワンボックスのバンが一台あった。そして、庭に何人
かの男たちがいた。
ワンボックスは九人乗りで、中列の真ん中に座らされ、助手席にTさんが座り、
庭にいた男たちもすべて乗り込んだ。全部で九人が乗り込んでおり、八方すべ
てを囲まれた形になった。
「大変なことになったな。気になるかもしれないが、これからは目を閉じて下
を向いていろ。俺たちには何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。
いいと言うまで我慢して目を開けるなよ」
右隣に座った五十歳くらいのオジさんがそう言った。
そして、じいちゃんの運転する軽トラが先頭、次が自分が乗っているバン、後
に親父が運転する乗用車という車列で走り出した。車列はかなりゆっくりとし
たスピードで進んだ。おそらく二十キロも出ていなかったんじゃあるまいか。
間もなくTさんが、「ここがふんばりどころだ」と呟くと、何やら念仏のよう
なものを唱え始めた。
「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ…」
またあの声が聞こえてきた。
Tさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ、下を向いて
いたが、なぜか薄目をあけて外を少しだけ見てしまった。
目に入ったのは白っぽいワンピース。それが車に合わせ移動していた。
あの大股で付いてきているのか。
頭はウインドウの外にあって見えない。しかし、車内を覗き込もうとしたのか、
頭を下げる仕草を始めた。
無意識に「ヒッ」と声を出す。
「見るな」と隣が声を荒げる。
慌てて目をぎゅっとつぶり、さらに強くお札を握り締めた。
コツ、コツ、コツ
ガラスを叩く音が始まる。
周りに乗っている人も短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。アレは見えなくても、声は聞こえなくても、音は聞こえてしまうようだ。
「このままでは埒があかないな」
Tさんはそう言うと助手席側の窓を開けた。窓が開いたことにより先ほどよりも鮮明に声が聞こえてきたが、見るなという言葉を守り必死に目をつぶり続けた
「悪いが、頼まれたからにはこいつを守る必要があるんでね」
Tさんの声に「ぼぼぼ」と答えるような声が聞こえた
だが、「破ァ!」と気合を入れるTさんの声とともに閉じた状態でもわかるほどに辺りが明るくなるとその声も消えた
「これでもう大丈夫だろう」
目を開けてもいいといわれ、恐る恐る窓の外を見たがもうアレの姿はなかった
それまで黙っていた周りを囲む男たちも「よかったなあ」と安堵の声を出した。
やがて車は道の広い所で止り、親父の車に移された。
親父とじいちゃんが他の男たちに頭を下げているとき、Tさんが「お札を見せ
てみろ」と近寄ってきた。
無意識にまだ握り締めていたお札を見ると、全体が黒っぽくなっていた。
Tさんは「もう大丈夫だと思うがな、念のためしばらくの間はこれを持っていろ」と新しいお札をくれた。
その後は親父と二人で自宅へ戻った。
バイクは後日じいちゃんと近所の人が届けてくれた。
親父も八尺様のことは知っていたようで、子供の頃、友達のひとりが魅入られ
て命を落としたということを話してくれた。
魅入られたため、他の土地に移った人も知っているという。
バンに乗った男たちは、すべてじいちゃんの一族に関係がある人で、つまりは極々薄いながらも自分と血縁関係にある人たちだそうだ。
前を走ったじいちゃん、後ろを走った親父も当然血のつながりはあるわけで、 少しでも八尺様の目をごまかそうと、あのようなことをしたという。
親父の兄弟(伯父)は一晩でこちらに来られなかったため、血縁は薄くてもすぐに集まる人に来てもらったようだ。
それでも流石に七人もの男が今の今、というわけにはいかなく、また夜より昼
のほうが安全と思われたため、一晩部屋に閉じ込められたのである。
道中、最悪ならじいちゃんか親父が身代わりになる覚悟だったとか。
そして、先に書いたようなことを説明され、一応祓ったが念のためもうあそこには行かないようにと言われた。
家に戻ってから、じいちゃんと電話で話したとき、あの夜に声をかけたかと聞い
たが、そんなことはしていないと断言された。
――やっぱりあれは…
と思ったら、改めて背筋が寒くなった。
八尺様の被害には成人前の若い人間、それも子供が遭うことが多いということ
だ。まだ子供や若年の人間が極度の不安な状態にあるとき、身内の声であのよ
うなことを言われれば、つい心を許してしまうのだろう。
今となっては迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、それでもTさんに心から感謝している
その時はただ寺生まれってすごい、そう思ったものだった
追記を閉じる▲
うちの大学は全寮制で、自分も寮に入っていた
しかし、人数の関係で部屋が足りなくなり普段倉庫になっていた部屋を急きょ片付けてそこに入ることになった
昔いじめられていた女の子がそこで自殺しただとか、よく出るとはきいたけど別になにもなし
普通に同部屋になった4人でよくつるんでは遊び呆けていた
夏休みが終わった辺りで一人の子が精神を病み休学
そいつの相室だったやつと仲が良かった子が部屋を移動、自分のいた部屋は3人部屋になった
ところがそれから急に心霊現象が起こるようになった
部屋で一人でいると背後から視線を感じるようになったり
閉めたはずの押入れがいつの間にか開いてたり
廊下を走り回る足音が聞こえたり(覗いても誰もいない
2段ベットの下で寝ていると誰かが上で身じろぎするような音が聞こえたり
突然カーテンを閉めた窓をたたかれる音がしたり(ちなみに2階
電気が突然切れたり
冷蔵庫から水漏れしたり
それでみんな嫌になって寝るとき以外は他の部屋で過ごすようになったんだ
ふと寝苦しい夜に気配を感じて起きると、隣のベッドのまくら元に人影があった
見ると相室のやつらはちゃんとベッドに寝ている
じゃあ、誰だろうと気付かれないように寝た振りをしながら観察した
白っぽい服に黒いスカートを履いた同じ歳くらいの女の子だった
髪は肩より少し長いくらい
それで何をするでもなくその隣のベッドのやつをじっと覗いていた
すると突然勢いよく部屋の扉が開いた
「そこまでだ!破ァ!」
飛び込んできた男の掌から青白い光線が放たれたかと思うと、その女の子は消えた
「やれやれ危ないところだったぜ」
その男はそう言いながら出て行こうとして、騒ぎに駆け付けた管理人に捕まった
寺生まれであっても女子寮に入るとこうなるんだなと思った
肩が重い。どうやら昨日心霊スポットで何かを連れて帰ってきたようだ。
俺は感じる事はできても、祓う事はおろか見る事もできない。
厄介な事になる前に、アイツんトコで世話になろう。
アイツは寺生まれの同級生で、2ちゃんねるとかいうインターネット掲示板では
Tさんとかなんとか言われて結構は人気者らしい。前にあった時珍しく照れて自分で言ってたっけ。
自分で言うなっての。(笑)
そんな事を思いながら俺は車を走らせ、郊外のアイツの寺までやってきた。
するとアイツがスクーターに乗って寺を出て、俺に気付かずに反対側へ急いだ様子で遠ざかって行く。
慌てて呼んだが聞こえないらしい。せっかく来たのに無駄足かよ。俺は思わず悪態をついた。
俺「耳聞こえねぇのかクソ坊主!!」
T「破ぁ?」
なんだ聞こえてるじゃねぇか。それよか肩が軽くなった。